最近のトピック 1.ゲーム(Windows) |
なんか自分はどーも ECO ばっかりやってるという妙な固定イメージがついてしまっているようなのですが、ここはひとつ、
敢えて誤解を解きたい。
否、ECO ばっかりやっているわけではない、というわけで今日はこちらのお話〜。
ええっと、DRIFT CITY というゲーム。ぶっちゃけ MMO なオンラインドライブゲームで(笑)、これがなかなかに楽しかったり。結構広い街中をドライブしながらクエをこなしていくゲーム。雰囲気的にはアメコミ調なところもあり、影の付け方がいかにもなトゥーンレンダリングなのですが、なにげに BGM が良くて、ついつい意味もなくふらふらっとドライブしてしまったり^^。もともと ECO をプレイしている最中に教えてもらったオンラインゲームだったのですが、時間を見つけてちまちまとプレイしていたりします。
# といってもこちらは特に PT 組んだりすることもなくて一人でちょろっとドライブするだけですが;。
ただ、操作系はちょっとやりにくい感もあって、ドリフトのかけ方が普通のドライブゲームと違う。リッジレーサーのようにアクセルをいったん話してドリフトをスタートしたり、PGR のようにサイドブレーキでドリフトを入れたりするのではなく、シフトキーを追加で押してドリフトするのですが、これが思ったようにうまくいかない。慣れてくればそこそこうまくドリフトできるようになるのですが、ここだけはあんまり好きになれないかも;。この辺、お手軽感とのトレードオフ、みたいなところはありますね。
しかしまあ、世の中にはオンラインゲームをかけもちする人が結構いるらしいのですが、いったいどうやっているのかと聞きたくなるのは確か。まあメインが一つで、あとはサブ、みたいな感じなのかもしれませんが、時間がいくらあっても足りないだけに、きっとこのゲームも長続きはしない……ような気が;。うーん。
っと、しまったこのインプレまだ書いてなかったです。というわけでやや今さら感はありますが〜;。
ええっと、先日の例大祭で購入してきた東方地霊殿の体験版。いやはや、ふと気付けば結構やり込んでたりしたのですが、さすがに Hard あたりからはそう簡単にはクリアできず;。しばらくシューティングゲームやってなかったこともあってなかなか苦戦したのですが、
今回もまたシューターの血が疼く。(笑)
っていうかなんで ZUN 氏はこうも見事な弾幕をデザインしてくれるのか、と小一時間。
今回の東方地霊殿はその名の通り、洞窟を彷彿とさせるステージからスタートしていくわけですが、全体的に黒を基調とした背景にバラまかれた弾幕が描く絵がとにかく美しい。東方シリーズって、単に自機に向かって弾幕が降り注いでくるだけでなく、上下左右にもバラまかれていく弾が一つの絵を描き出すかのような感じなのですが、本作でもその弾幕の美しさは健在。しかもこの弾幕が無駄なほどにアツいアツい。3 ステージで終了する体験版ということで、製品版より若干難易度を上げているらしいのですが、こんなのぜったい避けられないよな弾幕も、慣れてくるとなんとかよけきれるようになってくる。
# 私は Normal をやる前に Hard をやり、Hard をやる前に Lunatic をやって目や体を
# 慣らすようにしているんですが、確かにそうやってプレイしているとなんとかよけきれる
# ようになってくるから不思議だったり^^。
いやはや毎年毎年ホントに楽しませてくれるこの東方シリーズなのですが、そうはいっても本作はちょっと難易度高いなぁという気がしたり。6タイプから選択するようになっているのですが、初心者プレイヤー用の誘導弾タイプの霊夢がなくなり(それでも霊夢Aがたぶん一番ラクですが)、ボムの最大数も 4 に減少。Hard モードも後半戦になるとシャレになっておらず、Lunatic に至っては人間がプレイする領域じゃないよ状態になっていたり。Web にころがっていたリプレイデータなども見たのですが、正直どうやってプレイしてるんだ状態;。
# そんなわけで今回は Hard をノーコンクリアした時点で打ち止めにしました;。
# まああとは製品版が出てから楽しもう....
# 一応リプレイデータ置いておきます。後半めっちゃゴリ押しですけど;;。> Normal, Hard
まだ Web 版公開まではしばらくかかるようですが、興味がある方にはぜひプレイしてほしいところ。いつもながらのアツい弾幕があなたをお待ちしております、状態ですよ〜(笑)。
激しくいまさらなのですが、買ってきた〜w。
CLANNAD のフルボイス版。まあ激しく今さら感があるし、初限持ってるのに今さら買ってどうするよ、状態なのですが、まあご祝儀買い……ということで購入しようと思ったら。
なぜに売り切れ;;。
いやこんなのどこにでも売ってるだろう、と思ったら意外なことに品切れなワナ。やっぱり京アニ効果なんでしょうね;^^。
でもって、早速なのでやってみた^^。
久しぶりのことみルート、攻略ページを参照しながらさくっとプレイしてみたのですが。
さすが原作、されど恐るべし京アニ。
いやはやちょっとこれは驚いたり。細部のギミックの秀逸さはさすが原作、といったところなのですが、その一方でアニメ版の方も京アニマジックとしか言いようのない完成度の高さ。や、確かに原作の方は「たんぽぽ娘」をギミックとしたタイムマシン話など、とにかく技巧面が素晴らしいのですが、改めて見てみると詰め込みすぎという面も否めない。その一方で、京アニのアニメ版の方は映像力を駆使して、シチュエーションを見せることに全力を注いでるんですよね。例えば、両親の遺したスーツケースに触れようとして震える手、そしてスーツケースから現れるくまのぬいぐるみ、そこからこぼれおちるホコリ。一つ一つのものすごく地味な映像の積み重ねが、総合的に訴えかけてくるものが凄い。
原作のストーリーラインを読み返してみて、アニメ版はやや不完全燃焼かとも思ったのですが、こうして見比べてみると、限られた尺の中へ納めるための取捨選択の仕方が実に見事で凄いなぁ……と。いやはや参りました。
# あと、ちょっと意外な感じもしたのが、予想以上にゲーム版の能登さんがよい、という点。
# 京アニの演技指導の凄さは AIR や Kanon で実証済みで、CLANNAD の方もゲーム版はイマイチ……と
# 思ってたのですが、クライマックスの能登さんの演技が予想以上に素晴らしい。
# アニメ版と違って尺の制限がないこともあってか、ゆっくりと感情の籠った演技をされていて、
# 万感の思いを籠めたセリフの数々にちょっとびっくり。能登さんGJ! という感じ。
ことみルートだけリプレイするつもりだったんですが、せっかくなのでアニメ版との比較のために他ルートもちょっとプレイしてみようかしらん....^^。
というわけで今朝は微妙に無茶を押してこちらに参戦〜。
東方 Project オンリーイベントもついにビックサイト初上陸、ということで西4ホール(コミケで企業スペースに使っている 4F の片側半分)を借り切ってのイベントと相成ったわけですが、
ぶっちゃけ倒れるかと;;。
っていうか正直参った……orz
まあ今回は始発で参加するかなということで、新木場経由の始発電車で現地に乗り込んだのですが、天気があいにくの雨。気温と天気は事前に調べていったつもりなのですが、これがなにげに寒い;。なにしろ行列からそうそう離れるわけにもいかないし、みんなカサさしてるせいで水が洋服にかかっちゃうんですよね。まあ風邪を引くほどではないにせよ、ちょっとナメすぎたかも状態(苦笑)。(← なにげにカタログすら現地調達ですし;)
それでもまだ並び始めは良かったわけです。結局、コスプレ広場(じゃなかった 4F 屋上w)に誘導されて 4 時間ぐらいまったりしてりゃいいわけなんですが、会場直前にまさかの土砂降り。ビル風と相まって文字通り嵐状態で、ちょ;;、これはどこの神様のタタリですか状態(笑)。
とはいえ思わず苦笑してしまったのが行列の位置。実は徹夜組に軽いペナがあったらしく、りんかい線始発組が事実上最前列に……と思ったら、おいおい先頭から 50 番目ぐらいなんですけど状態。おかげで開始 1 分後には買い終わってしまうワナ。うあ、もう今日やることねーよ状態;。と、それだけだとあんまりなのでお隣の黄昏フロンティアでも購入してきましたが、15 分でしゅうりょう〜。というわけで今日の戦果。
# ループしようかとも思いましたが、1 時間じゃ済まなさそうな上に悪天候なので断念。
# というわけで今回はおみやげなしです;。^^
というわけでとりあえずプレイしてみましたが。
ふむむ、さすがに素晴らしいのですが、疲れすぎてて集中力が、状態に;。Normal ですらノーミスクリアができないというヘタレぶりに自分でクラクラしましたが;、最近東方やってなかったのでちょっとリハビリが必要かも、状態。まあ明日からちょっとプレイしますかね....
# というか、自宅に帰ってきて速効倒れこんだのは秘密。
# っつーか夕方までぐっすりお休みなさい、状態に;。
それはともかく、今回の例大祭について思ったこと。
……いやもうこれは無茶なんじゃ? 状態。
実は私は早々に撤退してしまったのでなんともわからないのですが、行列最中に聞いた話だと、事前のカタログ頒布で 1 万 8 千冊とからしい。関係者とか入れれば約 2 万人規模のイベント、という計算になるんじゃ? という話だったのですが、聞いた瞬間、西4で入るわけないじゃん、と;。もともとコミケの企業ブースが西4でもなんとかなるのは外に待機列を大量に作れるからで、2ch のスレなんかを読んでみると予想通りカオスになっていた様子。東方サークルの場合、需要に比べて供給が少ないというアンバラスゆえの状況だとは思うのですが、運営のかじ取りはこれからますます難しくなっていくのでしょうねぇ。
まあなにはともあれ、次回以降はせめて事前にカタログぐらい買っておきますかね....(苦笑)
というわけで今日はこちらの話題を一つ。
ええっと、黄昏酒場〜Uwabami Breakers〜。これ、前回の冬コミでは全然知らなくて、ほっしーさんのところの最近の日記でその存在を知ったのですが、同人ゲーム界ではまず知らない人はいないであろう、上海アリス幻樂団さんや D.N.A. Softwares さんなどの飲み会メンバーが寄ってたかって冬コミ直前の 2 週間で修羅場って完成させて電撃的に頒布したといういわくつきのゲーム。
頒布数が少なかったこともあって、ヤフオクなどでは超高額(私が見たのでは 6 万円超えすら;)での取引になっていたのですが、最近 Web 頒布版が公開されたので私もちょろっとダウンロードして遊んでみたのですが。
爆笑。
いやもーこの一言に尽きます、このゲームは。(笑)
なにしろ BGM は PC-88 時代を彷彿とさせる FM 音源ベース、そしてザコやボスキャラは見たまんまのドット絵キャラ、加えてルート中の雑魚キャラのイケてなさがとにかくたまらない。それでいながらボス戦のスペルカード(?)は見事な弾幕……なのですが。
しらたきのラプソディってなんだwwww。
いやもう思いっきり爆笑しちゃったじゃないですか^^。面白すぎ(笑)。
まあそれ以外にもボスのカットインとかツッコミどころ満載なゲームなのですが、このベタっぽさがとにかく面白すぎるんですよ(笑)。要はこれ、一流のプロが寄ってたかってノリだけでやってしまう超ネタ&バカゲーなのですが、それでいながらゲームとしての完成度(加えて難易度も、ですが^^)が超一流になってしまっていて、いやもうこういうの大好き^^としか言いようがなかったり。
# とりあえずリプレイデータだけでも拾って見てみるとよいかと思います。
# 3 面ボスのスペルカードはかなりシビれます^^。いやとても自分じゃクリアできなさそうですが。
とまあゲームの内容についてはともかく、ちょっとゲームとは少し離れた話を。
このゲーム、基本的には多くの方面から好意的に受け止められているようですが、Web サイトを見る限り、やはり複数方面からのバッシングはあった様子。まあそりゃ無理もなくて、これだけの面子が集まるドリームチームともなれば入手できない人たちから悲鳴が上がるのも無理もないし、ヤフオクの超高騰ぶりは、やはり ZUN 氏をはじめとするドリームチームの市場価値そのものを表している。こういうクラスの人たちになると、正直なところ思い切って馬鹿をやるのもなかなか難しい、と思うんですよね。実際、今回の頒布枚数の件にしても、対応を一歩間違えれば炎上しかねない恐ろしさがあるし、少なくとも当人たちが面白いから、だけではすまされないものがある。これはおそらく『同人』であっても同じでしょう。(少なくともこのクラスの人たちになってしまうと;)
けれども、じゃあ大人しくそつなくゲームだけ作ってればいいかというと、私はそうじゃないと思うんですよね。
私がこのサプライズ企画作品、黄昏酒場 〜Uwabami Breakers〜 から強く感じるものは何かというと、カオティックなパワーなんですよ。
それは創作意欲とも言えるし、あるいは生きていくための活力、あるいは若さとも言えるかもしれない。近年のいわゆる希望格差社会の特徴の一つに、私は脱力系というキーワードがあるような気がしているのですが、例えば仲良くなった面子で「また今度飲もうよー」とか言っても、その場では「うんうん、是非飲もう」と言っても実はなんとなく面倒で、誰もそのあと飲み会の企画を立てずに放置 → 消滅、なんてことが結構あるんじゃないかと思うんですよね。でもそれだと現状維持が精一杯で、何かのブレイクスルーを得ていくことは難しい。今回のこの企画だって、冬コミの二週間前になって酒の場のネタで盛り上がった話がなーんもできてないということが発覚したらしいですが、普通そういう状況になったら「じゃあまあ今回は忙しいし次回にしますか」とか言うのが普通。けれども、それを酒の場のネタで終わらせない、というところに一流の人たちだけが持つパワーを感じるんですよね。
確かにシューティングゲームとして見た場合、東方シリーズのような高い完成度を持ってるわけでもないし、理不尽な弾幕とザコ敵パターンは「いかにも洗練されてないなぁ」と言わざるを得ないものはある。けれどもこのゲームには、
才能の無駄遣い(笑)ともいえるパワーがあふれている。
たぶんそれこそがこのゲームの魅力であり、腹の底から笑わせてくれる原動力だったんじゃないか、と思います。いや〜、やっぱりこういうのは自分も見習いたいですね^^。
とにかく爆笑できること請け合いなゲームなので、とりあえず一見の価値あり。まずなにはともあれ見てみるとよいと思います^^。
結局買ってきてしまった……orz
というわけで、ななついろ★ドロップスのサウンドトラックス。もともとのゲーム版の BGM 集なのですが、聞きたかった曲はたった一曲、コイスル★フローライト。ショートバージョンはこちらから聞けますが、高音質 & フルバージョンが聞きたくて結局購入することに^^。
で、早速聞いてみましたがやっぱり耳に残るいい曲。サビのところのテンポがよくてついウキウキする類の曲なのですが、こういう曲、大好きなんですよねぇ^^。現在ヘビーローテ中だったり^^。
たった 1 曲が聞きたくて CD 1 枚買うのはどうよ? という気もするのですが、でもヘビーローテする曲ならまあその価値はあるかな、という気がしなくもなかったり。最近はアニメの OP/ED はシングル発売が当たり前になっちゃってますが、私は 1 曲目しか聞かないので、結局 OP/ED 曲でも 1 曲あたり 1,200 円なんですよね;。それを考えるとまあヘビーローテ率が 2 倍ならペイするんじゃ? ……とは言えないですね;(苦笑)。でもまあどうしても欲しくなる曲、というのはなかなか珍しいのも確か。こういう曲に巡り合えるのはやはり楽しいものですね。
「世の中は、たとえどんな社会でも、知識と教養があって、決断力と行動力があるような、
頭のいい人たちが支配してるんでしょう?
私のような頭の悪い人は、ずっと利用されて生きるんでしょう?
でも、気付かなければ、幸せだから……そういった頭のいい人たちに、いっつも責任を
取ってもらえれば、すっごい楽ちんだから……それで、いいよ……」
というわけで夏のこたつさんから猛烈なプッシュを受けながらさんざん放置してたゲーム「車輪の国、向日葵の少女」をプレイしてたわけですが、ようやくコンプしたので軽くゲームインプレを。いやはやこれは確かに強烈プッシュするのも分かる、かなり他に類を見ないタイプの作品ですね。
舞台は明らかにされていませんが、イメージ的には第二次世界大戦に日本が勝利してしまい、そのまま軍国主義を貫いて現代に至ったような世界観。その世界では、罪を犯した人間に対して、罪の内容に応じた義務を負わせることで罪を償わせる、という特別高等法が引かれている。例えば、
・人を殺めた場合には、一生子供を作ってはならないという義務が負わされる。
・時間の大切さを理解せず怠惰な生活を送る者に対しては、生活時間を制限するという義務が負わされる。
・まるで言うことを聞かない子供に対しては、親の言うことに絶対服従しなければならないという義務が負わされる。
・異性をたぶらかす者に対しては、異性に対する接触禁止の義務が負わされる。
そしてその義務を破った者は強制収容所送りとなる。そんな『義務』を負った非更生人の監督・保護観察を行うのが特別高等人。彼らは被更生人の基本的人権を握っており、プライバシーどころか生殺与奪まで自由。更生教育のためなら手段を選ばなくてよく、『義務』の解消についても彼らが決定権を保有する。1 年間に 10 人出るか出ないかという、特権的な階級を持った、国家の超エリート資格。主人公の森田賢一はその最終試験のために、とある田舎町を訪れる……という物語。
……とまあ設定を見ていただければ分かる通り、特別高等人とは文字通り、「特別」に「高等」な「人」。人が人を裁くことに対して根拠を与えるという、まさに選民思想をそのまま具現化したようなシステム。プレイを始めて「いやこれはヤバそうな;;」状態だったのですが、ざっと一通りプレイしてみてなかなかに良い作品だったので軽くインプレ書いてみようかな、と。
というわけで、ここからはネタバレありで。
特別高等人、という設定を聞いたときに、いやいやこれはまたとんでもない設定を持ってきたなぁと感心したのですが、結局、物語をひとことでまとめればこうなるのでしょう。
「意志の強さを問う物語」
特別高等人というのは他人の生殺与奪に対する決定権を持つ資格であり、簡単に言えば人の上に人を作る仕組み。……なのですが、人が人を裁いたり導いたりするときに必要な力、それは自分が目指すところを決して違えないようにする意志の強さ。この作品では、特別高等人になるための様々な試験を最年少で突破してきた賢一が唯一クリアできなかった試験があるのですが、それが「意志力養成試験」。端的に言えば、賢一はある極限的なシチュエーションに追い込まれたときの意志が『弱い』んですね。(幼少のエピソード)
その賢一の意志力を養成するために法月が実地試験として最後に課した課題が、3人の少女たちの更生。法月のやり方は、冷淡にして冷徹、そして非情。被更生人には人権などないといわんばかりに、そしてたった一人の「エリート」である賢一を育成するために、周りの者たちを次々と貶め、犠牲にしていく。賢一を徹底的に絶望させ、もしそのまま折れるなら期待外れ、そこから這い上がってくるのなら意志の強さあり。そうした法月のやり方には情のカケラもないが、人を導く者(特別高等人)を造らんとする鉄の意志がある。
……と、この部分だけ見ると危険すぎる選民思想のカタマリみたいな物語としか言いようがないのですが、この物語の面白さは、人の上に立つべき存在である賢一に最も必要とされる「意志の強さ」を、彼に裁かれるべき被更生人である3人の少女が持っている、というところ。なっちゃんは意志力養成試験により心を砕かれながらも、それでもなお自分の意志を取り戻し、法月の前に立ちはだかる。灯花はどんな仕打ちにあっても、なお慈愛に満ちた行動を母親に対して取る。そしてさちもまた、画家を目指して突き進む。
それらは取りも直さず意志の強さそのものであり、この世の中を変革させていくために必要な力。
それを、賢一は被更生人である三人から学んでいくことになるんですね。
「あなたにとって、政治家ってなに?」
「人を変えようとする職業。だから、すごいパワーがいるんだ。
なぜなら、未来と自分は変えられるが、過去と他人は変えられないからだ……基本的にね。」
もちろん意志がどんなに強かったとしても、他人を、そして世の中を簡単に変えていくことはできない。一足飛びに解決を求めた賢一の父は結局テロリストとして処刑されることになるものの、逆に賢一は自らの素性を偽り、父が残した遺産を使って、社会の中枢へと入り込んで世界を変えて行こうとする。そこにあるのは、社会の仕組み、すなわち車輪の下にありながらも、目指す理想の世界を求めて世の中のあり方を変えていこうとする、すなわち太陽に向かって伸びていく向日葵のごとき意志の強さとでも言うべきものでしょう。
ストーリーも分かりやすく、落とし所も奇をてらっていないので、ある意味では「物足りなさ」を感じるところもありますが、総じて言えば非常によく出来た物語。個別ヒロインで言うとさちルートが珠玉の出来。これは本気で素晴らしいとしか言いようがなかったです。(逆に夏咲が割と大人しかったので、全体としてはややもったいない構成、という印象もありました。ストーリー運びとしてやむを得なかったところはあるでしょうが。)
しかしこれ、発売されたの実に 2 年前なんですよね;。智代アフターや ToHeart 2 XRATED などの大物と発売タイミングがかぶったことが不振の一因だったようですが、この手の社会派ゲームは珍しいので興味のある方はプレイしてみてほしいところです。私もなんだかんだで結構一気プレイでした。
# で、ファンディスクもあるんですかこれ?;
先日、とらのあなに行ったときにふと目についたので購入してみたシューティングゲー。
えーと、最近流行りもの?な縦スクロール型の弾幕シューティングゲーム。まあぶっちゃけイラスト買いなわけですが(ぉぃ)、とりあえずプレイしてみたところ。
……ええっと。
このボス、ゆかりんの声に聞こえるんですけど;;。
おいおいこんなところまで空耳モードなのかよと自分で頭を抱えてしまったのですが(ぉ)、調べてみたら、う゛〜あ゛〜、ホントにゆかりんじゃないですか;;。いやいや実はゆかりんのみならず結構いい声優さんを起用していて、同人ソフトとは思えない気合いの入り方だなぁと驚いたり。
値段も 1,500 円程度なので結構リーズナブルだったりするのですが、逆に言えばそれでこれだけ豪華な造りというのはいったいどれだけ売れてるんだ?? と思わずにはいられなかったりします。大手サークルだと万単位で捌けると聞いたことがありますが、確かにその規模になってくるとこういう豪勢な造りも成立する……のでしょうけど、もうそうなってくるとこれは同人の領域じゃないよなぁ、と思わずにはいられなかったり。
# 確かに特に同人ゲームは商業と同人の境界線が曖昧になりつつあるんですが、
# なんかちょっと違うよなぁ……と思ってしまうのは私だけなんですかね?;
ちなみにゲームの中身の方はというと、……うーん、ちょっと私には合わないかな、という印象。ハイスピードスクロール型の縦シューなのですが、背景の高速スクロールやボムのハデさ故に画面は映えるものの、ゲームとしては非常に攻略しにくいという印象。見栄えの良さとゲームとしての面白さはまたちょっと別モノだと思うのですが、それは私の反射神経が鈍ってきたからかもしれません;。
そんなわけで、でじくま氏向けにゆかりんの声が聞けるページをご紹介しておきます。いやだからなにってわけでもないのですが;。
・いくしーどさーど 番外編
http://flat.web.infoseek.co.jp/eXceed3rd-MIR/omake.htm
# しかし同人の声優さんを今でもやっているというのはある意味ちょっと意外な感じはしますね。
# 売れない頃ならまあ分かるのですが、今でも、というのはちょっと驚きました。
ええっと、Web 拍手ツッコミがあったので一応。ネタバレあるので伏せておきます^^。
> 考え方が違うだけかも知れんけど、歌詞聴いてます?
え゛、もちろん聴いてますが。もしかして Little Jumper ver. の歌詞とかで補完されるんだから物語としてはここまでで OK、という話なんでしょうか;。
念のため各 Ending テーマの歌詞も CD のブックレットで確認してみたのですが……う゛、Song for friends なんてまさに「分かってるけどそっちは描かなかった」という確信犯的な歌詞じゃないですか;;。
私はどっちかというと「その後に続いていく物語」の方がよほど過酷で重要なんじゃないか、と思うんですよね。
『過酷』という穏やかでない単語を使うぐらい、実際その日々は『過酷』なわけで、その過酷について「友情と思い出がありさえすれば乗り越えていけるよ」なんてあっさり言われても、そりゃちょっときれいごとが過ぎるだろう、と思うんですよ。(少なくとも私は麻枝氏をそんな生ぬるい考えを持ったライターとは全く評してないですし、そもそもそういう過酷さを今までだって描いてきたじゃないか、と。)
理樹と鈴が紡いでいく物語にはテーマ的に非常に重たい内容が横たわっているはずで、(リトルバスターズの友情がメインテーマだったとしても)そっちの物語の方が本題なんじゃ?? と思うのですが、どでしょ?
# ……ってぜんぜん外してたらごめんなさい;。
というか今回、世の中のレビューサイトを全然見てなくて、さっきちらっと見てまわったのですが、友情のところですでにおなかいっぱい、になってるレビューが結構多いですね。実はこの点については先日、夏のこたつさんとも話題になったのですが、もし友情をメインテーマに据えて話を描くなら、とらハ2みたいに日常の枠の中に留まって物語を構成した方がずっと良かったんじゃないか、と思うんですよ。そこになまじ『現実の過酷』という劇薬調味料を入れてしまったためにバランスを崩してしまった、という見方もできるかもしれません。
んー、この辺はもう少し突っ込んで議論したいところかもしれませんね。掲示板、復活させようかな;。
なんか巡回してたらのりさんもコンプしたみたいですし。
……というわけで今日は一日じゅう引きこもってこれをひたすら書いてました、はい;。
・リトルバスターズ! ネタバレゲームインプレッション
……というかさすがに疲れました;。結局一日(昨晩からなので実質的にはもっとですが)かかっちゃいましたよ;;。というわけで仔細はネタバレゲームインプレを読んでいただきたいのですが、blog の方では漏れ話をいくつか。
実は昨晩コンプしたあと、「……いやこの作品は激しく微妙だなぁ、blog でちょろっとコメント書いて終わらせようかなぁ」ぐらいに思っていたんですが、久しくまともなインプレを書いてなかったのと、さんざんおまたせさせた方がいらっしゃったようなので;、たまには真面目に書こうかな、というわけで書いてみたり。……でも相当手抜きです、ごめんなさい;。これ以上気合い入れる気はちょっと起きなかったです><。
このゲーム、初回プレイ時にはナルコレプシー持ちの理樹の夢だろう、と思ったのですが、2 周目あたりから恭介がこの世界を操れる、というルールが見えてきて、だとするとこれはサイコカウンセリングではないか、と推測してました。かなり昔に「書淫、或いは失われた夢の物語。」という知る人ぞ知る作品で使われたネタだったのですが、まさにあの作品を彷彿とさせるシナリオ。だとするとこの主人公である理樹は激しい過酷な現実にさらされたはずで、理樹以外が全滅というジェノサイドなシナリオも十分にあり得る。そこまでいかずとも最愛の人である鈴を失うシナリオが最も考えられるかと思っていたのですが、結果としては割とファンタジーなところに落ち着きましたね。
ただ、そうはいってもやっぱりテーマ的な消化不良感はぬぐえない。友人たちが死んでしまった(=失われた)という事実のみが過酷である、と解釈されかねないこのシナリオでは、遺されたものに襲いかかる「やがて来る過酷」をあまりにも軽視している、という謗りを受けても仕方がない。
そしてこの点は、CLANNAD ではきちんと描かれていたものなんですよね(渚を失った智也が汐を育てていく物語をずっと描き続けていった)。それだけに「なんでここで物語が終わるんだ??」と思わずにはいられなかったです。まあ実際、アフターを作ろうと思えば作れる構成にしてあるだけに、きっと鈴アフターとかを作るつもりなんじゃないかとは思うのですが;(っていうかそうじゃなきゃ納得できません><)。
正直なところ、(噂話とはいえ)これで麻枝氏がライター引退というのはちょっと後味悪いなぁ……という気が。もちろんご本人の意思次第とはいえ、純粋に一人のファンとして思うと、(失礼ですけど)むしろ CLANNAD で終わってくれていた方が……とすら思ってしまう部分がどうしてもあります。テーマ的に焼き直しになったとしても、それが普遍性のあるテーマであれば何度描いても構わないじゃないか、という気もするだけに、鈴アフターを切望せずにはいられません。(麻枝氏がそれを望むかどうかはわかりませんが)
っと、そういや CD 買ったので今度開封しますかね〜^^。
なにはともあれ最後は一気にプレイしましたが、実に 3 か月もかかったのは果たしてどうよ??状態ですけどね;。
ふ〜、ようやく葉留佳ルートクリアです。とりあえずネタバレあるので反転にて。
えーっと、まずは一言。
参りました;;。
っつーかなかなか手に付きにくいキャラで放置状態になって最後に回されてしまったキャラなのですが、ここまでプレイした中では抜群のシナリオじゃないですか;。想像を葉留佳に超えた、もとい、遥かに超えた出来で正直参った、としか言いようがなかったり。
葉留佳/佳奈多が双子だとか、双子の入れ替えトリックだとかはギャルゲではもはや常識になってしまった上に、いわゆる『狂った古い風習』についてもひぐらしという前例があるだけに、どれも目新しさがあるものではない。そしてすべての悪者が『状況(シチュエーション)』であって、実は佳奈多が葉留佳のことを思っていた、なんていうストーリーラインもある意味予定調和すぎる。けれども、Key の作品でありながらこういうどす黒すぎる心の中の負の感情を直球勝負で描いてきたことに驚くと同時に打ちのめされた、という印象があります。
常に明るくハイテンションなムードメーカー葉留佳、その言動は彼女のペルソナ。道化と化すのは彼女の処世術であると同時に、彼女の病巣の深さでもある。家にも寮にも学校にも居場所のない彼女は、事件の新聞切り抜きをばらまかれて理樹に自分の『黒さ』(負の感情)をさらけ出す。
「…ねぇ、理樹くん。私、こういう子だよ。うん、わかってて全部やってたの。
なんどもなんどもなんども…わかっててやってるの。たのしいもの。うれしいもの。
つらくないもの。くるしくないもの。ほんとうは、わるいこなんだよ。
いっそうまれてきたことをくいあらためたほうがいいんだよ。あはははは。」
でも、彼女が求めているものは「傷」。彼女は自分を傷つけ、そして誰かを悪者にして憎むことでしか自分の心を維持することができない。しかし心に闇を抱えているのは葉留佳だけではない。佳奈多もまた、葉留佳から憎しみを向けられ、そして心を歪めていく。けれどもそんな彼女たちが求めていたのは、自分のことを分かってくれる人の存在。まず、葉留佳を救うことになったのが、彼女を受け入れる理樹の言葉。
「…そうか。僕は、葉留佳さんのこと、好きだから。
それだけ。生い立ちとかそんなの関係ない。僕は葉留佳さんのこと、好きなんだ。」
葉留佳は誰かに認めてもらえないが故に、誰かを恨むことでしか自分の居場所を作れなかった。けれども人のことを好きになって好きといってもらうことで、初めて彼女は自分の居場所を手に入れ、自分の出生の秘密を知ろうと踏み出していく。他人を貶めるためではなく、貶め合う日々に決着をつけるために。
「…知ってしまえば、今までどおりでいられないのよ。
そうしたら、無くしてしまうのよ。全てが無くなってしまう。
…今までの日常が。これまでの日々の全てが。
それでもなお、あなたは私に協力してくれと、言うの?」
「…うん。
終わらせたいと思った。人を好きになって…好きと言ってもらって…
私は、ここで本当の意味を見つけた。
だから私は、私と私の好きな人たちと一緒にホントの姿を知りたいと思った。
…はじめて、もう終わらせたいと…私は思ったんだ。」
おそらく状況から推察するに、晶の娘が佳奈多であり、そして二木の本当の娘が葉留佳なのでしょう。
・佳奈多は晶と話が出来ており、「父さん」と呼んでいる。
・葉留佳の家に住んでいる母と父、そして佳奈多が真実を知っている。(佳奈多が真実を知っているという直接的な描写はないですが、理樹がその話を両親にぶつけたときの反応から知っていると推測可能。)
・もし晶の本当の娘が佳奈多だったとすると、今の状況(佳奈多が継嗣であるとされている状況)がすべて崩れ去る。(= そしてそのことを、真実を知る人たちが恐れている。)
・母と父が出した「真実を知る条件」が、佳奈多と二人で晶のところに行くことだった。(= 葉留佳が「真実を知っても誰かを貶めようとしない」気持ちにならなければ問題は解決しないため、真実を教えることはできなかった。)
その真実をすでにほぼ決着のつき掛けた跡継ぎ争いにぶつけることは、危険以外の何物でもない。
「私がやっているのは、逆。全くの、逆。
潰すために追い出そうとしているわけじゃないの。こうでもしないとあの子、潰れちゃうから。」
「追い出された方がいいとでも、言うのかっ」
「…そうね。そちらのほうが幸福じゃないのかしら。次こそ…次こそは三枝葉留佳の居場所も見つかるでしょう。」
「本当にひとでなしだな。」
「…うん。しってる。私はひとでなしだわ。あなたに何度も言われた通りね。ひとでなしだから…なんでもする。
でも、直枝理樹、あなたが悪いんだからね。その意味で、私はあなたが嫌い。」
佳奈多は、もしかしたら跡継ぎ争いにはっきりした決着がつく頃合いを見計らって、葉留佳を退学に追い込み、そして別の学校へ追い出すことで葉留佳を救おうとしたのかもしれない。にもかかわらず、葉留佳は理樹という『居場所』を見つけてしまう。他人の気持ちも知らずに一方的に憎しみをぶつけてくる葉留佳を見て、佳奈多も冷静ではいられない。佳奈多が葉留佳に対してある瞬間に見せる憎悪は、佳奈多もまた孤独であるが故のものなんですよね。
「…ふん。悲劇のヒロイン気取り?
自分だけが不幸だと思っているあなたには反吐がでるわ。
世界で一番辛いのは自分だと哀れんでほしいのよね。
慰めてくれれば誰だっていいくせに。構ってくれればなんでもいいくせに。
…良かったわね、哀れんでくれるひとがいて。慰めてくれるひとがいて。構ってくれるひとがいて。
でもね、そんなのは幻…夢のようなもの。人は人を救えない。
あなたも彼もまた。神さまじゃないのよ。」
けれどもその佳奈多の孤独は、(彼女が心血を注いでいた)葉留佳からの憎しみが解消されることによって癒されていく。
「…自分だけ辛いんだと、思ってた。
簡単なことだったんだ。片方の幸せが片方に寄っていたわけじゃなかったんだ。
奪い合うゲームをしてるんだと…思ってた。
そうか…私『たち』は、やっぱり、ただ、奪われていただけだったんだ…」
このシナリオの見どころは、やっぱりこの葉留佳と佳奈多の『黒さ』(壊れっぷり)だと思うんですよね。自分の苦しみや悲しみを理解してくれる人が誰もいないという、孤独ゆえの苦しさ。それゆえに葉留佳や佳奈多は『黒く』なる。明るく社交的に見える葉留佳のペルソナ、そして品行方正な佳奈多のペルソナを一枚剥げば、その下には目を逸らしたくなるほどの「醜い心」がそれぞれに存在する。けれどもそれは彼女たちの「理解されない」という、悲しみの心の叫び。彼女たちは誰かを悪者に仕立て上げなければ心が潰れてしまうんですよね。
…葉留佳さんは、理解して欲しかったのだ。
自分という存在を…ただ、理解して欲しかった。
否定ではなく、うん、そうだね、と言って欲しい―――
たったそれだけの、好意に、彼女は飢えていた。
このシナリオって、人によっては超ドン引きなシナリオのような気がしなくもないのですが;、その悲しみを共有してくれる人がいるからこそ人は黒くならなくて済む。何かや誰かを憎んだり悪者に仕立て上げようとするだけでは、本質的には物事は解決しないという愚直なテーマを、恋愛ドラマと絡めて見事に描いた一作だったように思います。他のシナリオと違って消化不良になることもなくきっちりと描き切れているのはさすが、という感じですね。
というわけで葉留佳ルートまで完了。次はいよいよオーラスの鈴ルートですね。
いやはやなんかコミケ後のバタバタでしばらくプレイしていなかったわけですが、なにげに前回のセーブデータを見たら 8/15 だったりするワナ;。しまった実に 3 週間以上も放置プレイかよ状態だったわけですが、ようやく手を付けられる状態まで復帰したのでプレイ再開〜。というわけでネタバレありで以下ルートの感想を。
ええっとですね。
さっっっっぱりわからんのですが、このルート;;。
いやー、よく分からなさ加減はクドルートとかを圧倒的に凌駕してるのですが、「え゛? それで終わり??」状態に;。なまじ世界設定に迫るようなストーリーラインになっていただけに「ちょっww、その寸止めプレイはないだろう」と;。
なのでストーリーでなくとりあえずキャラについて書いてみるわけですが^^、キャラについてなら簡単に書けます。
くくくく、くそう、らいらいだに、かわいすぎるww。(爆)
「…私はな。笑い方を知らなかったんだ。
…昔から、私は何でも出来た。けれど…感情の動きというものが、私には何故か無かった。
本当に、笑わない子供だったんだ。」
要するにこれ、感情を失った女の子が他者との交わりの中で少しずつ感情を取り戻していくというストーリーラインなのですが、いや基本的にこういうお話、好きなんですよ自分;。実はプレイしたときには、来々谷さんが感情を失ってしまった理由は後天的なものかと思ったのですが、先天的なものだったというのがちょっと意外と言えば意外。(後天的なもの=理由がある=そこをひも解いていくことによって物語が進む、みたいな展開が割と王道パターンですからね;) けれども感情を知って戸惑う来々谷さんがこれがなかなかにかわいいわけで^^。なまじ前半戦で手玉に取られているだけに後半戦のあたりはなかなかに良かったです。
とはいえ設定面はホントにワケわかりません状態;。時間の進行を止めることになった引き金のイベントに対して、
「おまえがそこまで本気だっていうのなら、ここから先はもう完全におまえひとりで責任を負う事になるんだ。」
というセリフを恭介が語っているのですが、やはりこの世界の構築ルールには恭介が関わっているというのはいくつかのルートからうかがえるところ。果たしてどういうことなのか……は情報少なすぎて分からないですね;。ただ、ヒロインと理樹の夢が同期(同調)しているような描写があるので、もしかして何かの治療なのではないかと思ったりもしますがさすがにそれは Key 作品としては電波すぎるかも?;
にしても 3 週間も放置してるとすでに他ルートのシナリオをすっっっかり忘れてしまっているのですが;、ちょっとメモ読んで復習しとかないと、ですね;。
そんなわけで引き続きとっとと葉留佳シナリオに入っていこう;。や、とりあえずさっさとクリアして打ちのめされないと、ですよ^^。
# どうでもいい話ですが、来々谷さんって、どっちかというと「らいらいだに」さんよりは
# 「くるくるだに」さんと読んでしまう自分は果たしてどーよ、みたいな;。
ええっと、昨晩の深夜の話なわけですが。
うおおおおお、ホントに最後の最後の背水の陣でクリアしましたよ〜〜〜〜っっっ!!! > 東方神風録 Extra
実は昨晩、なんか微妙に寝付けなくてつい東方を起動してしまったんですが、Hard モードをちょこちょこプレイしてたらなんとか 4 面突破(けれども 6 面がどうしてもクリアできず)できたという感じだったので、いやこれはもしかしたらこの波に乗れば Extra もいけるんじゃ??と思ったんですが、そうはいってもクリアできると思ってなかったので感激もひとしお。いや〜〜〜〜、やりましたよっ!!
というわけでこちらがそのリプレイファイルなのです。が。
……ひと晩経って見返してみると、いや〜、ひどいプレイですねこれ(爆)。というかこれ、ボムでごり押ししまくってるプレイじゃないですか状態。道中とかもうめちゃめちゃなプレイで、いやこれでもクリアできるのかとちょっとびっくり。
すでにこの blog 読んでてかつ東方プレイ中、という人はとっくにクリアされているのかもしれませんが、いくつかポイントを書き出してみると。
・道中はとにかく残機温存が基本。ボムをケチる必要性は全くない。
(ボムでごり押しして回収できるパワーアイテムでほとんど回復できてしまう。)
・とにかく点アイテムをたくさん回収してエクステンドをとれるようにすべし。
・中ボスはとにかくパターン化してボムをほとんど使わずに突破できるように練習する。
・ラスボスは、いくつかのスペルカードだけ重点的に攻め、それ以外は極力ボムでごり押しする。
(楽なスペルカードいくつかをとれるようになるだけでクリアできる。)
ラスボスで取りやすいスペルカードは以下の通り。
@ 開宴「二拝二拍一拝」
これは、色違いのレーザービームをなぞるような形で自機を動かすと、敵の弾が誘導されて簡単に回避できます。
A 蛙狩「蛙は口ゆえ蛇に呑まるる」
円を描いて放出される弾の隙間を縫って、一気に中央側に抜けて避けます。慣れてしまえば確実に取れる、度胸勝負のスペルカード。
B 土着神「七つの石と七つの木」
非常にいやな弾の流れをするので最初は避けにくいのですが、「上から下に」引きつつ左右方向にキャンディー弾の隙間を抜け、一気に上に移動、を繰り返す。これも慣れるとかなり簡単になるスペルカード。
まずこの 3 つを確実に押さえて、さらに土着神「手長足長さま」や神具「洩矢の鉄の輪」、源符「厭い川の翡翠」あたりを粘れるようになればかなりいけるはずです。
それにしてもこのゲーム、やはりむちゃくちゃ面白いですね。ぜったいこんなのクリアできないーーーっっ!! と思うのに、プレイしているうちになれてきて突破できてしまう。シューティングゲームの場合、「どうやっても歯が立たない」タイプの難しさも存在するわけで、この辺のゲームセンスの良さには何度プレイしても驚かされるばかりです。> 東方シリーズ
というわけで Extra クリアでいったん満足したのでぼちぼちホントにリトバスに戻らねば;。
や、今度の連休まで待ってから頑張る、とかいう選択肢もあるんですけどね。
だあああああああっっっっ;;。
っていうかですね、諏訪大戦を残機 3 で突破していながらオーラスのスペルカードを落としてクリアできずって絶対ありえないでしょぉぉぉぉっっ、状態(涙)。
というわけで現在 Extra モードを攻略中。とりあえず霊夢 A で攻略しているのですが、あいかわらず強烈なまでに楽しい^^。なんといっても惚れ惚れするのはスペルカードの美しさ。
今回の Extra モードは前作までに比べると比較的簡単な方ではないかと思うのですが、全体的にガチンコ勝負、つまり気合い避けするしかないようなスペルカードが多い。上のスナップショットの「ケロちゃん風雨に負けず」なんかまさにそうですが(っていうかスペルカードの名前に笑いましたが^^)、いやもう全力集中するしかないでしょこれは、みたいな感じのスペルカードになっていたり。
私は信仰関係の知識が全くないのでモチーフがどこから取られているのかは分かりませんが(オーラスのスペルカードの名前がミシャグジさまだったりラスボスがカエルだったりするので、その辺か分かる人にとってはかなり楽しい設定なのかもしれませんが)、イメージのバランスが作品全体を通して取れているのはおそらく背後にある世界観がきっちりと ZUN さんの中で作り上げられているからなんでしょうね。
しかしもう絶対に Extra クリアできないよ……と思ったわけですが、今回の東方は Extra どころの騒ぎじゃなくて、Hard すらもままならない、というのはいったいどうしたものか状態;;。
えーと、なんですかこの Hard 4 面のアホみたいな難しさは;;。
いや実は体験版のときに比べると 3 面までの難易度は抑え気味に調整されているのですが、4 面が Normal とは比較にならないほど難しすぎる;。というか何度やっても突破できないのは果たしてどうしたものか状態で、これは Continue ではなく最初からやり直して残機でゴリ押しするしかないのか、という感じ。
それにしてもこのゲーム、熱中すると止まらなくなるものの 1 時間以上は集中力が続かないのでプレイできないですね;。ええっと、そういう意味では私にはちょうどいいゲームかも??(ぉぃ)
っつーかですね、面白すぎて寝られないんですけどっ;;。
というわけで仮眠取る前に東方風神録をちょろっとプレイし始めてみたのです。が、これが運のツキ。
これ神。とにかく神。超神。
ヤバい、ヤバいですよこれ。いやもう背筋にぞくぞくくるシューティングゲームって素晴らしいとしか言いようが^^。
なにが素晴らしいって、とにかくビジュアルがすごい。
例えば 4 面の滝を登っていくシーン。ちょっとした画面効果の工夫なのですが、思わず画面に魅入ってしまう。(いやシューティングだから魅入ってはダメなのですが;;)
あるいは数々のスペルカード。背景として描かれる複雑な文様と、弾幕が描き出す美しい模様は、とにかく見ているだけで惚れ惚れするほど。1 つ目の SS なんかが分かりやすいですが、弾幕も背景も何重かに描かれていて、それらが見事に調和して一枚の絵を形作る。もともと弾幕の美しさはこのゲームの根底をなす一つですが、どこまで進化すれば気が済むのだろう、という印象すらある美しさ。そして弾幕自体の攻略も楽しい。今までにあった基本的な弾幕もありますが、ほとんどは目新しいと感じさせてくれるスペルカードで、とにかく攻略方法を考えるのが楽しい。
# が、実際にはかなりガチンコなんですけどね;。
# でもさすがに体験版のときのとち狂った難易度は若干緩和されてました。^^
いや〜、とにかく素晴らしい。さすがに集中力が続かないので今日はこの辺で打ち止めにせざるを得ないのですが(やってもうまくいかない;)、また東方の夏、眠れない夜が来るのかと思うとかなり楽しみだったり。(ってかとっととリトバスを片付けなければならないのですが;。)
一応、霊夢 A で normal クリアしたのでとりあえず置いておきます。2 プレイ目のものなのでスペルカードとかかなり取りこぼしてますが; & 激しくゲームの楽しみを損なうかもしれないので、クリアしてから見ることをおすすめします^^。
# なんかリプレイにバグがあるっぽくて、4 面のリプレイがうまくいかないかもですが;。
# でもクタクタにさらに輪がかかりつつあるので;とりあえず今日は夕飯食べてとっとと寝るです;。
あ、シューターの某 T きちくんの分も確保してあるのでそのうちお渡しします^^。
というわけでこんな暑い日はぶっちゃけちょうどいい引きこもり日和なわけですが、だらだらとリトバスをプレイしてちょうど先ほどようやく 3 キャラ目の美魚ルート突破。取り立てて書くこともないのですが、とりあえず軽くインプレを。
いやはや、いい具合に頭の中がごちゃごちゃになってくる物語ですね:-)。プレイしている間は綺麗に物語が流れているように見えるのに、ふと振り返って全体を見返してみるとあらすじをまとめにくい物語。ストーリー中に「奇書」の話が出てきますが、まさにそんな感じのあるストーリーライン。「記憶」というキーワードを中核に、夢と現(うつつ)の挟間で揺れ動く物語をうまく描きましたね。
このストーリー単体では特に語ることはないのですが、クドに続いて美魚をプレイしていると、やっぱりこれはメタものなのかな、という気がしてきますね。つまり、ゲーム世界そのものが直枝理樹の見ている夢。ナルコレプシーである彼が寝落ちしたときの記憶がないのは、現実世界での記憶を閉ざしているから。実は美鳥が出てきたときに、美魚と美鳥は双子で、現実世界で美魚が死んだという設定になっているという線と、美鳥が美魚の創り出したイマジナリパートナーであるという線のどちらかだろう、と推定したのですが、どうもこのストーリーをプレイしていると実はその両方なんじゃないか、という気がしますね。というのもこのストーリーでは一応後者の線で片付いているのですが、美魚が実はメガネを掛けていたという伏線が回収されていない(しかも ED でもメガネをかけていない;)。クドルートでドッグタグが存在してたりする伏線も回収されていないので、ますます実はリアル世界では文字通り全滅とかいう非常にえげつないストーリーになっているのではないかという恐怖がひたひたと;。
# ……などといろいろ妄想が膨らむのですが、外れてたらかなり恥ずかしいワナ。
# まああれこれ想像しながらプレイするのが楽しいのですが^^。
いずれにしても先に進めてみないことには分からないので、次のルートに行ってみようかと思いますが。
しかしやはり時間かかりますね;。> リトバス
まあ単に一気にプレイするだけならどうにでもなるのですが、じっくりメモとりながら進めてるとこんな程度が限界ですね;。うむむ。
ようやく放置していたリトバスに戻ってきたわけですが、ルートにすでに入っていたクドルートコンプ。
えーと、とりあえずネタバレなので反転させておきます。
なにはともあれ、まずは一言言わせてください。
趣味悪すぎる;。> 携帯電話
や、確かに演出としてアリなのは分かるけど、ちょっとキツすぎですよあれは;;。
それにしてもこれ、いろいろと謎の多いルートですね。まあ他のルートもプレイしていくことによって少しずつ謎が解けていくのだろうと思いますが、設定自体は名前からして直球勝負というか、そのまんまですね;。スプートニク2号に乗せられて地球の軌道衛星上を回った最初の生物、それがクドリャフカ。クドリャフカは地上に生還することなく宇宙で命を落とすことになりますが、逆に地上に生還した最初の二頭の犬がストレルカとベルカ。もともと生還させることを想定していない宇宙船に乗せられたクドリャフカはいわば死すべき運命を課せられていたわけで、そこにあったのは「人間たちの悪意のない理不尽」。クドリャフカがその運命を受け入れるためには、自分の命が世界を回していく歯車の一つになるということを受け入れなければならない。
と、この辺はまあ分かるのですが、よく分からないのはなぜクドがロケットの欠片(私の『きもち』の残骸)を持っていたのか。『今度は』とは何のことなのか。クドが宇宙飛行士を目指していながら「望んだ結果」になったのはなぜか、さらにはクドがなぜ母親が公開処刑される映像を知っていたのか。
……や、情報が少なすぎてさっっっぱり分かりません><。微妙にメタものっぽい気はするんですが、これだけではなんとも。というわけでシナリオ考察は一時保留してしばらく放置。もうちょっと他ルートで情報を集めてからにします;。
いやはやまあそれはともかくですね。
くくく、くそう、クドかわいいじゃないですか。(爆。
↑節操無い人ですよこの人;;
ただそれはともかくとしても、小毬ルートといいクドルートといい、どうもちょっとピンとこないところがありますね。一言でいえば描写が全体的に粗めで、どういう状況なのかがイマイチ分からないところがいくつかある。逼迫感の描写がぬるい、という言い方になるのかもしれませんが、もうちょいシビアな描き方をしても全体的にはバランスが取れるんじゃないかなという印象はありました。
ま、いずれにしても、ようしっ、次ルート行ってみよー! ですよ〜?
ううっ、連日の睡眠不足がそろそろピークに;;。というわけで今日は昨晩クリアした小毬ルートのインプレを軽くまとめてみたり。一応ネタバレなので文字反転で。
「…小毬さん。ここが現実なんだよ。
お兄さんは、ここにいたんだ。……でも、もういないんだ。
小毬さんは、その悲しみを受け止めなきゃいけないんだ。
僕が、助けてあげるから……それを、受け止めて。」
シナリオ後半はほとんど予定調和的に進行する物語でしたが、テーマ的には Kanon や CLANNAD など Key 作品の直系とも言うべき分かりやすい内容。一言でいえば、現実逃避の克服物語、ということなんでしょう。
「直枝君が幸せになったら、私も嬉しい。
誰かを幸せにするって、自分もちょっぴり幸せになるよね。
だからほら、君が幸せになると、私も幸せ。私が幸せになると、君も幸せ。
ずーっとずーっと繰り返して、ほら、幸せスパイラル。」
小毬は、人を幸せにすることで自分も幸せになることができる子。けれども人と人とが関わり合う以上、悲しみだって生まれてしまうことがある。確かに悲しみはできれば避けたい。けれどもどんなに頑張ったところで、すべての悲しみが回避できるものでもない。
もっと早く子猫に気付いていれば、それを助けることが出来たんだろうか。
そうすれば、小毬さんもこんな事にはならなかったんだろうか。
…でも、そんなのきっと無理だった…。
なくしものに気付くのは、いつも失ってからだ。
…なんで、いつも…過ぎた後にばかり気付くんだろう。
そして起こってしまったことは、取り返せない。幼いとき、慕っていた兄を失った小毬は、その現実から逃避するために現実を夢と思い込むスイッチを作り、そして夢の中で兄と出会う。小毬は兄を忘れることで現実を生きるけれども、血や動物の死を見ることで再び兄を思い出し、少しずつ心をすり減らし、壊れていく……。
マッチ売りの少女はマッチに火をともすことで、幸せな幻想に身を委ねる。それは温かな夢に心を委ねる小毬のあり方そのもの。マッチをすり減らしていった少女の最後に待つのは悲しい死。そして現実から目をそむけて心をすり減らしていく小毬の最後に待つのは人格の崩壊。
けれども拓也は小毬が祖母と同じ状況に陥ることを予見して、一冊の絵本を描く。それがにわとりとたまごの絵本。拓也が絵本の物語に託した想い。それはいつか小毬が拓也の死を受け入れ、そして再び歩いていく物語。
「拓也さんは、いつか小毬さんがにわとりになったとき…
悲しいことを受け止められるように、って残したんだよ…
それを描いた時から、拓也さんはきっとそうなるようにって思ってたんだよ…」
結局、私たちは悲しい現実を受け止めて、それでも前を向いて歩いていくしかない。私たちの目は、時として悲しみが見えすぎてしまう。けれど、けれどもステキなこともいっぱい見つけられるから。
だから、理樹はマッチ売りの少女の物語の、悲しいラストを描き変える。自分の精一杯の力で、幸せな結末へと。
悲しいことなんて、本当はなくしてしまえればいい。
なくならないなら…僕が救いになればいいんだ。
…げんそうのおばあさんはやがてきえてしまって、しょうじょはひとりになってしまったけど。
それでも、しょうじょはいろんなしあわせをみつけて、しあわせにくらしましたとさ…。
そして小毬は再び自分を取り戻してハッピーエンド……なわけですが、ちゃんと小毬は最後に物語の結末を描き足すんですよね。マッチ売りの少女が最後にはやっぱり消えてしまう、という結末を。なぜせっかくハッピーエンドになった物語に、元と同じそんな悲しい結末を描き足すのか? 中盤にこんなセリフが出てきます。
…喪失の予感。
すべてはいつか、失われる。
小毬さんの悲しみは、そのすべてに向けられているような気すらしてくる。
確かにすべてのものは、いつか必ず失われる。けれども結局は失われるのだから全て無意味だと考えるのでは、ステキなものも幸せなものも存在し得ない。小毬は、悲しみの存在を受け入れる。だからハッピーエンドだけの物語にしなかったんですね。
「でもね、少し悲しいけど。
それはきっと、いい終わり方なんだよ。
……悲しいだけじゃないから。」
小毬の言うように、私たちの目は『見えすぎてしまう』から、悲しみばかりがよく見える。そして悲しみは、同時に私たちの目線を悲しみばかりに縛り付けてしまう。
「語尾に『ようしっ』と付けてみよー」
小毬の前向きマジック、それは悲しみからの逃避でも忘却でもなく、それを受け止めて、なお前に歩いていくための魔法の呪文。
「悲しいことはなくならないけど。…いっぱい、ステキなもの見つけられる。
理樹君といっしょなら、きっと見つけられる。」
「…ステキなこと、いっぱい探そう。」
悲しみと幸せを受け入れて、それでも前向きに生きていこうという物語。それがこの小毬のストーリーだったように思います。
……などと書いてはみたものの、インプレ書くまでもないだろ的な印象はなきにしもあらず;。ある意味ものすごく丁寧に描かれているので、CLANNAD のような難解さもなんにもない、という感じではありますね。
# ただ、全体的に演出が淡白な感じが;。もちっとコテコテな演出にしてもよかった気が^^。
でも、個人的には小毬はめちゃめちゃめちゃ大好きなタイプのキャラですね〜^^。CLANNAD の渚の直系キャラというのもあるのですが、プレイした直後から超一押し。無意味にめちゃめちゃかわいいんですけどこの子、状態(笑)。小毬さんの幸せスパイラル理論、私はこの手の考え方がかなり大好きなのですが、リアルだと滅多にお目にかかれないタイプなだけに、やはり二次元だとステキなものがいっぱい見えると思う今日この頃。(← あ゛あ゛、現実逃避してますよこの人(笑))
# しかしいきなりショートケーキのイチゴを食べてしまった気分;。
# うぐぅ、どうしよう;;。(笑
いやいや、こんなことでへこたれちゃダメなのです。ようしっ、次のルート行ってみよ〜! ですよ〜?
# といいつつ今晩は ECO ログインしないと;。クエ消化&アニメ消化が完全に止まってる;;。
# そしてさらに明日の予習〜;。ううっ、でじくま氏に怒られる;;;。
なんか鈴ルートがどうにもラチが開かないので回避して別ルート攻略を探していたらなにげに小毬ルートに突入。
「おはよう、おにいちゃん」
ぐはっっっっ;;;。
微妙に大ダメージを食らう自分。……や、プレイした人にしかわからないと思いますが;。
というわけでつい今しがたクリアしたわけですが、ちょっとちゃんとインプレまとめてるほどの時間はないので簡単に。
なんつーか、思いっきりベタベタな話ですね、これ;。それでありながら全体としては軽い。一応この子、メインヒロインのはずですけど、内容的にはサブヒロイン級という印象(というか個別ルートに入ってからものの数時間で片付いたんですけど;)。テーマ的にはほぼ事前に予想していた通りの話で、これまた予想通りに無意味に大ダメージを食らったりもしましたが、それにしたって軽い。加えて回収されていない伏線もあるような印象だし、うーん、これで終わりなんですか? 状態。
おそらく鈴ルートが本作のメインルート(理樹の過去が明かされるルート)なんでしょうけど、妙なところの作り込みの細かさに比べると全体的に大味感があって、うーん? という気がしなくも。
んー、まあ CLANNAD みたいな前例もあるので、とりあえず先に進めてみようかと思います;。
えーっと、現在の状況。> リトルバスターズ!
1 - バトルランキング暫定王者 神北 小毬
2 - できたてほやほやの影 棗 恭介
3 - かわいさ満点 直枝 理樹
4 - 頭を強く打ってこうなりました 宮沢 謙吾
5 - ぷっぷー 棗 鈴
6 - 地獄から這い上がってきた料理人 井ノ原 真人
7 - 日本人っぽいグランプリ2007王者 能美 クドリャフカ
8 - 趣味:マンホールと連呼すること 三枝 葉留佳
9 - ダメなほうのくるがやさん 来々谷 唯湖
10 - 宇宙バカ 西園 美魚
……っていうか一言言わせてください。
小毬ちゃん、つえええ、じゃなかった、萌えwwww。
っていうかなんて直球ストレートなツボな子なんだこの子は;;;状態。(苦笑)
「あああーっ、わ、私のカツあげるからけんかしないでーっ!!」
……なんてセリフをあんな声で言われた日にゃそりゃもーツボっていうかですね、ころげるしかないじゃないですかwwww。
# というかこの子、まるっきり CLANNAD の渚じゃないかと全力でツッコミたくなるワナ;。
# しかしあの子よりさらに薄幸そうに見えるのは気のせいだろうか……;;
ま、それはともかくこのゲーム、ミニゲームが本気で面白すぎるのですが。いや本気でビビったのは、小毬がランキング 7 位から一気に頂点に上り詰めたとき。そもそも初戦の唯湖に勝てないだろうと思いきや虫で圧勝、さらに鈴にも完勝して謙吾も撃破、最後にはランキング一位の自分を駆逐されてあっっっという間に頂点に;。ええっと、とりあえず一言。
小毬に負けるなら本望だ。(笑)
っていうかちょっとこの名前は気に入ってたり(笑)。> かわいさ満点
それにしてもこのゲームシステムはかなり奥深い。アイテム交換システムがあるおかげで弱体化アイテムを押し付けたり、攻撃アイテムの引き方次第であっさりとランキングが変わっていく。しかも 2 階級特進システムもあるのであっという間の下剋上も可能。やり込み次第でかなり順位がコントロールできそうな気配でめちゃめちゃ面白い。いやー、これはでじくま氏とかめちゃめちゃやり込みそうな感じなんですが。(笑)
……というわけでなんかミニゲームにハマってぜんぜん先に進まないワナ;。
とっとと先へ進めよう〜;。
What "Adolescence" do you have?
Do you remember "Childhood" ?
The irreplaceable one existed there.
というわけでリトバス、本日ようやくプレイ開始。いやはや結局購入してから 2 日間放置ですか、という感じ。
で、いきなりですが一言言わせてください。
ちょっ;;、いきなり神ゲー?!(笑)
っつーかめちゃめちゃ面白いんですけどこれ^^。いきなり時間を忘れてバッティングゲームをやりこむワナ。
# おかげでまだたったの 5 日しか進んでないんですけど(笑)。
や、実は今回は思いっきり楽しもうと思って、事前情報は片っ端からシャットダウン、ネタバレの恐れがあるサイトは巡回も止めていたりするのですが(といいながらこのサイトは思いっきりネタバレすると思いますが;)、いやちょっとこれはびっくりする出来としか言いようがないです。
一言でいえば、洗練度を 150% に高めたアリスゲーというか、そんな感じ(ぉ)。
なにがいいって、ちまちまと挟まれるミニゲームがなにげにめちゃめちゃハマる(笑)。
かといってシナリオの方もどうかといえば、ぎゅんぎゅん来まくり状態。いきなりナルコレプシーとか来たときにはいったいどうしよう状態だし、伏線張りまくりな展開には思いっきり期待せずにはいられず。そしてさらにすばらしいのが BGM。バトルの BGM が神すぎる。曲調といいアツさといい、Only You のバトルモードを連想させるような BGM。思わず BGM だけ流しっぱなしにして 30 分ぐらい放置してたのは秘密^^。(← 今もこの BGM 流しっぱなし;)
# がしかし、恭介つえええええ(笑)。
# 一気に駆け上がってきてますよ〜〜;。← プレイした人にしかわかんないですね;^^。
でもですね、このゲームの何が一番いいのかというと。
面白い。
いやもう、それ以上でもそれ以下でもない。ただただ純粋に面白いんですよ^^。シナリオにしてもキャラにしてもミニゲームにしても BGM にしても、あらゆるものがピッッッタリと噛み合っている。(← 上滑りしてないギャグというのもかなり驚きますが^^。見事。)
いやー、しばらくこのゲームに集中するために blog を一時停止しようかと本気で思ったぐらい。
ヤバいぐらいに面白い。っつーか未だ 5 日しか進んでいないというあたりから察してもらえると;;^^。
# もし blog が突然止まったらこのゲームのせいだと思ってもらえると;;。
# とりあえず今晩は ECO をしばらく止められるように知人に協力してもらってクエ品調達(笑)。
しかし現在のプレイ状況ではいったいどのルートに入るのか全く想像が付かず。とりあえずはほんわりきゅーとな少女の神北小毬かよくわからないノーコンの棗 鈴あたりを狙いたいところですが、まるで見当つかないですね〜;。どっちにしてもとりあえず 1st プレイは適当に思うがままにプレイしてみる予定。
# ……これから一か月はたぶん情緒不安定で仕事が手につかなくなるだろうなぁと予測。
# や、事前から想定はしていたものの、やっぱりテーマ的にグサリと突き刺さってきそうな気配。
# Key のゲームって本気で精神的に突き落される作品が多いので、本作も非常に危険なんですよね。
# そんなわけで仕事もちゃんとスケジュール調整してあるのは秘密;。
どっちにしてもこれはいきなりですがかなりお勧めできそうな気配。いや〜、さすがに 3 年ぶりの大作、麻枝氏の引退作だけのことはあるということですか。楽しませてもらいますよ〜^^。
ええっと、旬のうちに一度だけやってみようと思って(爆)。
というわけで Windows 版モンハン、Monster Hunter Frontier(MHF)。や、以前 PSP 版のモンハンの話を blog に書きましたが、ロード時間とかが長くてぶっちゃけぜんぜん進んでいないというのが実情で、PC 版だったらちょっとはプレイする気になるかなー、と思ってやってみたりしたわけですが、
も、萌えない;。
や、まーわかってはいたけどさ;;。orz
というのはさておき、実際のところどうよ? と言われると、思った以上に操作性が悪いというのが結構致命的に思えたり。なにしろいきなり思ったようにキャラクターを動かせないワナ。……と、ふと気づいたのですが。
あ゛〜、もしかして ECO やギャラクシーエンジェルが直観的に動かせることってそういうことなのか、と。
や、その昔の RO や UO (Ultima Online)、さらには FF7 とか Diablo の時代なんかは 3D 性能がシステムスペック的に足りなかったのでトップビュー(上から眺め降ろしてキャラを動かす)が当たり前だったのかもしれませんが、今のハード性能ならなにもトップビューである必要はない。だからこそ FF11 とかモンハンなんかは一人称視点のシステムで設計されているんでしょうけど、なぜ ECO とかシールオンラインとかは今の時代でもトップビューなのか。
……そりゃそーだよ、一人称視点じゃ自分のキャラ見えないじゃん。(爆)
バーチャルお人形遊びなゲームは三人称視点が当たり前だよなと今更ながら気づくワナ。(気づくの遅いよ;)
考えてみれば、Metal Gear Solid では当時なぜ一人称視点がないんだと激しくツッコミを入れてた記憶があります。あのゲームはまさにかくれんぼゲームだったわけで、一人称視点だからこそ面白いゲームなんですよね。がしかし、一方で一人称視点では視界が狭い上に操作系があまりよくなくなるのでストレスはたまる。この辺のトレードオフではあるのですが、モンハンはそれにも増してジョイスティックで遊ぶことを前提として設計されているような印象もあり、さすがにマウスでは 30 分と経たずに投げだすハメに;。
私の従兄は PSP 版のモンハンで廃人街道突っ走りらしいですが、なかなかその面白さを理解するに至らず現在に至っていたり。ECO もある臨界点を超えたあたりから一気に面白くなってきたのですが、この手の廃人系ゲームは最初の臨界点を超えるまでが意外に大変なのかもしれません。
# というわけでまたひとつアイマスをやらない理由(ry
いや〜、弾幕楽しいよ弾幕?(違)
というわけで ECO を一段落させつつ借金返済中(正確には SAGA 6 待ちとも言う;)。で、この東方もその中の1タイトルとして消化中なわけですが、ひとこと言わせてください。
難しすぎ;。
いやこれって前作よりもかなり難しいんじゃ??という気がするのですが;。
まあ久しく縦シューをやってないので腕がなまったというのもあると思うのですが、それにしても難しいと思うのは、未だ頭を使っても避けようがないように見える弾幕がかなり多い、という点。東方シリーズって、絶望的に見える弾幕であっても実はかなりよく設計されていて、クセをつかむとよけられるようになっているものが非常に多いんですよね。例えば上のキャプ画面の弾幕はどうするかというと、左右から出てくる「〜」の形の弾幕の極大点 or 極小点(=左右方向に水平になっているところ)の隙間に入って、上から降ってくる巨大な弾を左右に避ければよい。
……と、どちらかというと頭脳戦に近いのが東方シリーズの弾幕の特徴だったはずなのですが、
いやこれとかどうやっても気合避けしかないじゃん状態;。まあボムを使って力押しすればとりあえずクリアはいけるのですが、いやはやどうにも難しい;。
# しかしこのゲーム、実はスコアシステムが非常に凝っているらしく、高スコアを狙おうとすると
# Normal であってもとたんに難しくなるそうですが、私なんかだとそれどころじゃないワナ;。
結構長いことやりこんでるんですが、一向に向上する気配がないあたり、そろそろ実力的にもリミットなのかなぁという気がしなくもなかったり。ま、夏コミまではまだしばらくあるのでのんびりプレイしますよ〜。
ずっと、そうして彼らと生きていたら、僕はいつの間にか心の痛みも寂しさも忘れていた。
ただただ、楽しくて……
いつまでもこんな時間が続けばいい。
それだけを願うようになった。
というわけで今日はなにげにお仕事だったわけですが;、帰りがけに購入してきたこちらの話を一つ。
いよいよ発売まで一か月に迫った、Key の新作リトル・バスターズ!の OP 主題歌テーマソング CD。もともと Key と言えばいわずもがな、Kanon, AIR, CLANNAD の三大傑作を世に送り出して 我々に強烈なトラウマ体験を作って くれた素晴らしいメーカーなわけですが(ぉ)、この三作品は「家族」を共通のモチーフとして持った作品群。CLANNAD はいわばその集大成ともいえる作品で、私もとんでもない長文インプレを書いた(というか書かずにはいられなかった)作品なわけですが;、かつてインプレにも書いた通り、家族をモチーフとした作品はさすがにやり尽くした感が。3 作品を作り上げた鬼才・麻枝氏も、次の作品は家族をテーマとした作品にはしないと公言していて、3 年の歳月を経ていよいよリリースされようとしている作品がこの「リトル・バスターズ!」。
ここ最近 PC ギャルゲから離れていた私もさすがにこの作品は絶対に外せない、ということで久々に予約までかけてしまいましたが;、調べてみたら主題歌シングルはすでに発売されているという話でさくっと買ってきてみたり。で、聞いてみたわけですが、おおお、なにげに微妙にネタバレ?みたいな歌詞がちらほらと。
「これから始まる希望という名の未来を
その足は歩き出す やがて来る過酷も」
「ありがとうすべての終わりに」
って、ちょっwwww、また死にゲーですか??? と短絡的に読み取りたくなるわけですが;、さすがにそれはないだろう、と推測。や、確かにギャルゲーの場合には核破壊力的な魔力を持つ展開ではあるものの、Key の場合はさんざんそれでご都合主義とか安直とか叩かれまくったわけなので、もうさすがにメインストーリーをそこにはしないだろう、と推測。
今からあれこれ推測しても仕方ないのですが、作品タイトルにもあるように、この作品の肝は何と戦うのか。冒頭にピックアップしたのは本作のプロローグですが、おそらくは一人という名の孤独との戦いなのではないかと推測。それは死と同義の意味を持ちかねない究極の刃物なのですが、まあ仮にその推測が当たっているにしても外れているにしても、いったいどんなストーリー展開を見せてくるのかは非常に楽しみなところ。
っと、ふと気づけばリトバス発売日が 7/27 で、ECO SAGA 6 の実装が 7/20 という超ハードスケジュールのように見えなくもないのですが(ぉ)、とりあえず 7/27 は年休でも取っておくかと不良社会人が考えております。(ぉぃ
# や、だって 3 年越しの超大作ですからねぇ^^。
# 前作 CLANNAD は自分の人生観にすら影響を与えた強烈な一作だっただけに、期待せずにはいられないわけですよ;。
というわけで本日は予定通りこちらに参戦〜。
いわゆる東方例大祭。以前、都産貿に参戦したのが 2 年以上前だったような記憶があるのですが;、やや亜流に走り気味だった最近の東方シリーズがいよいよいつもの縦シューティングに戻ってくる! とあれば参戦せずにはいられません、というわけで行ってきました。
どういう展開になるのか読めなかったので朝 8 時ぐらいに行ったのですが、結局、上海アリス幻樂団さんだけ入場行列を分けた上で、1限をかけて販売、という仕組み。おかげで難なく入手することができましたが、実は 8 時入りどころか開場時間直前ぐらいに行っても問題なく購入できた様子。徹夜・早朝行列の意味が事実上なくなる頒布方法だったので非常に助かったり;。次回があったら今度はのんびり出かけよう....と思ったとかなんとか。
でもって、さっそくプレイしてみたわけですが。
ええっと、ナンデスカコノステキダンマクハ??;
っていうかあいかわらず難しすぎなんですけど状態(苦笑)。
# がしかし、これが不思議なことにプレイを重ねるごとにそれほど難しくなくなっていくんですよね;。
まだあまりやり込めてはいないのですが、ざっとプレイした印象を言うと、とにかくシステム的に非常に洗練されたカタチになったという印象がありますね。紅魔郷、妖々夢、永夜抄と複雑化してきたシステムが、いったん奇麗にリセットされて必要なものだけが抽出されて残った、という感じがあります。一言でいえば原点回帰とも言えるのでしょうが、単に戻ったのではなくてちゃんと進化しているあたりは見事なもの。
そして素晴らしいのが、作品全体のイメージがぐっと格調高くなったような印象があること。DirectX などによる高度な画面エフェクトも一因していると思うのですが、こういうスナップショットだけみるととてもシューティングゲームには見えないような色彩感覚というか映像、という感じがします。弾幕さえなければ(笑)。
ざっと一通りの機体で一通りプレイした感じでは、霊夢のワイドショットタイプのものと、魔理沙のオプション固定タイプのもの(どちらも Type C)が非常に強い、という印象。特に魔理沙のオプション固定タイプのものは攻撃力が異様に高くて、パターンを覚えられればかなり曲芸的なプレイが可能になるのではないかと推測。とりあえず私は霊夢 C を中心に Hard ランクメインで攻めていますが(← Normal をまともにクリアするために Hard で体を慣らす(笑))、あまりにも久しぶりなので反射神経がかなりにぶってますね。いやはや、なんとかリハビリしないと、ですよ〜。
というわけでしばらくは東方に埋没する予定;。体験版なのにこれだけ遊べるのはあいかわらず凄すぎ。
完成版に向けて引き続き頑張って欲しいところです。
マジっすか;;。
・劇場版 CLANNAD
http://www.clannad-movie.jp/
悪い冗談だと誰か言ってくれ……;; さすがに今回はスルーしたいっす……うぐぅ。
というわけで予定通り今日はお仕事だったわけですが、割と早めに片付いたので Ys ORIGIN も片付けてみたり。そんなわけでトール編もクリアしてフルコンプしたわけですが、まずは一言。
このゲーム、素晴らしすぎ。
いや正直ここまでよく出来てるとは想像もしてなかったです。参りました、としか言いようがなかったり。
……というか、Ys I, II をプレイした人は是が非でもプレイすべし!という一作です、これ。
さすがに最終ルートで一番おいしいルートなので、一応伏字で。
「―――もはや君が女神であろうと知ったことか。
俺は、君と共にある未来を選ぶ。」
このゲーム、2 ルート目があまりにも愚直なお子様ルートだったので最終ルートは果たしてどうなるかと心配してたのですが、これはとんでもなく見事なストーリーになってましたね。この作品の 3 キャラで 3 度問われるテーマ、それは心の強さの在り方。
ユニカはトバの家系にありながら魔法を使うことの出来ない自分に苦しみ、ユーゴは偉大なる兄に追いつけない自分に苦しむ。そしてトールは《魔の根源》を消滅させるために、自らのレアへの想いを封じる。彼らはそれぞれに守りたいものがあり、未熟で力を持たない弱い自分に苦しみ、そのために力を欲する。しかし力の強さは本当の強さではない。
「それは弱い自分を受け入れて、認めてあげることだと思う。
そうした上で前へ進むのが、私にとっての本当の強さ……
悲しみや迷いを断ち切るなんて、逃げているだけじゃない!」
改めて言葉でまとめてみれば、ものすごく単純で愚直なテーマ設定。にもかかわらずこんなにも心に響くのは、彼らが命をかけて自分たちの運命に立ち向かっているから、でしょう。
この作品で非常に興味を惹かれた点の一つに、この作品中における「死」の描かれ方がものすごくリアルだという点がありました。ユニカルートでのロイ、ユーゴルートでのエポナ、そしてユニカの父親サウル。「死地に赴く」という表現がピッタリの、女神捜索隊の地上への転送。演出で涙を誘うわけでもなく、ただ淡々とそこにある死。そうした状況の中で改めて問われる「生」の在り方。
「ああ……愚かだった。愚かで、不器用で……そして無様極まりなかった。
だからこそ、俺はここに来た。
どうせ恥を晒すのなら徹底的に開き直ってやるために。」
トールルートは Ys の 700 年の歴史を紡ぐ起点となる話としても見事でしたが、レアとトールの恋物語の見せ方が見事。サルモン神殿を空に逃がすためにレアたちに黙って地上に残り、そして《魔の根源》を消滅させてレアを生かすために自らを犠牲にする道を選ぶトール。そしてレアもまた、トールを生かすために自らが《魔の根源》を封印する道を選ぶ。そして、彼女は彼が魔道に堕ちてもなおトールを信じる。
「信じていますから……
あなたの決意、そして変わらぬ優しさを。」
最近の生ぬるいアニメとかだと、どこまでいっても「二人が揃ったハッピーエンド」を求めてしまう傾向がありますけど、もともと Ys シリーズってそういう恋物語は描いてこなかったし、この二人に限らず、ユニカとロイにしろ、ユーゴとエポナにしろ、穏やかでその先にある深い愛の形が描かれる。
「……さらばだ、女神たちよ。
いつの日かきっと……魔の根源を滅ぼして、君たちを運命から解放してみせる。
だから……また……その時にまた……このハーモニカを聞かせてくれ。」
そしてそれが 700 年後の Ys I のアドルの物語へと繋がっていくところが、ストーリーにより一層の深みを与えてくれる。地上に残ったユニカやユーゴのその後の物語が描かれるわけではないけれども、悠久の時を超えていく物語を感じさせてくれる。それって要するに、人々の『生きた』物語、なんですよね。
ユニカルートのインプレにも書きましたが、結局のところ、優れた RPG というのは、そこにある人の生き様と死に様に感動するものだと思うんですよね。その観点から言うと、このゲームはまさに名実ともに名作の名に恥じぬ一作、だと思います。
しかしそれにしても改めて驚くのは、Ys というものがここまでの物語に拡張できるほどのものになっていた、という点。もともと Ys I, II のタイトルは「Ancient Ys Vanished」(失われた古代王国 Ys)という名前で、古代王国にあった設定についてもある程度の基本設定が作られていたとは思うのですが、それをここまで綺麗な形で一つの作品に仕上げてきた手腕は見事としか言いようがなかったり。
しかも初回版には Official Visual Book がついてくるんですが、これがまた素晴らしい出来。エステリア王国やサルモン神殿などの詳細な設定がいろいろ書かれていて面白い。……しかし笑ってしまったのはノルティア氷壁とバーンドブレスの設定。もともとノルティア氷壁とバーンドブレスは 700 年前に女神と神官によって起こされた環境変化で、@ 神殿に襲い掛かってくる魔物たちの動きを鈍らせるためにノルティアの温度を下げて氷壁化。A 地下参道経由で登ってきた魔物を殲滅するためにこれを溶岩地帯化。B どちらでも防ぎきれなかったのでイースまるごと雲の上まで浮上。……うーん、かなり無理っぽくないですか、それ?(笑) まあダームの塔の中に溶岩地帯とか流砂地帯とかあるので何でもアリなんでしょうけど^^。
それにしても素晴らしい出来。もともと Ys シリーズって、私が中学だか高校だかの頃に PC-88 でプレイして大いにハマったゲームで、XANADU シリーズや Hydlide などと同様、忘れられない名作の一つですが、まさか今になってこんな名作をプレイできるとは正直思ってなかったです。いや〜、問答無用で★×5を進呈させていただきます。
# しかしこんなのプレイしちゃうと、再び Ys I, II をリメイクして欲しくなりますね。
# ……いやこんな凄い塔を再び最上階まで登るのはちょっとご勘弁、ではありますけど;。> Ys I
# でも Ys IV はリメイクの余地があるんですけどね。あれはいろいろいわくつきなので。
「無駄な時間って何よ!!
天才だかなんだか知らないけど、その力は一体何のためのものなの!!」
ユニカに続いて2キャラ目のユーゴルートをクリア。なるほどこちらはホントにベタな Ys っぽい冒険活劇ですね。
稀代の天才魔術師と称される、ファクト家の跡取りユーゴの物語。かなーりお子ちゃま系なストーリーラインに特に補足するようなところもないし予定調和的な展開なので取り立ててどうこういうところはないんですが、それでも一言だけ。
本命はそっちか;。
っつーかお前もアドルの遺伝子を受け継いでいるのかと小一時間。(← 世代が逆です;)
ストーリーラインはごくごく無難にまとまっている感がありますが、ゲーム自体は「?」な感じもありますね。オプションくっつけてレーザー出してビシバシと闘う、というのはシステムとしては仕方ないんだと思いますがイマイチ Ys っぽくはない。操作系として C ボタンでスキルを溜めつつ Z でショットをひたすら連打、というのもちょっとやりにくいですね。とはいえ、同じ塔を別キャラで切り拓いていくというのはなかなかに面白かったです。いよいよラストは3キャラ目のトール編。さてはてどんな展開になることやら^^。
……さて、豚の角煮でも作るか。(ぉぃ)
「手紙にはこう書いてあった。
人にはその人にしか果たせない役割がある―――とな。
これは力を持つ人間だろうと持たない人間だろうと関係ない。
どのような人間でも、その者にしか果たせない役を果たす時が必ずやって来る……
人の生とはその時が来るのを待ち、耐え忍ぶことだそうだ。
それは己や己自身の弱さと向き合う旅だとも書かれていた。」
というわけで Ys ORIGIN の1キャラ目、ユニカルートをクリア。まあアクションゲームで苦しむのは性に合わないので Easy モードにしてサクッとクリア……しようと思った割にはやたらと難しかった上に時間もかかった気がしますが;、とりあえずまずは一言言わせてください。
このゲーム、神ゲー。
っつーか1キャラ目クリアしただけですが、このルートだけで★×5を進呈しますよ、いやマジで;;。
このゲームの何がそんなにいいのか、となると、ナピシュテムやフェルガナをベースとして進化しているアクションゲームシステムの完成度、ハイセンスな映像効果、ド派手な演出、カッコいい BGM などなどはもちろんあるのですが、なにより良いのはストーリー。人を感動させる RPG というのはこういうものなんだよ、と思わせてくれる一作に仕上がってるんですね。
「一緒にしないで!
あなたのいう強さは、私にとっての強さなんかじゃない!」
主人公のユニカ=トバは、神官の孫娘かつ歴戦の魔法剣士の娘でありながら、魔法を全く使えない女の子。魔法も使えず騎士としても見習いの身。けれどもそんな女の子が、二人の女神を助け出したい一心で、何もかもを飲み込んで、道を切り開き、進んでいく。詳しくはネタバレになるので書きませんが、RPG のストーリーっていうのはこうあるべきなんだよ、と思わせてくれるものがそこにある。そしてそのバックストーリーとなる、Ys の 700 年に渡る歴史。悠久の時を超えていく大きなバックストーリーが、物語に深みを与えてくれる。
このゲームをやっていて久しぶりに感じたのですが、出来のいい RPG って、人の生き様と死に様に感動するんですよね。それは主人公やヒロインだけじゃなくて、敵キャラしかり、サブキャラしかり。心の強いキャラクターには、人の心を動かす力がある。
「望むところよ。
見せてあげる。私がたどり着いた、私自身の力を!」
なんというか、往年のイースファンには是が非でもプレイしてもらいたい一作、という印象。いやはや、なにげに思いっきりハマって一気に1キャラ目をクリアしてしまったんですが、まさかこんなに出来のいい ARPG になっているとは思いもしませんでしたよ、ホントに。もったいないので2キャラ目以降はもう少しじっくりプレイしてみよう^^。
そんなわけで今日はこちらのネタを一つ。
や、ホントは買うつもりなかったんですが(積みゲー多すぎるし;)、実はこれが特典として付いてくる!とかいうので思わず買ってしまったり;。
PC エンジン版の「風の伝説ザナドゥ」の Windows 移植版。このゲーム、かなり好きだったんですよねぇ……もうゲーム内容忘れちゃいましたけど;。ま、実は昔になんかの音楽 BOX の特典についてきたものがおまけでついてきた、というだけだったようですが、特典につられて買うというのはヲタの基本でありますw。
で、Ys ORIGIN の方は続編ってわけでもないし、ほっしーさんも積んでるようなので私も積もうかなーとか思ってたんですが(ぉぃ)、せっかくだしちょっとだけプレイしてみるかな〜、とか思ったのが運の尽き。っつーかこれ、めちゃめちゃ良くできてるじゃないですか;;。実はまだはじめたばっかりなんですが、しょっぱなから物語に引き込まれる引き込まれる^^。
「未熟な自分自身と……女神を守りたいという気持ち……
……迷っているのはお前が二つの自分から逃げていない証拠だ……
……ユニカよ……己の弱さと向き合ってみろ……」
このゲームは、魔物の侵攻から逃れるためにイース王国のサルモン神殿が空へと浮上したしばらく後の物語。魔物の巣窟となり、まさに闇に閉ざされた地となった地上の世界。魔物たちは塔(ダームの塔)を築き、まさにその魔の手がいよいよ空に浮かぶサルモン神殿に伸びようかとした頃、魔力の源である黒真珠を二人の女神が持ち去って姿を消してしまう。消えた女神を追って探すために、選りすぐりの精鋭を集めて地上に遣わす。生きて帰る保証もろくにない地獄の世界へと降りていく彼らの行く道は、まさに名実ともに地獄への片道切符。そして彼らは女神を探して塔を攻略していく、とそんな感じのゲームになっている。
まあダームの塔の中になぜか水没地帯があったり溶岩地帯があったりするのは魔法って凄いなぁ状態ですが(笑)、何が素晴らしいって、往年のイースファンにはたまらないダームの塔のトラップの数々。悪魔の回廊の体力吸われる音楽だとか、このボスとか、そりゃもうむちゃくちゃ泣けるとしか言いようがなかったり。しかもさらに、
今回の主人公は女の子だ(笑)。
……っつーかついにイースシリーズも時代の流れには逆らえなかったか状態ですが(違)、もうベタすぎるほどの成長物語になってて、それがなにげにめっちゃいい^^。こういう RPG のストーリーは単純だけど筋の良いものがいいのですが、まさにそういうオーソドックスな物語を持ちながらも今どきながらの充実したアクション RPG になっている、というのはものすごくバランスがいい。いやー、こんなによくできたゲームになっているとは想像もしてなかったです。
# ナピシュテムとかも悪くなかったのですが、これと比べてしまうと数段落ちる、という印象。
# まあこのゲームもラストまでプレイしたらどうなるか分かりませんが、ここまでのところでは比較にならないほどいいです。
今さらオリジン??、とナメてかかっていたのですが、正直なところ参りました、としか言いようのない素晴らしい出来。まだ 1 キャラ目(ユニカ=トバ)で 13F までしか攻略できてませんが(っていうかそもそもダームの塔って何階建てだったっけか状態(笑))、いやはや、ちょっとしばらくはこのゲームにトラップされそうな気配です。
しかし、このゲームもそうですが最近は当たりのタイトルがめちゃめちゃ多いですね。ここ最近はドラキュラにトラップされてたし、かと思えば戦国ランスも非常に評価が高いようだし、ブルードラゴンにも手を付けたいところ。……ってそんな暇もないのですが;。いや〜、嬉しいやら苦しいやら、という感じですよ^^。
や、先日の涼元氏のエントリに関連して Web ツッコミがあったので軽く。
> keyはバックにVAっていう巨大なのがくっ付いてるイメージだったんですが。
多分そういう形にはなってないんじゃないんじゃないかなー、と思って調べてみたらやっぱりこんな感じらしい。要するに、
・ Visual Arts はノベルゲーの実行エンジンと開発環境をライセンス提供し、販売などの周辺業務もサポート
・ クリエイターたちはイラストや音楽、シナリオといった『ゲームの中身部分』にだけ注力すればいい。
という形にして、(プログラマのいない)クリエイターたちの起業を支援していたのではないか、と。実際問題として、クリエイターが自分の才能を生かして起業するためにはそうした周辺業務が大問題になるわけで、そこをサポートするビジネスモデルでやってたのが VA なんじゃないかな、と推測。VA の直営ブランドの場合は社員は VA 所属という形になるようですが、おそらくそれでもブランドごとの独立採算制モデルは採ってるんじゃないかな、という気がするので、Key は Key の中だけである程度のお財布の管理はしてたんじゃないかと思ってたりします。
でもまぁ、実際のところはどうなんでしょうね? や、私には分かりませんが;。
や、夏のこたつ氏からは「とっととひぐらしやれ」と言われてますがなにげに浮気中。そんなわけで Kanon に突撃予定ですがその前にコミケの収穫物のこちらを片付けてみたり。
そんなに時間かからないだろうし CUFFS だし、と思って軽く手をつけてみたわけですが、フルコンプまで 5 時間ぐらい。たいしたボリュームでもないだろうし、ちょっとした「何か」を見せてくれれば十分と思ってざっくりプレイしてみたんですが、いやはや、なかなかいい出来ですねこれ。シナリオは水月のトノイケダイスケさんなんですが、や、この方、こういう話がやっぱり好きなんだなー、と。テーマというほど大げさなものじゃないけど、ひと言で言えば、見えるものとか見えないもの、あるいは分からないものについてのお話ですね。
ひとりで寂しく墓参りになんか来るくらいなら、どうして離婚なんかした?
どうして死んでしまう前に一度でも顧みようとしなかった?
死後も共に在り続けようとする意志を互いに持ち続けていながらどうして?―――僕にはわからない。
僕にだけ、わからない。
「僕が知っているのは、あの人がわんこたちのことばかり考えていて、
それで、だから離婚することになったっていうことだけだ。」
「うん。でも、誠一くん」
「わかってる。」
たぶんそれも違う。だって二人は今同じ場所に眠っている。それだけが確かなことで、だから全てだ。
この作品に出てくるワンコやリリーは、だだっ広い海や花火を見て極度に怯えてしまう。けれどもそれを少しずつ知って素敵なことに変えていく(認知していく)ことで幸せになっていく。けれどもその半面で、世の中にはどうやっても分からないこともある。誠一や透子は、ワンコやリリーの本当の心を知ることができないし、お互いの心だって分からない。なぜ誠一の父親が家族も省みずに仕事に没頭したり、あるいは母親と離婚したのかも、あれこれ推測できても本当のところでは分からない。
「もう、何が本当なんだか。」
「本当のことなんて、誰にもわからないのかもね。
でも、誠一くん。自分の本当だけは、自分で決めてしまうことができるのよ。」
「ごめんなさいね。でも、わからないの。それだけは、きちんと言ってくれないとわかれない。
だからずっとわからなくて、わかりたかったのよ。」
世の中にたくさんある、不確実なもの、分からないもの。そうしたものに白黒つけて許すとか許さないとかを決めるのではなくて、それらを不確実なまま、分からないままに受け止めたり受け入れられるようになること。けれどもそこで立ち止まることなく、それを受け入れた上で次の一歩を踏み出していくこと。そういうカタチの成長の姿を描いているのが、この作品の鍵なんじゃないかな、と思ったり。全く正解は明かされなかった水月なんかとは違って、この作品では後日談でなぜ父親が家庭を省みずに仕事に没頭するようになったのかが遺された日記から明かされましたが、それでもなぜ母親と離婚したのかは分からずじまい。けれども、最後に誠一はこう語る。
やっぱり、本当に肝心なことは言えなかった気がするけれど……
それは、またいつか、再会できた時に。
だからまだ、今は―――
「また、来るよ。」
―――今は、さようなら。
僕は、もうひと回りしてくるよ。
この気まぐれな、神様の庭を。
大好きな透子さんが、ワンコが、リリーがいる、この場所を、四人仲良く手を取り合って。
父親が仕事に没頭するようになった理由は明かされなくても良かったんじゃないかとも思いましたが(テーマ的なところを考えれば物語としては後日談の前に閉じている)、ちゃんと『分からないところ』を残したままそれを受け入れていく姿を描けているし、読後感もこの方がいいのは確か。普通に素性のいい成長ドラマになってますね。
# って、書きながら、これって水月となんにも変わってないじゃんと思ったり;;。
# ……ま、それでも素性がいいのでこういう物語はいくつあってもいいわけですがw。
それにしてもこのゲーム、なにげに OP テーマ "Especially for you" が神で、作品にぴったりの優しい曲。ものすごくオーソドックスな曲運びといえばそうなんですが、静かなメロディが流れるように少しずつ盛り上がっていき、そして最後に静かに終わっていくその曲運びが、聴いていてものすごく心地いい。ちなみにこちらのページからダウンロードも出来るのでちょろっと聞いてみてもいいんじゃないかなー、と。
しかしこの手のイベント限定発売のゲームって、プレイ時間は軽めだけど小粒にいい作品があったりするんですよねぇ。最近は長編ゲームになかなか手が出せない(時間がない;)だけに、こういう軽めだけどちょっとスパイスの効いたゲームはなかなかよいものです。CUFFS のトノイケさんなんかはやはり水月が強烈だっただけにこういうゲームはなかなか外せません。
# ……でも実はさくらむすびが未プレイなんですよねぇ;。
# 放置されて久しいけれども絶対に面白いはずだからとコミケではファンブックも買ってくる始末。
というわけで、次はいよいよ Kanon に突撃予定。こちらはちょっと長いので blog 更新キツくなりそうだなーと思いつつ、果たして 7 年前の感動再びとなるかどうか^^。ま、のんびりやりますですよ〜。
先日購入した携帯電話ですが、早速いきなりカスタマイズしまくり状態;。いやこれめっちゃ遊べるじゃないですかww。PC からデータ転送しまくるためにとりあえずパケホに変えてみて、着うたも自分で切り出して自作中。i アプリもいくつかダウンロードしてみたり、Edy もインストールしてみたりとあれこれトライ中。いやー、なんというか 5 年の月日の流れは伊達じゃない、と;。携帯本体だけで 30MB 近くもメモリ持ってるし(ちなみにメモリカードはでじくま氏から譲り受けた 2GB のカードを突っ込んでいるのですが;)、時代はホントに変わったなぁ、という印象。ここまで来たらモバイル Suica にもチャレンジしようかと考え中。まだまだいくよ〜?(違)
そんなわけで今日はこちらのお話。
Project YNP さんの新作ゲーム。このサークルさん、以前にサイバーフォーミュラのゲームなんかを出してるんですが、頻繁にβ版を出すので今回はちゃんと完成してから買ってみたり。果たしてどんなものかと思ったんですが、これがなかなかに面白い。
どんなゲームなのかはオフィシャルページのムービーなどを見ていただけると良いと思うのですが、ひと言で言えば高速 3D バトルアクションゲーム。派手なアクションがたったの 3 つのボタンでサクサクと決まっていくのですが、なにがいいって、
『ゲームシステムが単純なのによく出来てる。』
これに尽きます。東方シリーズや New スーパーマリオなんかがそうですが、ゲームシステムは極力シンプルな方がとっつきやすくていい。けれどもだからといってヌルいゲームであっては困る。このゲームの場合、利用できる武器同士に相性があり、接近戦の武器は大ダメージ、だけれどもバルカン打たれると近づけないというものすごく単純明瞭なゲーム。ところが自機の移動が高速なのでちょっとでも気を抜くとあっという間に撃沈される。ある意味、反射神経のガチバトルになるあたりがいかにも Project YNP らしい作りで非常に面白いんですよ。
アクションゲームの名作ってものすごく『単純明快』なところがあると思うんですが、そういう素性の良さを感じさせてくれるゲームでした。1280x720 出力モードが用意されているあたりも good。ボリュームには欠けるので同人らしいゲームといえばその通りですが、なかなか楽しかったです。
うなー。頭痛い;。や、D.C.II のおかげで 2 週間分ぐらいアニメとコミックスとゲームが溜まってしまっててぼちぼち消化していたわけですが、消化しきれん状態。っつーか普段ですらギリギリのスケジュールでこなしてるのに、数十時間とかごっそりと持っていかれるゲームをやるのはやっぱり無茶がありますねぇ。携帯ゲーム機だとなんだかんだでごまかしながら時間が捻出できたりするものですが。来期はアニメが減るのでラクになることを期待しよう;。
というわけで D.C.II インプレのオーラスは芳野さくらルート。や、前回のエントリで書いたとおり、このルートはまさに快作で、最後の完全ネタバレルートらしいなかなかの出来に仕上がってました。さすがにこのルートは設定が全部出ている超ネタバレルートなので、一応反転しておきます。Ctrl + A で適当に反転して読んでください。(総評は反転なしで最後に。)
まず最初にひと言。
またしてもおまえが黒幕なのかぁぁぁぁっっっ;;;。> さくら
っていうかさすがにツッコミを入れずにはいられなかったワナ;。
や、なーんか中盤あたりからきな臭い香りがぷんぷんしてて、「うーん?」とか思ってたんですが、まさかさすがにホントにそうだとは思わなかったり。簡単に要点をまとめれば、
・さくらは寂しさのあまり、クローン(おそらく純一のクローン?)を作り出してしまう。それが主人公の義之。
・義之を生かし続けるために使ったのが、まだ研究途中だったプロトタイプの『願いを叶える魔法の桜』。この桜の木の魔法によって、義之はかりそめの命を与えられることになる。
・ところがその魔法の桜がシステムの欠陥から暴走を始めてしまう。桜の木を枯らせば問題は収まるけれど、それをしてしまうと義之を失うことになる。
・桜の木を枯らさずに済ませるために、さくらは桜の木のシステムの欠陥を補おうとする。けれどもその綻びはどんどん大きくなって、さくらでは収集しきれなくなってしまう。
・事態を収拾するため、さくらは桜の木に同化してその暴走を制御しようとするけれど、失敗;。
・そしてついには音姫が幕引きをしなければならなくなってしまう……恋人になった弟くん(義之)に、自ら引導を渡さなければならなくなってしまうという苦しみまで背負わせて。
……って、どう考えてもあなた一人がすべての諸悪の根源なんですけどっ;;。> さくらさん
けれども、確かにどう考えてもさくらが悪いんだけれども、だからといってさくらを責められるのか。魔法の力ゆえに成長することもなく、前作から 50 年以上たった今でも当時の姿そのままであり続けるさくら。お兄ちゃんだった純一も、恋敵だった音夢も、そしてことりも美春も誰も彼もみんな大人になり、家族を作って幸せになっていく。そんな中、彼女は時の流れから一人取り残され続ける。
「……あのふたりも、パパとママになっちゃったんだ。
自分と好きな人との子供が生まれるのって、どんな感じなのかな。」
「……おかしいよね。
ふたりが結婚して、赤ちゃんが生まれて、パパとママになったのって……すごく嬉しいことなのに。
なんか、心から『おめでとう』って思ってないみたいだよ、ボク……」
「ダメだよ。ちゃんと、お祝いしてあげなきゃ。
ふたりがいくら幸せだからって、絶対、羨ましがったり、妬んだりしちゃダメだからね。」
そう自分に言い聞かせて、彼女は精一杯の笑顔を浮かべる。
さくらを苛む寂しさ、そして孤独感。彼女は悪魔に魂を売って、不完全な魔法の桜の木のプロトタイプを持ち帰り、義之くんを作り出す。義之くんは、さくらが産み出した唯一の家族であり、つかの間の幸せ。その幸せを手放せないが故に、さくらは事態をどんどん悪化させてしまう。
義之くんのためだけを思うのなら――、
実は、もう一つだけ手段が残ってる。
桜の暴走を止める方法。ボクが、完全に枯れない桜をコントロールする。
今までは桜の回路と同調し、システムの穴を埋めてきただけ。
だから完全に制御すればいい。ボク自身がそのシステム自体となれば不具合は起きない。根本的な解決方法。
ボクなら……それができるはずだ。
ただ、これまでと決定的に違うのは……桜の制御をし続けなくてはいけないということは……
それは、命を落とすのと同じこと。ボクはもう二度と、戻って来れなくなる。
ここまで差し迫っても、ボクはまだ決心することができなかった。
さくらはここまで事態が差し迫っても、なかなか自分を捨てる決心ができない。けれどもこのルートで本当に素晴らしかったところは、この後の、さくらが覚悟を決めるシーン。
姉弟みたいに育ったふたりだから。本当に……家族みたいなものだから。
ううん、もっと違う意味で好きなのかもしれない。
……義之くんは、こんなにも想われてるんだ。
音姫ちゃんだけじゃない、由夢ちゃんだっている。友達だってたくさん……。
「……ボクが何とかするから。大丈夫だよ。義之くんはいなくならないよ。
もう一つだけ……とっておきの方法があるんだ。だから大丈夫だよ。」
こんなに想っていてくれたんだ……ボクはお礼を言わないといけないね。
……ありがとう。
「約束するよ。大丈夫だから……信じていて。」
音姫ちゃんを何度もそう言い聞かせながら、―――ボクは決心を固めた。
このシーンって、さくらが本当の意味で義之の母親になっていくシーンだと思うんですよね。義之は、さくらが自らの寂しさを埋めるために、自らの手で創り出したものだった。けれども、義之がみんなから想われていることを知って、さくらは初めて気付くんですよね。義之は自分のものじゃなくて、一人の人間である、という当たり前のことに。だから、さくらは義之の母親として、自分を捨てる覚悟を決める。それは、母としての息子に対する愛情そのもの。このシーンは、母親になれなかったさくらが、本当の意味で義之の母親になっていくシーンだと思うんですよ。
「……だから、守ってあげなきゃいけないんだよね。
可愛い子供たちに、傷を負わせたりしちゃいけないんだ。」
けれどもさくらは、魔法の桜の木のシステム(夢を見せ続けてくれるシステムの誘惑)に負けて、桜の木に取り込まれてしまう。そこでさくらが見続けるのは、自ら産み出した、自らが願う幸せな夢の世界。
(……これもみんな夢……だけどね)
(……なんだか疲れてしまった)
こんな幸せそうな自分を見ているのがつらくなったのかもしれない。
今、この事態を終わりにすることができるのは、音姫ちゃんだけだっていうことも……。
結局、音姫ちゃんには……こんなひどい選択をさせることになってしまった。
結局、さくらはどこまでも弱かった。孤独に負けて義之を作り出し、そして義之と共に歩めなくなることを恐れて事態を悪化させ、最後もまた自らの夢という誘惑に負けてしまう。自分を捨てて義之を守ろうとしたはずが、やっぱり自分に負けてしまうんですよ。
けれども、音姫が桜の木を枯らし、春の季節が巡って再び桜の木が満開になり、さくらの意識が再び戻ったとき、彼女は初めて本心から願うんですよね。自分の幸せではなく、他人の幸せを。
確かに――この世界は優しくはない。
夢見ることが、恥ずべきことのように扱われて、嘲笑われる。
叶えようとした努力の末に、現実を思い知らされる。
そんなことが少なくない。
『人が人を大切に想うことが力になる』。
『願えば叶う。祈れば通じる』。
そんなのはボクが見た夢でしかない―――けれど、
ボクもまた祈った。
夢は、願いは――強く想えば、必ず叶う。
「どうか。どうか……お願いです。あの子たちの想いが……
こんなにも人を大切に想う純粋な想いが……悲しむことしかできないなんて……!
そんなことがあるなんておかしい……!
幸せになれないなんて、絶対におかしいよ!
魔法が想いの力なら――この想いの奇跡を見せてください!」
このシリーズ作品における『正しい魔法の力の在り方』って、人が人を大切に想うことが力になる、つまり他者を大切に想う願いこそが魔法を生み出す、というものだと思うんですよね。だから、さくらとみんなの義之への願いゆえに、義之は人間として新たな生を受け、再び音姫たちの元に戻っていく。そんな綺麗な幕引きになっているんじゃないかと思うんですよね。
でも、そんなさくらの幸せはどこにあったのか。
……もしかしたら、さくらが作品のエピローグで過去に飛ばされたのは、さくらの悲しみを知る、純一の最後の願いによるものだったんじゃないか、と思うんですよね。
作中でははっきりと語られていませんが、義之を生かし続けるためには桜の木を存続させることが必須条件。そのためにさくらは同化による桜の木の制御を試みたわけですが、これに失敗してしまう。残された純一は、音姫に辛い選択をさせる前に、少しでも可能性があるならと、さくらと同じことを試みてるんですよね。
「これはひどい孫娘がおったもんだな。まだ失敗すると決まったわけじゃないだろうに。
信じなさい。お前のおじいちゃんは、そこまで弱くもオッチョコチョイでもないよ。
それにね……親ってのは、子供より先に死ぬもんだよ。ましてや孫だ。
おじいちゃんはもう、十分に生きたさ。例え失敗したところでなにも後悔はない。
それに、かわいい孫娘の頼みだしね。喜んで引き受けるよ。
だけど、もしおじいちゃんが失敗した時は……わかるね?」
「……はい。」
「……さてと。それじゃ、幼なじみの尻拭いに出かけるとしますかね。
今度の仕事はずいぶん、かったるい仕事となりそうだけど。」
けれども純一も、桜の木を制御できずに失敗してしまう(そもそも純一は魔法使いの血統ではないので、そんなに簡単に成功するはずもないのですが;)。そのために万策尽きて音姫が桜の木を枯らす以外に方法がなくなる……というのが筋書き。となると、純一は桜の木に取り込まれているはずで、桜の木が再び満開になったときに、意識を取り戻しているはず。
純一はさくらの想いを知りながらも、音夢を選び、そして純一と音夢は息子や孫にも恵まれた。でも、それをすぐそばで見守っていたさくらの苦しみや悲しみを、純一は誰より深く知っていたはず。
「さくら……もう……謝らなくていい。
独りで寂しいとか、だから何かに頼りたいなんて思うのは当たり前のことだろう。
それをわがままをしたみたいに言うんじゃない。それは人並みの幸せだろう?」
以上を踏まえて考えると、おそらくさくらは純一の願いによって、もう一度「やり直し」できるようにしてもらったのでしょう。つまり、記憶を消された上で、過去のイギリス(=彼女の魔法使いとしての始まりの場所)に飛ばされた(=リセットされた)。もしかしたら、さくらが幸せになれたかもしれない未来に辿り着けるように。それはダ・カーポ、繰り返される物語……。
いかんせん情報が少ないので断言するだけの材料はありませんが、細かいところはともかく概要としてはこんなストーリーラインだったんじゃないかな、という気がします。
さて、そんなわけで総評。
いやはや、ひと言で言えば予想外の拾い物(ぉ)。や、実際のところ作品の中身には全然期待してなくて、単にいずれアニメ化もされるだろうし、まあ必修科目なんだろうなぁぐらいのつもりで買ったんですが、プレイしてみるとなかなかに筋が良かった、という印象。ぶっちゃけトークですが、この手のゲームで作画がイマイチというのは致命的だろう(というか前作の七尾奈留さんのイラストとどうしても比較されちゃうし;)と思ったものの、プレイしてみるとあまり気にならない。それはちゃんとキャラの魅力を描けているということ、つまり作品全体の総合力の為せる技でしょう。攻略キャラは 6 キャラと少ないものの、OP/ED 含めて 8 曲もある豪華な挿入歌。や、お金があるっていいよねという感じ;。
ただ、うーん、万人に勧められるゲームじゃないのは確かですね。由夢のインプレのところで少女趣味なストーリーと書きましたが、全体的に(特に由夢や音姫ルートは)共感することによって感動するタイプのゲームなので、理詰めでカタルシスを味わうタイプのゲームが好きな人には全くお薦めできない、という印象。加えてどう見ても攻略対象なのに攻略できないキャラもいるわけで(茜とかいいんちょとか)、おそらく PS2 版になったときにキャラ追加……だとすると、今、無理に手を出さなくても;。
とはいえ、前半戦はともかく後半戦の由夢+音姫+さくらの 3 ルートが素晴らしくいい出来だったので、個人的には十分に元が取れたかなという印象。や、なんかだらだらとインプレ書いちゃったなぁという感じですが、これぐらいのインプレを書かせる程度には十分面白かった、んじゃないかと思います。
というわけで引き続いては音姉(おとねえ)こと朝倉 音姫(おとめ)ルート。や、どっちかとゆーと腹黒な妹キャラの方が好みなのでこっちはまああんまり期待してなかったわけですが……
や、やられた……;
くっ、音姉かわいいじゃん;。おかしい、お姉ちゃん属性はないはずなのに;;。
このキャラ、生徒会長・才色兼備・超過保護なおねーちゃん。甘えさせてくれるキャラでありながら、べたべたと甘えてくる、いわゆるだだ甘キャラ。完全無欠なお姉ちゃん然とした強さを持ちながらも、少女としての弱さも見せる、その二面性が魅力的なキャラですね。や、お姉ちゃんというと TH2 のタマ姉のように「いつまでたってもお姉ちゃん」というタイプのキャラ造詣も多くて、その場合は主人公との関係性が常に「年上・年下」の構図なんですが、音姫の場合にはこの関係がふとしたタイミングでころっと逆転するんですよね。いわゆる「可愛げのあるお姉ちゃん」。割とベタなキャラ造詣なはずなのに、妙な新鮮味があるのがなかなか good ですね。
以下、ネタバレありでざっくりと書いてみたり。
このルートのキーポイントになってるのは、やっぱり二人の関係性。上に書いたように、「お姉ちゃん然としていながらも実は弱さを持つ」ところがキャラとしての魅力なわけですが、「いつまでたっても年上のお姉ちゃん」から「肩を隣り合わせて歩いていく恋人」にどう変わっていくのか。ざっとシナリオをまとめてみると、こんな感じ。
「……大丈夫。なにも問題はないよ。」
やっぱり、今度も音姉はそう答えた。
さすがに、今度はちょっと堪えた。
俺は音姉の力になってあげたいのに。
音姉にそう言われてしまったらなにもできなくなるわけで―――、自分の無力さがいやになる。
「……けど、お願い事があるかな。」
「好きです。弟としてじゃなく、ひとりの男の子としてあなたが好きです。私と付き合ってください。」
普段の無理がたたって倒れてしまった音姉を看病していた最中、義之は彼女から告白される。ところが一週間と経たないある日を境に、音姉が態度を翻して弟くんに冷たく接するように。どう傍から見ても、音姉は何かを抱え込んで独りで苦しんでいるのに、自分を頼るどころか突き放してくる。ようやく同じ目線で支えてあげられると思った矢先の出来事に、再び義之は無力感を味わうことになる。並びたいのに並ばせてもらえない、助けたいのに助けさせてくれないじれったさ、そして無力感。
イライラが胸に募る。
音姉の態度にもそうだけど、でも、一番頭にくるのは、
あんなにフラフラになっている音姉に何もしてあげられない自分の不甲斐なさだった。
けれども、音姉が義之を避けるのも無理はない。その真因は、彼女が魔法使いとしての使命(= 島のみんなの命を救うために桜の木を枯らすこと)を全うすれば、桜の木の魔法が失われて弟くんが失われてしまうという、究極の選択を迫られていたため。音姫が、そんな選択肢を選べるはずもない。彼女は義之を失うことを恐れて桜の木を枯らすことをためらい、事態をさらに悪化させてしまう。
「選べないよ、私、選べない。だって……生まれて初めて好きになった人なんだよ?
これから一緒にお勉強したり、手をつないだり、色んなところにデートに行ったり……
したいこと、いっぱいあったのに。
どうして、何もしないままさよならなの?
私、さよならするために、弟くんのこと好きになったんじゃないよ……?」
でもそこには選択肢などない。放置すれば、さらに事態が悪化していき、最後には崩壊してしまう。
だから義之に出来ることはたった一つ。自分を捨てて、音姉の背中を押すことだけ。
「音姉……俺、音姉のこと、好きだ。
だけど、それと同じくらいこの島が……この島の人たちが大好きなんだ。
その人たちを救ってやれるのは、音姉しかいない。……わかるだろ?
自分の役割に負けるな。まっすぐに前を見て、しっかりと顎を引いて、自分の役割を全うしなさい。」
残酷な願いだというのは、わかってた。
だけど俺たちには最初から、これ以外の選択肢は用意されていない。
あとはただ、音姉が決心してくれるだけ。
結局、音姉は弟くんの願いを聞き入れて桜の木を枯らすことになる。そしてその日からゆっくりと、けれども確実に義之は人々の記憶と認識から消え去っていくことになる。
……これが『忘れられる』ってことなんだ。
いや、やめよう。覚悟してたことじゃないか。
そう、俺は全部わかってた。わかった上で、音姉に頼んだんだ。後悔なんてない。
これが基本的なストーリー展開。そしてこの後、友人、そしてさらには最愛の人にすら忘れ去られていく『恐怖感』が、えぐるように描かれていく。
けれどもこのシナリオで本当に描きたかったのは、『忘れ去られていく恐怖感』じゃない、と私は思うんですよね。
じゃあこのシナリオの一番のポイントは何か。私はこの音姉ルートって、本質的には由夢ルートと全く同じエッセンスを持ってると思うんですよ。それは何かというと、「どうにもならない後悔」。つまり、ある確信を持って自ら決断したことが、後から心に重くのしかかってくる、というシチュエーションを描いていると思うんですよ。
まず由夢ルートの場合。由夢は先行きに待ち構えている『別れ』と『不幸』を知りながらも、覚悟を決めて義之と恋人となった。けれども、いざ義之が消えてしまった後に由夢に残されたのは、途方もない後悔の念ばかり。
兄さんと手を繋いで歩くなんて、そんなこと、もう二度とないのに。できないのに……。
兄さんのいない世界。そんな世界を二ヶ月も過ごしてきた。
永遠のように長く感じる時間。こんな時間がこれからもずっと続くのかと思うと、わたしは挫けそうになる。
どうして諦めたりなんかしたんだろう。
どうして、あんな簡単に兄さんが消える未来を受け入れたりなんかしたんだろう。
もっと努力をすれば良かった。
可能性があったかもしれないのに。
兄さんと一緒に過ごせる未来があったかもしれないのに。
そして音姫ルートの場合。音姫が桜の木を枯らさなければ、いずれ島の人たちに命の危険が訪れる。二人にとっては、義之が音姫の背中を押すという以外の選択肢はあり得ない。だからそれを選んだ。けれども、いざ自分の存在が失われていく状況になったら、冷静でいられるはずがない。
そう、音姉にはきっと見えていたんだ。今俺を取り巻いてるリアルな世界が。
……音姉の背を押したのは、俺だ。
他の何者とも比べられないほど重い決断をさせてしまったのは、この俺だったんだ。
今になって、ようやく理解できた。
あの時の音姉の、心臓を串刺しにされるような胸の痛みが。
もう後戻りはできない。
何が起ころうとも、時間の矢印を逆に戻すことはできない。
「……正義の味方って、けっこうキツいものだったんだな。」
俺の言葉は、冷え切った壁に吸い込まれ……やがて消え失せた。
どちらも、ある瞬間には「絶対にこうするしか他にない、他に道はない」という確信を持って、その選択肢を選んでいる。けれども後になって、自分が選択したという『事実』が、後悔として延々と重くのしかかり、心が潰されていくんですよ。由夢シナリオでは由夢が、そして音姫シナリオでは主人公と音姫がその苦しみを味わうことになる。おそらくこれが、由夢ルートと音姫ルートの一番の肝であり、二つのシナリオで描かれている『痛み』の本質だと思うんですよね。
音姫ルートって、確かに見かけ上は鬱展開なんですが、いわゆる一般的な鬱展開とはかなり違う。というのも、普通、鬱展開って自分が何かを『選べない』ことによって発生していることが多い(例えば「二人のどちらも傷つけたくない」とか「二人のどちらも大切だ」とか)。けれども音姫ルートと由夢ルートの鬱展開はそうではなくて、自分が何かを『選んだ』ことによって発生しているものなんですよ。しかもそれ以外の選択肢がなかったからこそ、悔やむに悔やみきれない。
考えてみると、この描き方って、智代アフターなんかとはめちゃめちゃ対照的なんですよね。智代アフターは、「苦しみながらもその選択を取ったことに誇りを持って生きていけ」と言うのに対して、D.C.II は「それでもやっぱり後悔するし、やっぱり心は苦しいよね」と言うんですよ。前者はものすごく理性的で、後者はものすごく情緒的。や、それはどっちがいいとかいうものではなくて、物事の見方の両側面なんですが、D.C.II は智代アフターのようなある種の『キレイゴト』を一切抜きにしている分、共感してしまうとその『痛み』、つまり「どうにもならない後悔の念」がダイレクトに伝わってくる物語になっている、と思うんですよね。それだけに痛いし、痛すぎる。
ただ……この辺は人によって好みがめちゃめちゃ分かれるとこかもしれませんね。人によっては、「この女々しい鬱展開をなんとかしろ」と言うかもしれないんですが、でもこの物語は、徹底してその痛みを描くところにフォーカスしているからこそ成立している。実際シナリオを振り返ってみても、由夢シナリオにしても音姫シナリオにしても、この痛みは自助努力によって解消されるわけではない。(=義之が天から零れ落ちた奇跡によって復活することによって、タナボタ的に痛みが解消されている。) それはなぜかというと、「どうにもならない後悔」であるためには、ストーリーライン上、自助努力で解消されるような苦しみであっては『いけない』から。それ故にこの作品は、「どうにもならない後悔」から来る痛みを描いてはいるけれども、その挫折は乗り越えられるものではないんですよね。だから、「この女々しい鬱展開をなんとかしろ」というのはちょっと的外れな指摘でもあるし、受け入れられない人には受け入れられない物語なんじゃないかな、という気がするんですよねぇ。
や、私は智代アフターのような強さも D.C.II のような弱さもどちらも受け入れられる人(どちらの心情も分かるので)ですが、無意識のうちに物語に何かしらのカタルシス(=問題の解決や、挫折からの脱却)を求めてしまうタイプの人にはちょっと受け入れられない作品かもしれません。(まあ、見かけハッピーエンドなので、そこで納得しちゃう人も多いとは思いますが。)
ただ、全体を通してまとめてみれば、やっぱりよく出来ているんですよねぇ。由夢ルートと突き合せて考えてみれば、何を描きたかったのかは明らかだし、えぐるような痛みをきちんと描いてくれた点は評価されてしかるべき。加えて、いわゆる鬱展開といってもよくある『気持ち悪い』タイプの鬱展開とは全く違う点は、十分に評価に値すると思うんですよね。……というか、かなり油断していたゲームなだけに作りの上手さにびっくりしました。なんというか、カタルシスを味わうタイプのゲームではないけれど、曲芸団ってこんなにしっかりした物語も描けるのか、と。いや素直に感心しました。
……なんですが、この後に連荘で D.C. ルート(芳野さくらルート)をやったら、なにもかもぶっ飛んでしまうワナ;。っていうかなんですかこの快作ルートはっ;;。や、これはなんつーか凄い出来かも。
というわけで、さくらルートのインプレはまた後日に;。さすがに疲れた....
そんなわけでいよいよ大詰めの姉妹攻略。や、ホントはショートケーキのイチゴは後に残しておきたい人なんですが、おそらく設定関連は音姉の方にまとまってる雰囲気なので由夢の方から攻略。で、プレイしてみたわけですが……
や、やられた……;
くっ、こんなミエミエのシナリオなのに撃沈させられてしまうとは;;。> エピローグ
というかですね、もう今までに何百回この手のシナリオをプレイしたか分からないのに、結局いっつもこの手のシナリオに毎回毎回やられてるような気がするワナ;。……まあもういいんですけどね、どーせ私はこういう少女趣味丸出しなシナリオ大好きですから;。(← 開き直り)
や、以前のエントリにも書きましたが、由夢って音夢の後継キャラで、要するに「意地っ張りで素直になれない」タイプのベタな妹キャラ。外では清楚な女の子、けれども自宅というナワバリに帰ってきたとたんに黒ぶちメガネにジャージというヲタ少女ルックスに大変身;という、まあよくあるタイプのキャラ造詣。
# もっとも元々の作りがかわいいのでジャージ姿すらもかわいく見えるのはご愛嬌;。
# や、かわいい子は何着せてもかわいいのですよ;;。(← 暴言)
けれどもこのシナリオの一番の魅力は、頭(理性)で理解していても、感情がついていかない由夢の様子がこれでもかというぐらい描き込まれているところ、でしょうね。や、他のシナリオでもななかや小恋など断片的にはそういう姿が描かれていたのですが、このシナリオはその部分にきっちりと焦点を当てて描き込んでいるので、由夢の感情や心の動きがものすごく細やかに伝わってくるんですよ。
以下、思いっきりネタバレなので、プレイする気がある人は読まない方がいいです。
というかこのシナリオ、ネタが分かってしまうと魅力が半減するし、一番おいしいルートなわけですし;。
このシナリオの上手かったところは、由夢の魔法使いとしての能力(予知夢)の使い方。普通、予知夢というのは見えない未来に対する漠然とした不安感を描写するのに使われるものですが、この作品の場合には、見えてしまっている未来に対する絶望として描かれている。それだけに痛さが倍増して伝わってくるんですよ。
いずれ義之が(桜の魔法の消滅によって)消え去ってしまう未来を夢として見てしまったが故に、義之と恋人になることを避けようとする由夢。不幸な未来、それは彼女にとって予感ではなく確信。けれども、頭でわかっていても、心と気持ちはそう動いてくれない。由夢は、音姉やクラスメイトの少女たちに対して強烈なコンプレックスや嫉妬を抱いてしまう。
「……また、お姉ちゃん、か。いつも、そうやってお姉ちゃんばっかり……」
「もういいよ。結局兄さんはわたしよりもお姉ちゃんが大切だってことじゃない。」
「わかってるよ。そんなの、わたしだってわかってる。
兄さんが間違ってないって、そんなのわかるもん!」
普通、こういう意地っ張りな嫉妬系の妹キャラって、天邪鬼な様子が萌え要素(かわいらしさ)として描かれるものですが、このシナリオの場合は違う。むしろ由夢の場合には、その天邪鬼な様子やちょっとしたセリフの節々から、彼女の想いの深さゆえの苦しみや辛さが伝わってきてしまうんですよね。
「兄さんには、頼りたくないんです。だから、兄さんはだめ。」
「喧嘩……はしてないですよ。
ただ、そろそろわたしも兄離れをしないとって、ちょっとそう思って。
いつまでも兄さんと一緒に居れるわけじゃないので。
兄さんに頼るのはもうやめよう。そう決めたんです。」
天邪鬼な言葉を言ってみたり、あるいは自分の心に反する言葉を敢えて口にしてみたり、由夢はあの手この手で自分を誤魔化して、義之への思いを断ち切ろうとする。けれども、義之の方が由夢に歩み寄ってしまうことで、二人は後戻りできなくなってしまう。
「でも、一箇所だけ訂正したいところがあるんだよな。」
言葉を発する。今までの関係と決別するための言葉を。
「先に起こることなんてわからないし、今から心配しててもしょうがないから。
俺にできることは、そんな状況になった場合、負けないように頑張ることだけだよ。」
後戻りできなくなった以上、この二人に出来ることはただ一つ、覚悟を決めて幸せになるように頑張ることだけ。けれども、桜の木の魔法が失われていくにつれ、義之は人々の記憶と認識から消滅していくことになる。残された時間はせいぜい数日。覚悟の度合いという意味で言えば、義之に比べて圧倒的に由夢の方が覚悟を決めていて、義之の前では絶対に泣かない覚悟を決めている。
俺の表情からなにか感じ取るものがあったのか、由夢が寂しそうな笑みを浮かべた。
「兄さん、笑顔だよ。」
「え?」
「恋人同士でいるときは笑顔じゃなきゃ。幸せなんだから。楽しい日常なんだから。
だから、笑顔でいないとダメだよ。」
にへりと笑顔をつくる由夢。
「幸せな時間を過ごす為に、わたしは兄さんと付き合うことにしたんだから。
後悔しない時間を過ごす為に、わたしは兄さんのそばにいることにしたんだから。
だから、笑顔でいてよ。今までどおり、普通でいてよ。兄さんが消えてしまう、そのときまで……
わたしはそれだけで十分に幸せだから。」
このシナリオでノックアウトされてしまったのは、この辺のシーンなんですよね。本人が消え去ってしまうという設定は、古くは ONE の時代からいくらでもある。けれどもこの由夢シナリオで抜群に上手かったのは、予知夢の使い方なんですよ。当然、このシナリオは主人公である義之が消滅するところでエンディングとなる。けれども、その後に延々と由夢が苦しむ姿を描くのはあまりに上手くない。そこで予知夢という形で、義之が消えてしまった後の由夢の苦しみの時間を先取りして描くことによって、エンディング後に彼女が味わうことになる由夢の辛さと、今現在彼女が味わっている未来への絶望感の両方を、見事に描いてるんですよ。
「なにしてるんだろ、わたし」
今にも泣き出しそうな声。
「こんなところで待ってたってしょうがないのに」
後者の方を見る目には涙が溜まっていく。
「もう、ここで待ってても会えるはずなんてないのに。もう、兄さんはいないのに。わかってたことなのに。
こうなること。必ず別れが来るってこと。ひとりぼっちになるってわかってた。なのに……」
嗚咽が零れそうになって、ぎゅっと唇をかみ締める。
喉を絞めるようにして、でも、鼻につんと痛みが走る。
涙を堪えることなんてできなかった。
他人の足音に期待してしまう。そこに兄さんの笑顔があることを期待してしまう。
お待たせって笑顔で駆けて来る。
わたしは遅いって文句を言って、
兄さんは困ったような、嬉しそうな微妙な表情でわたしに謝るのだ。
そんな光景を期待して、
裏切られて。
ひとりで。
それでも、なにかにすがりつきたくて、
こうやって待ち続けてしまう。
「……寂しいよ、兄さん……ひとりは嫌だよ……」
でも、こうしたシーンを単に積み重ねるだけでは由夢の辛さはまだ断片的にしか伝わってこない。実は私が完全にノックアウトされたのは、上のセリフじゃなくて、
「兄さんが食べてるペパーミントのやつも食べてみたい。」
というセリフだったんですよね。このシーンって、最初に見たときにはホントになんということのない、ベタないちゃつき予知夢のようにしか見えなかった。けれども、このシーンは義之が消えていく最後の一日デートのものなんですよ。この言葉をいったい由夢がどんな気持ちで語っていたのか。そのことに気付いた瞬間に、自分の考えの浅はかさを思い知らされることになるんですよ。どうしてあのとき、このシーンをただ二人がベタベタといちゃついている幸せ一色の未来だと思ったんだろうか、と。そしてなんでそんな単純なことに気付かなかったんだろうか、と……激しく後悔させられるんですよね;。(← これでノックアウトされた;)
義之が消えていく前に見せた、強烈なまでの由夢の強さ。そして、義之が消えていってしまった後に見せた、猛烈なまでの由夢の弱さ。それは由夢の二つの顔。恋する少女としての強さと、恋する少女としての弱さ。その両面をものすごくうまく描いているのが、このシナリオの最大の魅力だと思うんですよ。
「わたしはね、ずっと諦めてたの。
だって、わたしの望みは叶わないんだもん。
それがわかってたから、わたしは諦めるしかなかったの。
……兄さんのせいだよ?
せっかく我慢していたのに……ずっとウソついてきたのに……
幸せになったら後悔するってわかってたから。
そんなの……痛いから。」
だから……さよならだね、兄さん。」
最大のネタバレを避けるために敢えて書きませんが(といってもちょっと考えれば想像ついてしまいますが;)、エピローグも上手いとしか言いようがなくて、やってくれるじゃん曲芸団 としか言いようがなかったり。や、前作 D.C. では音夢の方が消えていったわけですが、今回は主人公の側が消え去っていく、その設定を見事に使った恋愛ドラマに仕上げてくれたなぁと思います。というか、素直に参りました;。決してシナリオ自体に目新しさがあるわけではないのに、ここまで見事に『魅せて』くれたことにはホントに驚きました。いやはや、凄いです。
まーそれにしてもなんというか、ベタベタな少女趣味の恋愛モノなシナリオというか;。や、由夢のキャラ造詣って典型的な妹キャラではありますが、ちょっと古いタイプ。自分はこの手の話はかなり好きですが、おそらく受け付けない人にはからっきし NG かもしれないんじゃないかと思います。前作以上に万人にはお薦めしにくい作品のような気もします。
ところで関係ないですが、前作から 53 年も経ってるのに全く変わっていないリビング & キッチンの朝倉家に笑いそうになったのは私だけですか^^。ここだけまるで昔と変わってないよ、みたいな^^。
というわけで今日のお題は美夏ルートのインプレをざっくりと。いやなんつーか、しょっぱなから爆笑^^。
「ちぃ! こんなところでバナナミン切れか……」
なんですかそのカラータイマーの点滅音はっ;。しかも点滅音の周期が短くなってるし;;。
や、冗談はさておき、これはよく出来てるシナリオですねぇ。ギャルゲのお手本のような綺麗なストーリー展開で、目新しさはないけれどもとにかく綺麗にストーリーを展開してくれたなぁと感じさせてくれる一作。重たいテーマを扱いながらも、決して安易な結論付けをせずに綺麗にまとめてくれたのは見事でした。以下ネタバレありで。
「美夏が自分を美夏だって思う意識はこの人工知能の中にあるカタチないものだ。
回路が、機械が美夏なんじゃない。わかるか?」
「忘れるな。行動を制限されている市販のロボにだって、心は――感情はあるのだ。」
今回の美夏も前作同様、ネジ穴搭載のゼンマイ型ロボット(笑)なわけですが、前作と違って本作はかなり直球勝負の作りになってますね。ロボットものというと、主人公がヒロインのロボットを(人間じゃないのに)愛せるか、みたいなギャルゲストーリーになることが多いですが、本作はそういうテーマ設定をせずに、むしろものすごく普遍性のあるテーマである、いわれのない差別と迫害(= ロボットであるという理由だけで差別や迫害を受ける)を選んでいる。つまり、人類とロボットは敵同士、という単純な構図を掲げながらも、でもミクロスコピックに見るとある一人の人間とある一体のロボット同士ではなんら違わない『心』を持っていて、そこに気付くことが、いわれなき迫害をやめるきっかけになる、と。
この構図は戦争モノとかの作品で出てきますよね。つまり、あの国の人間はみんな蛮族だ、とレッテル張りをして、敵である人間を個人として見ないようにしてしまう。そうしないと相手を殺すことなんてとてもできない。
委員長(麻耶)の天枷に対する辛辣な態度は、こういったレッテル張りそのもの。民生品ロボットのμの設計者である麻耶の父の沢井博士は、ロボット問題で様々な人権団体や女性団体からバッシングされ、ついには自殺に追い込まれる。家族を崩壊に追い込んだロボットという存在が許せない麻耶は、八つ当たりだと知りつつも天枷につらく当たらずにはいられない。
「そうね。別に今言ったことの責任が天枷さんにあるわけじゃないってことくらいは私でもわかる。
でも、私はロボットを許すわけにはいかないの。
私の幸せを奪ったロボットと同じ学び舎にいることはできない……」
けれども、美夏が身を挺して交通事故からかばった男の子が麻耶の弟だったことから、彼女はロボットを『個体』として見るようになる。それをきっかけとして彼女の態度が変わっていく構図は、ベタすぎるなぁと思いつつも説得力がある。
でもこのシナリオでホントに上手かったところは、そこから作品を安易なハッピーエンドに持ち込まなかったこと。個々人というミクロスコピックなレベルで見ると、麻耶のように、見方や考え方を改める人たちが出るかもしれない。けれども、マクロスコピックな『大衆』によるいわれなき迫害は、個人がどんなに叫んだところでなかなか変わるものではない。得体の知れない『世間の常識』という名のレッテル張りは、そんなに簡単に変わるわけがないんですよね。
だからこの作品では、『雰囲気に流される大衆』(= 勇斗を救った美夏をヒーローとして掌を返したように持ち上げる生徒たち)を描きながらも、『そうそう変わることのない大衆』(= それでもやっぱり美夏はロボットなので退学させざるを得ない)を描いている。けれども、そういう絶望的な『大衆』を描きながらもこのルートのラストは非常に前向きな印象を与えてくれるんですよね。なぜなら、次世代を担う『若者たち』が変わっていく様子を描いているから。作中で幾度となく「時代」というキーワードが出てきますが、それが変わっていくことを予感させるような作りになっているのがものすごくいいんですよ。
美夏によって解決されることのなかったこの問題(= 大衆による謂れのないレッテル張り)が、数年後のエンディングではあっさりと片付いてしまっている……というのはまあギャルゲのお約束というかご愛嬌;。ただ、このエンディングすらも決して安直な説得力のないハッピーエンドではなく、「きっとこんなふうに解決されていくはずだ」ということをちゃんと考えた上でのものであることを、私は高く評価したいんですよね。
実は作品の最初の方で、μを見て美夏が語ったセリフにこんなセリフがあります。
「でも、あいつも……エモーショナルサーキットにリミッターがかけられていた……なんか、可哀想だ……」
このセリフから想定されることは何か。もともと過去に美夏が受け容れられなかった理由は、なにより美夏が、人間とほとんど同様の感情を持っているにもかかわらず、人間ならざる存在であったこと。このために、ロボットからは感情回路が取り外されることになった。要するに、人間がロボットを支配するために、首輪をつないだ状態にしたわけなんですよね。ところが当然そのような形にすれば、ロボットといえそれほど売れるはずもなく、研究も先細りするしかない。これが、美夏が作られたのがかなり過去であったにもかかわらず、その後、数十年に渡ってめぼしい発展を遂げなかった理由(最新型のはずのμと美夏に大差が見られない理由)なんでしょう。
ところが、ここで(どこの企業かは出てきませんでしたけど)ある企業がロボットを愛玩人形として売り出すという商売を考え出してしまう。白井博士の手により、人間と同様の身体と人間と同様の感情を持つロボットとして作られた美冬(μの開発コード名)。それは自らの手で人間と同じものを目指す研究だったにもかかわらず、博士の意志に反してこのロボットのエモーショナルサーキットにリミッターをかけることによって、この企業はこれを愛玩人形にしてしまったんですよね。これによりロボット開発はビジネスとして大成功する半面、麻耶の家族が崩壊することになってしまう。
ビジネスとして大成功したということは研究開発費が大量に得られたということでもあり、これによって再び弾みがついたロボット開発は、次の段階を迎えるための一手を打つ。それがエピローグで語られているロボットの社会進出。もともとエモーショナルサーキット(感情回路)自体は美夏の時代に完成の域に達していたわけですが、この回路のリミッターを「条件をつけて」解除したんですね。つまり、老人福祉介護や警察など「市民の理解が得られやすい」ような場所で働くロボットに感情を持たせるようにし、これをマスコミと癒着してアピールしていく。これにより、ロボット=マニアの愛玩人形というネガティブだった印象を、社会や人間と共生していけるポジティブな印象へと変えていき、それによって美夏たちロボットが人間と共に歩いていける世界を少しずつ創っていく……
おそらく、これが美夏シナリオの大まかなバックボーンストーリーなんですよ。そう考えると、この美夏というのは『壮大な計画の中での想定外の再起動』。当初は、美夏はすべての準備が整った段階でこの風見学園に投入される予定だったと思うんですが、そこに至る前に彼女は再起動してしまった。それはこの巨大な構想全体からするとむしろ想定外だったはずで、その辺のことを踏まえた上でのエンディングやエピローグになっていたと思うんですよね。
このバックボーンストーリーは決して声高々に語られているものではないんですけど、(おそらく)ちゃんとこういうことを考えた上でシナリオを組み上げている、という点は高く評価するに足るルートだと思います。バックボーンを考えれば、「未来をどう変えていくか、人間とロボットが共存できる世界をどう作り上げていくか」というところに、作中のいろんな要素が綺麗につながっていく形になっているのが良い。
ぱっと見はかなり地味なストーリーですが、作り込みはしっかりしていて感心。いやなかなかに良かったです。
ふー、ようやく 3 キャラ目。な、長い;;。さすがに微妙に飽きてきたわけですが、うーん、このシナリオは結構微妙かもしれず;。や、この前の小恋ルートではななかがやたらと輝いて見えたわけですが、こっちの杏ルートでは小恋が輝いて見えるというワナ;。おいおい非ヒロインの方が輝いて見えるというのは果たしてどういうことかと小一時間;。ざっくりとネタバレありで。
この杏というキャラ、CLANNAD のことみに近い雰囲気を持ったセクハラ大魔王……じゃなかった;、トンデモ腹黒キャラ。立ちキャラ CG の中でもジト目の杏がめちゃめちゃかわいい(というか笑える^^)というあたりからも想像が付くように、見た目のかわいさ、そしてその実の毒のある親父系セクハラ発言、そしてさらにその背後にある女の子としての内面という三重構造こそが魅力という、典型的なタイプのキャラですね。
で、キャラ造詣が典型的なだけかと思いきや、シナリオのストーリーラインもこれまためっちゃ典型的な、いわゆる記憶喪失モノ。桜の木の魔法が失われたことで、主人公の義之は存在を奪われていき、ヒロインの杏は記憶を失っていく。これ、AIR の観鈴シナリオなんかと全く同じパターンで、杏の笑顔を守るためには自分が離れていくしかない、というあたりもお約束な展開。まあ、展開そのものは別にお約束というかパターンそのままでもいいのですが(こういう定石は素性がいいからこそ定石になるわけですから)、問題だったのはラストの説得力のなさ、でしょうね。
杏はもともと記憶障害を煩っており、すべてのことを忘れずにいられるようにと桜の木に願いをかける。ところがその願いは叶ったものの、遺産相続のゴタゴタに巻き込まれたときのイヤな記憶すらも忘れられなくなってしまって、決してよいことばかりではないことを知る。でも、義之との思い出を積み重ねていくうちに、忘れたくない思い出がどんどん出来ていき、失いたくない大切な記憶を手に入れていく……で、そこに桜の木の魔法が失われたことによる記憶喪失が襲い掛かる、という筋書き。
……なんですが、ラストで杏の記憶を取り戻す最後の決め手になっているのが、なぜか彼女への誕生日プレゼント(しかも小恋と一緒に選んだオルゴール)なんですよ;。別に杏のゆかりの品物であるわけでもなく、ごく普通のオルゴール。お、おいおい、それはいくらなんでも説得力ないだろ状態;。っていうかですね、中盤にはこんな伏線みたいなセリフまであるんですよ?
「目に見えない心の絆も大事だけど……
今、こうやって身体が辛い時に義之がいてくれて、抱きしめてくれる……キスしてくれる……
触ることができるから安心できる……。身体の繋がりって大事だなぁって思ったの……」
って、そこまで振っておいてなぜに誕生日プレゼント;。わ、ワケわかんないんですけどっ;;。
このシナリオ、杏が記憶を取り戻すきっかけはもっと単純なものでよかったんじゃないかと思うんですよね。例えば、その直前に杏が義之に告白した公園で、義之が杏を後ろから抱きしめるシーンとかあるんですが、もうこれで十分じゃんみたいなところがある;。要するに、たとえ記憶を失っても、その安らぎを覚えている、というシーンが描出できればそれだけで十分だったし、説得力があったと思うんですよ。なのになぜ最後の決め手が誕生日プレゼント;。(← しつこい;)
仮に誕生日プレゼントが決め手になって記憶を取り戻すという話にするなら、それなりに説得力のあるアイテムを選択するべきですが、ルートテーマから考えると、彼女を後ろから抱きしめても効果がなかったのに、誕生日プレゼントといった『モノ』で記憶を取り戻す、っていうのではいずれにしても説得力がないでしょうね。……というかまたしても伏線張ったけど有効活用されずですか;。
まあでも、こういうルートテーマって、ライトなギャルゲで扱うにはちょっと重たいテーマではあるんですよねぇ。要するに、辛かった記憶を忘れることは是か非か、ということですが、そんな簡単に言えるものじゃないと思うんですよねぇ。例えば私だったらイヤで忘れたくなるような記憶もどちらかというと忘れずにいたい。私がそんなふうに思うのは、きっと忘れちゃった方が気がラクになることも多々あるけれども、つらかったことや悲しかったこともそれは自分の一部だし、消化できなくても抱えていかなくちゃいけないものだと思うから、ですけど、それは決して正しいかどうかなんて話で割り切れる簡単な問題じゃない。要するにそういう重たいテーマだと思うんですよ。この杏ルートでも、実際に杏が感じた『忘れたいような記憶』についてはドロドロした描写を完全に避けて、言葉で簡単に触れる程度に留めてますが、この辺についてまともに描き出すと D.C.II のようなライトなギャルゲには向かないものになっちゃう。それだけになかなか落としどころが難しいんですよね。
……もっとも実際問題として、忘れたいと思うような記憶って、(忘れたくないと思うような)嬉しかった記憶と同じぐらい鮮明に覚えてるものなんじゃないかとも思いますが。や、きっとそんなもんですよ;;。
# というわけでようやくメニューが夕焼け画面になって音姫+由夢が攻略可能に。
# んー……せっかくなので美夏も消化プレイしちゃいますかね;;。
そんなわけで引き続いて、ななかと対のルートになってる小恋ルートもクリア。いや〜、このルート、なにげにいい出来じゃないですか^^。最後の銀色シールの免罪符が蛇足どころか感動すべてぶち壊しでしたが(← そこまでの出来が良かったのでちょっと暴れそうになった;)、いや予想外に素性のいいルートで驚きました。
というわけで、以下ネタバレで。面倒なんで反転なしで。
このルート、ひと言で言えば鬱展開ルート(ぉ)。散々迷ってふらついて、周りの人を傷つけまくって、それでも最後には何かを手に入れていく物語。や、私は君望を初めとする鬱ゲーは全般してあまり好きではないんですが、このルートみたいな鬱展開はむしろ結構好きなんですよね。なぜかというと、遠回りしても、最後には一番大切に思えるものを見つけて、そのために誰かを傷つけ、自分も傷つく覚悟をしているから。そのことに気付いていく物語の展開が、私は好みなんですよねぇ^^。
展開上、非常に上手かったと感心したのが中盤のななかの交通事故。全く想定していなかったので完全に不意打ちだったんですが、これによって、義之の思慮の浅さがうまく浮かび上がっている。要するに、恋愛なんて好きという気持ちだけで綴られるものじゃなくて、誰かを傷つけたり、自分が傷ついたりすることもある。しかし主人公の義之の場合、『小恋が好き』という気持ちはあっても、周囲のななかや渉に対する思いやりや気遣いがほとんどないんですよね。だから、ななかの気持ちもろくに考えずに、
「ななかの面倒をみるよ。俺の責任でななかが不自由になったんだから、入院中、俺がななかの面倒をみるよ。」
これが……今できる俺の罪滅ぼしだ。
なんてことを言ってしまう。その行為がどれほどななかのことを傷つけるのかも考えず、それが自分の誠意であるとばかりに。
そしてその後、義之は、ななかとのけじめもつけて小恋との仲を修復しに行くわけですが、ここで非常に感心したのは、この一連の展開が、義之の物語であると同時に、ななかの物語にもきちんとなっているという点。つまり、一連の流れをななかの側から見てみても、ちゃんと一つの物語になっているんですよ。
ちょっと整理してみると、こんな感じ。
前回のエントリにも書きましたが、ななかは触れるだけで相手の気持ちがわかってしまう能力の持ち主。折に触れて義之の手を握っていたななかは、義之に何があったのか、彼の気持ちが本当は誰の方を向いているのかが全部分かっている。けれども義之のことが諦められないななかは、そういうことを全部知った上で、自分の交通事故をダシにして、彼の心の弱さとその隙間に入り込もうとするんですよね。
「……わたし、義之くんのこと、好きだもん。
一回振られて、諦めようとも思ったんだよ。
だけど、やっぱり好きで。すごくすごく義之くんのことが好きで。
気がつくと義之くんのことばっかり考えてて。
……だから。」
ななかの言葉に頷いていた……って、おいっ、そこはどう考えても頷いちゃダメだろっ、ここに選択肢は出ないのかよっっ;;と一瞬叫びそうになりましたが^^、義之の失恋(← 彼の勝手な誤解でしたが)も何もかも知った上で、心の隙に付け入ろうとするようなななかの行為は、(ななかルートでも語られていたように)一種の「ずる」なんですよね。けれども、そんな関係が長く続くはずもない。結局小恋に対する誤解も解け、義之はななかとの関係も清算しに来るわけですが、ななかはやってきた義之を見て極度に怯える。何故このシーンでななかは極度に怯えるのか? これ、ななかがちょうど能力(桜の木の魔法)を失ったタイミングと重なってるんですよね。
ななかの病室の扉を開けた。途端、ベッドの上のななかがビクリとしたようにこちらを向く。
そして……俺の顔を見て、泣きそうなほどに顔をゆがめた。
「よ……よしゆきくん……どうしよう……わ、わたし……」
「ななか、聞いてくれ……話が……」
「やだ!」
「え?」
「や、やだよ……。今日は……聞かない……聞かないよ……
嫌な予感がするの。義之くんの口から聞きたくないよ……どうして……どうして、こんなときに……」
「……頼むから聞いてほしい」
「やだ……やだよ……ひどいよ、義之くん……わたしに悲しいお話をするんでしょう?
なんで、今日なの? なんで今なの? ねぇ、どうして……?」
彼女にとって生きていくために必要不可欠であった、彼女の不思議な能力。当たり前のようにわかっていた他人の心が読めなくなって、まさに独りぼっちの世界に叩き込まれたところに、追い討ちをかけるがごとく義之が別れ話を切り出してくる。それはまさに彼女から世界のすべてを奪う行為に他ならない。義之のやってることは、まさにななかを傷つけ、そして彼女から全てを奪って殺す行為といっても過言ではない。
けれども、義之がななかに対して真摯な気持ちで自分の本心を訴えること、それによって、ななかは初めて見えない他人の心を感じ取り、それを信じることができるようになるんですよね。
「流れてこないよ。義之くんの……本当の気持ちが……わからないよ……」
「これは、俺の本当の気持ちだ!」
ななかの目を見て断言する。
そうすることが、今の俺にできる精一杯の誠意だった。独りよがりかもしれない。
でも、俺にはこうすることしかできなかった。
「………………………………
わかった、信じる……そうだよね。あれだけ小恋のことを想ってた義之くんだもんね……」
「あ〜あ……失っちゃったな、何もかも。義之くんも、あれもこれも……全部……」
ななかは確かに超能力も、そして義之も失ってしまった。けれどもそのかわり、人間としてものすごく大切なもの、見えない他人を信じられる力を手に入れているんですよ。だからこのシーンは、『ななかの(魔法の)物語の終わり』であると同時に、『(本当の)ななかの物語の始まり』のシーンでもあるんですよね。本来のななかルートにはなかったものがここに描かれていた感があって、ものすごくしっくりきたシーンでした。
……ってちょっとマテ、このルートは小恋ルートなのになんでななかの話ばかり;。
というわけで、再び小恋の話に引き戻すことにすると。
卒業を機に島を去らなきゃいけない家庭事情を抱え、さらに親友のななかも義之のことを想っている。事故に遭ったななかの元に通いつめる義之を見て行き場を失い、渉を頼るしかなくなってしまった小恋。一方で、一歩の勇気が出せなくて時間だけが過ぎていき、些細な誤解と思い込みで行き場を失い、ななかを頼るしかなくなってしまった義之。
ちょっと話し合えばこんなことになるはずもないのに、不器用で奥手であるが故に二人の仲はこじれていく。
結局、二人に足りなかったのは、自分が傷つく勇気と、周りを傷つける勇気。その一歩が踏み出せなかったが故に、お互いに気持ちをぶつけることができず、悪循環に陥っていってしまう。けれども、一度お互いを失ってみて、自分でどうすることもできない気持ちがあることに気付き、最後にはちゃんと人を傷つける覚悟、そして自分も傷つく覚悟をして、一歩を踏み出していく。
「知ってたよ。」
「え?」
「渉から聞いた。小恋が初音島から出て行くこと。」
「え? じゃ、じゃあ」
「それでもいいと思ったんだ。
小恋が島を離れても、ずっと一緒にいれなくてもさ、それでも俺は小恋のことが好きだから。
他の誰も小恋の代わりになんてなれないからさ。
だから、告白した。
渉とななかを傷つけて、それでも小恋に告白した。」
ううっ、GJ(笑)。や、こういうセリフ大好きなので^^。
ものすごくベタベタな展開だけど、こういう『覚悟を決めた』セリフがあると、ものすごくしっくり来るんですよね。
結局、このシナリオがいわゆる凡百の鬱ゲーと一線を画しているのは、理性ではコントロールできない恋愛感情の苦しみと、それが消化されていく様子を、断片的ながらもきちんと描写している点、なんですよ。
想い人であった小恋から相談を受けて、自分の気持ちを殺しても彼女の背中を押そうとする渉。
小恋に振られ(たと誤解し)てどうにもならなくなってしまう義之。
義之の本心が決して自分を向いてくれないと知っていてもなんとかして義之のことを手に入れたいと願うななか。
彼らの恋愛感情は行き場を失えば苦しみになるけれど、その強い想いや気持ちを力に変えていければ、それは一歩を踏み出していく勇気や覚悟になる。そういう基本構図がこのシナリオにはあり、それが端的に現れているのが前述のセリフだと思うんですよ。これって恋愛ゲーム(特に鬱ゲー)の最も基本的な構図だと思うんですが、意外にこの基本構図をきちんと作れていない作品がものすごく多いんじゃないかな、と。
前述のラストシーンのセリフは、ものすごく教科書的でオーソドックスではあるものの、ちゃんといろんな要素がカチカチとピースをあわせるがごとく噛み合っていった感がある。や、このエントリはうまくまとめられなくてかなりの長文になってしまいましたが;、全体を通して言えばかなり良かった、というのが正直な感想。いやー、前作の D.C. よりかなりシナリオ面での進化が見られますね。いやはや、思わず熱の籠もったエントリに書いてしまったりww。
がしかし……眠い;;。や、迫ってくる眠気を押してゲームをプレイしてるのもどうかと思った今日この頃;。っつーかこんなもん書かずにとっとと寝れ状態。いずれにしてもまだ 2 キャラ目。引き続き 3 キャラ目、行ってみますよ〜^^。
# っていうか早く朝倉姉妹を攻略したいわけですが;。
やー、放置予定だった D.C.II ですが、結局なんだかんだでプレイ開始。や、ひぐらしに手をつけようかとも思ったんですが、まずは軽いこっちを旬のうちにざっくり片付けてしまうかな、と。そんなわけでまずは軽く白河ななかを攻略してみたり。1 st play で約 6 〜 7 時間ぐらい? まあざっくりとプレイ & クリアしてみたわけですが……
な、ななな、なんだそりゃああああっっ;;;。> ラスト
そこまでさんざん張ってためちゃめちゃ美味しい伏線をスルーしてどうするんですかいったい;;;。
え゛ー、ちょっとあまりのショックにかなり惚けてしまったのですが;。以下ネタバレありで。(未プレイの人は適宜スルーしてください。)
本作、基本的に前作 D.C. の白河ことりの設定を踏襲していて、相手に触れるだけで人の心が読めてしまう女の子、という設定になっている。で、ステージの上からみんなの前で告白したり、さらに前作同様に人の心が読めなくなって……というところまでまさに前作のオマージュなんですが、それでも前作とは違ったテイストにちゃんと仕上げてきてるんですよね。それが、小恋との話。
設定を再整理すると、もともとななかは幼いころ周囲から溺愛されていたが故に、他人に気遣いをすることなく育ってしまう。ところが中学ぐらいにもなるとそのルックスの良さから周りから疎まれるようになり、なぜそんな意地悪をするのかがさっぱり分からず、その気持ちを知りたいと桜の木に願いをかける。それによって彼女は他人の心が読めるようになり、他人が望むことだけを的確にやっていくことによって周囲との関係を保てるようになる。けれどもななかに接する人たちの心の中は、嫉妬や下心ばかり。それらが読めてしまうななかにとっては、純粋な好意で自分のことを心から大事に思ってくれる義之とゆずちゃん、そして小恋だけが、安心できる居場所になっていた。
けれども、ななかは小恋の想い人である義之を好きになってしまう。
「他人の心を読むことができる」という彼女の能力は一種の『ズル』のようなもの。なのに、彼女はそれを恋愛に使ってしまうんですね。つまり、小恋が「告白したら今までの関係ではいられなくなるかもしれない」と不安になって踏み出せずにいることも、そして義之が自分に対して好意を持ってくれていることも知った上で、義之に告白する。もちろん、ななかはその行動が小恋を傷つけることも理屈では理解していたし、それを受け容れる覚悟もしていたつもりだった。けれども、いざ二人が恋人同士になると、(義之の鈍感っぷりもあって)周りの人間関係があっさりと壊れていく。そのことに、ななかは戸惑ってしまう。
「わたしは……自分に素直になっただけだよ?
だって……だって……わたし……義之くんの彼女さんなんだもん。
義之くん、わたしのこと好きだよね?」
「ああ。好きだよ。」
「だったら……だったら、間違ってないよ。うん、間違ってない。」
ななかが、幼馴染の小恋を差し置いて義之と恋仲になること、それ自体は確かに間違ったことではないんですよね。なぜなら、恋愛にルールなんてものはないから。けれども恋愛って、背負う覚悟とそれを超えていく勇気が必要なもの。例えば、他人を受け容れて背負う覚悟、他人を傷つける痛みを背負う覚悟、さらにそれらをなお超えていく勇気。ななかが義之といっしょにいるためには、自分に対して純粋な心で接してくれた数少ない友人である小恋を傷つけなくちゃいけない。ななかは小恋を傷つけることでしか先に進めないし、小恋もまた、それを受け容れなければ前へ進めない、というのが基本的な構図。
だから、中盤で桜の木が枯れて人の心が読めなくなってしまったななかは、義之と一緒にいるために、そして小恋と本音で向き合うために、自分の想いと気持ちを自分の言葉で小恋にぶつける。それがたとえ小恋を傷つけることになったとしても。
……なんだけど、なんで自分の気持ちをぶつけただけで満足してるんですかっっ;;;。> ななか
ななかシナリオって、ななかが(能力に頼ってしまったが故に)他人の気持ちを感じ取ることができなくなってしまったという点がポイントになってますが、他人の気持ちを感じるにはまず自分の気持ちをぶつけることが必要だというのが義之のアドバイスだった。
「人の心なんて……初めからわからないものだろ?
もともと、誰も相手の気持ちなんて初めはわからないんだって、ななか。
どうしてななかの能力がなくなっちゃったのかはわからないけど……でも。
伝わらないことを、伝えるのが本来じゃないか。不器用でもなんでも。
相手の気持ちがわからなければ、聞けばいい。コミュニケーションを取って、理解しあえばいい。
初めから……人の心なんて読めないんだって。
ななかは自分のことをちゃんと相手に伝えようと努力をしてないだけだよ。
だから相手もわからないんだ。ななかのことが。」
けれども、「気持ちを伝える」という行為が一方的なものである限り、コミュニケーションには発展しない。自分の気持ちをぶつけ、相手からも気持ちをぶつけてもらうことで、初めて相手の気持ちを感じることができる。実際、義之は渉に殴り飛ばされることで彼の心の痛みを感じ取る。それがコミュニケーションであり、「相手の気持ちを理解する」こと、なんですよね。
「これが、人の気持ちを理解するってことだよ。
こうやってお互いの気持ちを言い合って、初めて互いのことがわかるんだ。
今回は殴られちゃったけど……俺は今すごく嬉しいんだ。
渉と喋れたから。渉の気持ちがわかったから。」
「心なんか読めなくったって、人の気持ちはわかるんだよ。」
自分の気持ちを自分の言葉で小恋にぶつけることは、確かにななかにとっての第一歩ではある。けれども、本当の意味でのななかの第一歩は、ななかの本音の(けれども最も聞きたくない)言葉に背中を向けずにはいられない、小恋の心中を察すること(=彼女の失恋の痛みに共感すること)だと思うんですよ。でも、その描写が非常に薄い(というよりほとんどない)んですよね;;。
「もういいよ、ななか。聞きたくないよ。」
「待って! 聞いて欲しいの! ちゃんと、聞いて欲しいの……
わたしも……小恋と同じくらい真剣に、義之くんのこと、好きだから!
譲れなくて……ごめんなさい!」
って、え゛え゛え゛、ぶつけるだけで終わってるよ状態;。これ、私の解釈ミスかな? とも思ったんですが、実際、ななかが告白して以来、ななかは小恋と触れ合っていない(=ななかは小恋の失恋の痛みを読み取っていない)という伏線も張られている(はず)。それを踏まえると、他人の気持ちを感じ取れないななかが初めて感じる「読めない他人の気持ちや感情」、それが小恋の失恋の痛みだったのなら、おそらくこのシナリオは(ビターだけど)かなりいいシナリオに仕上がってたんじゃないか? と思うんですよね。その描写がない状態でラストのバンド再結成の構図に繋がってしまうと、ななかが何も失わず、何も痛みを知ることなく、すべてを手にいれることにもなりかねない。でも、それはこのルートのテーマ設定(=桜の木の魔法という『ズル』の清算)と違うんじゃない?? と思うんですよ。
私は、ななかがあのシーンで小恋の痛みを感じ取るような描写があったらかなり高評価を下していたと思うんですが、完全に肩透かしを食らってしまった感が……っていうかなんでこんなにおいしいネタをスルーしてるんだよーっ、状態;。や、敢えて意図的にその描写を削るだけの積極的な理由も思いつかないだけに、なんでこういう形にしたのかホントに分からないのですが、やっぱり『こそばゆい』ゲームとしては、ヒロインが痛みを知ってひと回り成長する、という構図は好かれないのかもしれません。うーん、でもなぁ;。なんか腑に落ちません;;。
とはいえ、ステージ上からの告白シーンとか、桜の木の下での告白シーンから流れるように入っていく yozuca* さんの OP テーマなどなど、ベタベタだけどもいいシーンも結構あったり。ラストでは「そりゃ違うんじゃ;;」となってしまったものの、そこまでの流れは決して悪くないどころか割といいルートではありました。他のキャラのルートに期待。
で、まあそれはともかく、ですよ。
なんですかあの由夢の萌えっぷりは〜〜っwww。
ななかにベタベタされて嫉妬しまくりの由夢に萌え。くっ、これはホントにななかルートなのかっ?!(笑)
このキャラ、学園ではしゃきっとした可憐で清楚な優等生、ところが家に帰ればジャージにヲタメガネで毒を吐きまくりという、音夢の系譜を引く腹黒系超毒舌の妹キャラ。そんな彼女が、ななかといちゃつく義之にいちいちジタバタするわけですよ(笑)。やー、めっちゃかわいいんですがっ^^。
今回、メインヒロインは音姫姉さんと由夢の 2 キャラに分かれてるんですが、主人公いじり役が音姉さんの方に役割分担されているので、妹の由夢の方は前作以上に妹キャラしてる。いやこれはなかなか面白いキャラ配置。音夢もかなり強烈な個性でしたが、今回の由夢はさらに純度が高まった音夢という感じかも(ぉ)。
# がしかし、初回プレイでは攻略できないワナ;;。
とりあえず音姫+由夢まではなんとかクリアしたいとこなんですけどねぇ。いったいどれだけかかることやら;;。
というわけで今日は軽くこの CD のインプレを。
これ、しばらく前の東方オンリーイベントで売り出された東方シリーズのアレンジ BGM 集。アレンジを ZUN 氏自らが行っている一作なんですが、いやー、やっぱりうまいなぁ、と。
東方シリーズの BGM はそれ自体がゲームの一部であり、他のすべての要素と絡み合って完成している芸術品なんですが、こういう「完成された曲のアレンジ」って結構リスキーなんですよね。原曲がなまじ名曲だと壊すに壊せないし、かといって原曲ママというわけにもいかず、その落としどころをどこに取るのか。これが例えば FM 音源などの古い曲のアレンジだと、『音を厚くする』といった方法も取れるけど、昨今の BGM だとそういうわけにはいかないんですよね。けれどもほんのちょっと音色を変えるだとかアレンジを加えて、原曲のマイナーチェンジ(でも原曲とは違う)を仕上げてくるあたり、無難ながらもさすがだなぁと思わずにはいられなかったり。
ところで ZUN 氏といえば、ご自身の blog (博麗幻想書譜)で先日非常に興味深いエントリを挙げてますね。仔細は ZUN 氏のエントリを読んでみていただきたいんですが、要するに「学際領域にこそ神が宿る」という話。これ、決してゲームやアニメといった業界だけの話じゃなくて、おそらく研究だろうが一般企業の仕事だろうが、すべてに通じる話じゃないかと思うんですよ。
# えーと、学際領域というのは、複数の学問や分野にまたがった研究領域のこと。
# 例えばコンピュータと心理学の組み合わせとか、全く異なる分野の知識を融合することで新しい広がりが得られるというモノ。
や、いわゆる『専門バカ』という言葉がありますが、ある一つの仕事ばっかりこなしていると、どうしてもやり方が固定化されてしまうために頭が固くなってくるんですよね。で、ある程度までそれが進行するとこの人は使い物にならない、ってことでクビを切られてしまったりする;;。
私自身は趣味ということもあって、仕事とは無関係なジャンルの本(心理学とか)を読んだりすることがありますが、たまにそういう物事の中に、自分の仕事の中に生かせるような考え方や見方が含まれていたりすることがある。この blog も 8 割は趣味でやってますが、モノを書く速度や物事の整理能力といった汎用的なスキルはこういう blog 書きなんかでも十二分に培われるわけで、仕事と直結するモノだけが仕事に役立つわけじゃないということは常日頃から感じます。や、実際私も仕事サボるときは適当にサボってゲームとかしてますしねぇ^^。(← 月あたりの実平均残業時間は 30 時間以下; もうちょっと仕事しる!とか怒られそうだな……;)
まあ実際問題として、ZUN 氏の言うレベル感と私自身のレベル感とでは天と地ほどの差がありますが(というか ZUN 氏は神ですから;)、でもまあ、仕事とは別のジャンルの趣味をうまく仕事にフィードバックできたら、それは決して悪い話じゃないだろうと思う今日この頃。だって楽しいし〜。
……や、自己弁護じゃないですよ??(言い訳)
ちょっと遅ればせながらラブゲッChu! の OP テーマを買いに行ってみたわけですが、なにゆえに売り切れ;;。や、テレ東アニメとはいえ確かに古臭さが漂うだけに入荷数は抑え気味だったのかもしれませんが、この OP テーマはめっちゃいい曲なんですよねぇ。まあ慌ててるわけではないので素直に再入荷を待つことにして、かわりに買ってきたのはこれ。
D.C.II 〜ダ・カーポ II〜 の OP テーマと ED テーマのカップリング。OP テーマが yozuca* さん、ED テーマが rino さん(Coorie の別名義)という信頼度の高いセットで、D.C. の OP/ED に関しては完全にこのセットが定着してますね。で、実際聞いてみたわけですが、やー、めっちゃいい曲ですね、やっぱり。
OP テーマの「ダ・カーポII 〜あさきゆめみし君と〜」はここからダウンロードできるプロモムービーでも聞けますが、なんつーか、いかにも春っぽい曲^^。漠然とした予感とか期待感を感じさせるようなこの手の曲はかなり好きなんですが、D.C.II のオープニングに相応しい一曲。ただ惜しいのは、間奏部の主張性の強さ。なんというか、間奏部でこういう主張をされるとメインの部分がぶち壊しになることすらあるので私はあんまり好きくないんですよねぇ;。この曲の場合も、もともとメインメロディのまとまりが非常に良いのでその流れを壊すような間奏になっているのが非常にもったいない。でもまあ、それを差し引いても十二分にいい曲。
一方で ED テーマの「Spring has come」……って、訳すと「春がキターーーー」ですか(違)。ED テーマだからこういうタイトルもアリなのか(笑)。rino さんの曲って、非常に暖かい、落ち着いた癒し系な曲が多いんで、こういうゲームの ED テーマにはピッタリ、という印象。サビのところへの入り方(Spring has come 愛がここにあるよ……の部分)がものすごく耳に残る上に、サビの部分のコード進行がめっちゃツボww。こういう呪文のように進行するコードってめっちゃ好きなんですよねぇ。あと、こちらの間奏部分はメイン部分を引き立てるようなサイドディッシュになっててものすごくいいですね。編曲の大久保 薫さんは rino/Coorie さんのいろんな曲の編曲をしてたと思いますが、この人の編曲いいですよねぇ^^。最初から最後までものすごく綺麗に流れていく一曲でした。
やー、なんというかさすがという感じの一枚。ゲーム本編の方は全くの未プレイですが(ぉ)、OP/ED テーマ単体でも十二分に聞けるいい曲ですね。
今日はゆかりん concert tour の千秋楽、博多公演。でじくま氏とけろっちゃ氏は今ごろ博多で遊びまくってる惚けてる頃でしょうがw、こちらはなにげにお仕事で午前様ですよ(涙)。っつーかですね、金曜日の夜に仕事を投げてくるお客さんってあり得なくないデスカ??; や、お客さんに愛されてると思う今日この頃ですよ、ええ。
# 仕方ないので iPod でデイジー・ブルーとか聞いてましたけどねー(涙)。
そんなわけで腹いせに……というわけでもなく、単に仕事がてら昨日引き取れなかったブツを get してきてみたり。
……っていうかいつプレイできるんですか私は;;。や、だってですね、今現在、並列処理してるのがどれだけあるかというとですね、
・脳を鍛える大人の DS トレーニング ← とりあえず三日坊主にはならなかった^^
・ニュースーパーマリオブラザーズ ← 非常に面白いけどプレイしてる暇なし;
・幻想水滸伝 II ← まだ終わらない……
・ニューレインボーアイランド ← なにげに面白いw
・School Days ← まあこれはだいたい終わってますが
・Kanon ← 久しぶりにリプレイしたくてインストールした。けど、インストールだけ;。
……書き出してみて自分でも思いましたよ、アホか、と;。これに加えてアニメが 20 本ぐらいあるわけですか……そりゃ頭に入らなくて当然ですわな……。← や、最近アニメはほとんど BGV と化してるワナ。そんなわけで D.C.II は買ったもののしばらく放置予定だったり。
# 考えてみれば前作の D.C. も購入したのは発売日、プレイしたのは 1 年後だった気が;;。
# あ゛ー、積みゲーは作らないようにしてるというのに;;。
そんなわけで今日は疲れたのでとっとと寝るですよ〜。というか親戚宅も行かねばならないのに時間ないな;;。
ps.
あ、ついでに Web 拍手コメントへリプライ。
> まちばりさん的には歓迎に非ずなんですか? >百合声優カップル
いや別にそんなことはないです、というかどうでもいい、というか;。
ただまあ売れない芸能人じゃあるまいし、そんなことしなくてもいいじゃ? とは思いますが;;。
おおっ、ついに投入ですかっw。> Princess Bride!
最近、アニカラで KOTOKO の電波ソングがいくつか投入されてますが、Princess Bride! がついに DAM で 5 月から投入とのこと。いや〜、まさかあの迷曲 名曲までアニカラに投入されるとは思ってもいなかったり。KOTOKO さんの曲の中でもトップクラスの超ハイスピードソングで、"in'" 7 連発× 2 がとにかく気分のいい一曲なんですよねぇ。
リリース当時、歌詞が聞き取れなくて 2ch でかなり大真面目に解析が行われてたのは懐かしい話。ちなみに正解は
Lovin' Callin' Feelin' Healin' Kissin' Again Darling !
Cryin' Smillin' Fallin' Flyin' Charming Wedding Heroine !
なんですが、あれを聞くのはともかく自分が歌えるかどうかとなると全然話は別。ちょっと確認してみましたが、いったいどこで息継ぎするんだよ状態;。でもかなり楽しみかもw。少し復習しておきますか....^^
取れたでありますよ、隊長〜^^。
久しぶりにリプレイしてみたら、多少苦戦したもののなぜかさくっと取れてしまったり。いやこういう不思議があるからこそこのゲームはなかなかやめられないですね^^。結局、レベル 8 まではコンプしてトータル 75 枚、私の腕だとこの辺が限界ですね。……と、ちょっと調べてみたら東方文花帖、なにげに明日から一般販売開始の様子。数ある東方シリーズの中でもかなりの名作だと思うので、まだ未プレイの方は是非。
朝っぱらから読んでさすがだなぁと唸らされる今日この頃。臥猫堂のりさんの智代アフターインプレ。こちらの 2/1 と 1/31 の日記。テーマは、不変の愛ではなく永遠の愛である、というのはその通りですね。っつーか完敗ですよ、のりさん(苦笑)。
で、少しつらつらと雑感を。
私はこの作品をプレイしたとき、CLANNAD 本編の渚との対照性を強く感じたんですよね。渚は自己の中でなく他者の中に幸せを見出すタイプ。で、それに対して智代は自己の中に誇りを見出すタイプ。自分の中に残るものに価値を見出すというのは、ある意味 CLANNAD とは正反対とも言える物語で、その辺からテーマ解釈してみましたが、いや〜、のりさんの解釈の方がストレートですね。単品作品の解釈としてはのりさんの解釈の方がいいと思います。
のりさんの解釈に付け加えるとすると、失われてもなお続いていく気持ちがあるとしたら、きっとそれが、愛なんですよ。(← って、恥ずかしいセリフ禁止;。)
……と、いつものことながらのりさんのインプレを読んでうちのめされる今日この頃。いやはや。
智代アフターやった方は是非一読を。
やってやれないことはない、やらずにできたら超ラッキーでありますよ、隊長^^。
いやもう絶対無理だと思ったのに、なんかひたすら頑張ってたら EX レベル突入しちゃいましたよ;。や、ちょっとこれには自分でも信じられず。頑張ればなんとかなるもんですねぇ……がしかし、この EX のスペカはいったいどーよ?? と。
いやさすがにやりすぎでしょ状態^^。がしかし、これまた頑張ればなんとか取れるからびっくりしてしまう。EX-8 の百万鬼夜行なんていったいどうしろと状態。
にもかかわらず 2 日間頑張ったらなんとか取れてしまうんだから驚き^^。いやー、なんとかなるもんですねぇ。
# でも EX-7 の濛々迷霧は取れそうでどうしても取れず(涙)。
というか今回の東方、本気で面白い。この面白さは妖々夢以来かもしれず。スペルカードの嵐という意味では東方永夜抄に近いんですが、あれに比べてプレイしていて遥かに面白いんですよ。ひたすら弾幕に耐えて、スキを見てパチリと写真を撮って逃げる。で、撮影残り 1 枚というところで叩き落される悔しさといったらありゃしない;。しかも BGM #4 の「東の国の眠らない夜」が超名曲。これ聞きながらプレイしてるだけでもめちゃめちゃ快感。なんつーか、中毒性が高いゲームなんですよねぇ、これ。
# BGM #05 の「レトロスペクティブ京都」がイマイチなので、Level 8〜10 はやりこむ気が起きず;。
というわけで、ぼちぼちゲームを総括してみたり。
このゲームって確かにめっちゃ面白いんですが、多分『東方シリーズだからこそ』成立するゲームなんでしょうね。というのも、おそらく「東方」の名を冠していなかったら、そもそもみんながここまでこぞってやり込もうという気にはならなかったと思うんですよ。ゲームシステムの奇抜さといい、番外編的なボリュームといい、一見さんお断りのストイックなゲームシステムといい、単品のゲームとして成立し得るゲームではない。おそらくは、このゲームの魅力と面白さに気付く前に、みんなこの難易度の前に挫折していたんじゃなかろうか、と。そういう意味で、「東方」だからこそ出来た名作、だと思うんですよ。
今回の作品は、以前から ZUN 氏が持っていたネタをムック本と連動させることによって実現したものらしいですが、ある意味、こういう「制作者としてのわがまま」が見事なまでに成功したのがこの東方文花帖と言えるんじゃないでしょうか? や、確かに制作者自身の好みも一歩間違うと前作の東方花映塚のようにとっつきにくいゲームになってしまいますが、この東方文花帖は制作者のわがままでありながらも、他に類を見ない名作になっているんじゃないか? という気がします。
現在 74 枚、さすがにそろそろ限界ですが、いやはや本気で面白いゲームでした。このシステム、おそらくは今回だけで終わりだと思うんですが、ちょっともったいないですね^^。次回作はどうなるやら、楽しみです。
……と思ったら、なにげに号外とかいう追加弾幕が出現しそうな気配;。おいおいマジですか^^。
# そんなわけで、ここまでのリプレイファイルも置いておきます。や、あんまり上手くないですが;。
っつーかこの弾幕、いったいどうしろと;。
というわけで引き続き文花帖プレイ中、Level 5 までコンプ、現在 60 枚。EX には 66 枚必要らしいですが、あと 6 枚なんて絶対に無理としか言いようが;。後半戦はガチンコ勝負みたいな弾幕も結構あって、頭を使えばクリアできるというシロモノではなくなっていたり。や、さすがにもう無理なんですけど;。というか自分でもよくここまで取れたもんだとかなり感心したり。
それにしてもホントに面白いですねぇ、これ。ノルマ達成型ゲームとしての出来が非常によくて、たとえカードを撮れなくても、別の面をクリアしてから戻ってくると意外にあっさり撮れたりする。ちょろちょろとプレイできる手軽さもいいし、番外編みたいな一作にするには惜しい一作ですね。
というわけでここまでの成果ということで、一応、リプレイファイル一式を置いておきます。や、あんま上手くないですが;。
というわけで時間がかかってしまいましたが、智代アフターのネタバレインプレです。長文だし、反転しちゃうとめんどいので反転なしで。思いっきりネタバレしてるので、未プレイの人はスルーしてください;。
この作品を地雷判定している人の多くは、作品のテーマを「永遠の愛(変わらない愛)」と考えて、ラストで朋也と智代が共に歩んでいけなくなってしまうなんてあり得ない(あるいは後味が悪い)と非難している様子。けれども、そういう即物的な物事の捉え方をしたり、死別・離別といった表面的な部分をなぞっている限り、この作品の本質に近づくことはできないように思います。
結論から先に書いてしまうと、この作品は「努力だけでは叶わない現実による挫折」というキーワードから読み解いていくと分かりやすいです。
本作では、「人生の宝物」という言葉がキーワードに使われていましたが、「人生の宝物」とは何か。「智代」とか「永遠の愛」とか、あるいは「二人で過ごした幸せな記憶」といった解釈をしている人が多そうですが、それはちょっと違う。というのも、幸せな思い出、楽しい思い出、嬉しい思い出などが「人生の宝物」になるのは当たり前なんですよね。
確かに実際問題として、世の中には、当人の努力次第で幸せな思い出や楽しい思い出を作っていくことが可能なものは結構ある。本作の前半ルートでは(やや芝居がかった話が多い点について目をつぶることにすれば)智代や朋也、河南子、鷹文などのおせっかいや努力によって、みんながハッピーになっていく。その擬似的な家族による共同生活によって紡がれたのは、確かに楽しい思い出であり、これが『人生の宝物』になるのは当たり前。
けれども現実は、努力すれば必ず成功するというものではない。朋也のように常に負けないように頑張ったとしても、(大小の差や難易度の差はあれ)自分の力だけではどうにもならないことは必ずある。それは受験に失敗することかもしれないし、就職に失敗することかもしれないし、失恋することかもしれないし、世間から謂れのない誹謗中傷を受けることかもしれないし、大切な家族を事故や病で失うことかもしれない。多くのギャルゲものは「零れ落ちる奇跡のカケラ」でこれらがハッピーエンドになってしまうものですが、実際の現実はそんなに甘くはない。本作の場合には、有子さん(ともの母親)の死に至る病であったり、朋也を襲った事故であったり、朋也を死に至らしめる手術の失敗であったりする。そうした、『当人の努力だけではいかんともしがたい』挫折や不幸、悲しみというものは、現実世界には必ずあるんですよね。
こうした「当人の努力だけでは回避できない」不幸な事実や結末は、文字通り『どうにもならないこと』。けれども、そうしたことから生まれる悲しみは、忌避することや忘れることでは解決しない。乗り越えていかなければならないものなんですよね。
「とも…これから、どんなことがあっても…どんなつらいことがあっても…
私はのりこえてみせるから…だからともも…がんばるんだぞ…」
「うん」
力強く、ともは頷いてみせた。
「どっちがつよくなれるか、競争だな…まけないぞ…」
「うん」
智代アフターにおける朋也は、こういう『どうにもならないこと』に対して、「どうにもならないかもしれないけれど、とにかく頑張ろうとする」キャラとして描かれている。それは一見無謀かつ無駄に見えたりするけれども、実はものすごく大切なこと。なぜなら、それが、現実的にどうにもならない理不尽に対する唯一の対抗策だから。
もちろんどこまでやっても失敗することはあるし、もっと出来たのではないかと後悔することもある。けれど、「自分はここまでのことをやった、けれどもうまくいかなかった、だからどうにもならなかったことなんだ」と自分を諦めさせざるを得ないほど全力で頑張ることが大切。そうすることによって初めて、時が経って振り返ったときに、苦い後悔だけではなく、いろいろな感情を伴った『思い出』としてそれが想起されるようになる。その積み重ねこそが、その人にとっての人生の宝物なんだと思うんですよ。
こうした気質を持つ朋也に対して、智代の方は物事に依存する気質を持っている。それは最初は朋也であり、その次はともだった。彼女は、その物事から見返りや結果としての『成功』を求めてしまう、一種の依存症を持ったキャラなんですよね。実際、彼女は天賦の才を与えられていて、努力次第でなんでもこなしてしまうし、結果的になんでも得てしまう。ところがその彼女が、自分の力では初めてどうにもならないことにぶち当たる。それが「とも」であり、それをきっかけに、彼女は変わっていく。
けれども、実際に目の前に『どうにもならないこと』(=朋也を襲った記憶喪失)が現れたとき、やはり彼女は失うことを恐れてしまう。朋也を失うかもしれないというリスク(挫折)を忌避しながらの三年の月日を経て、手術を受けた末、彼女は初めて、自ら達観に至るんですよね。
逆境を乗り越え、永遠の愛を信じて、
ひたすら信じて、ふたりで生きた日々があるんだから。
それは私だけの宝物だ。
かけがえのない宝物だ。
苦しくて、胸が張り裂けそうなこともあった。
泣き叫んだときもあった。
そんな日々があったからこそ、今、すべてが輝いて見える。
彼と出会ったことも、彼と過ごした日々も、絶望した日も、
ひとりで 泣き続けた日も、
これから歩んでいく道も、
過去も、未来も、
すべてが、あの日見た夕焼けと同じように、輝いて見えた。
成功体験だけが人生の宝物ではない。
人生の宝物、それはその人が頑張って生きた日々、全力で戦い抜いてきた日々そのもの。
そういう生き方をしていれば、きっと、つらかったことや悲しかったことすらも、すべてのものが美しく、輝いてみえる。
多くの(特に若い)プレイヤーにこの物語が届かない(共感してもらえない)のは、そういう体験をしたことがない or 感覚的に分からないから、じゃないかと思うんですよ。例えば、どんな人でも自分の家族や愛しい人が死に至る病に冒されれば、おそらくはすべてを投げ打っても全力で頑張ることでしょう。けれども、そうした経験のない(ある意味では幸せな)人の場合、「どんなに努力しても届かないものがある、かなわないものがある」という挫折を味わったことがあんまりないんじゃないかと思うんですよ。現代っ子って、全力で頑張っていない(だから失敗しても挫折感すら味わうことがない)か、頑張っていたとしても失敗したときに逃避行動に走る(気分を紛らわせてそのことを忘れようとする)ことが多いんじゃないかと思うんですよね。希望格差社会の言葉を借りていうのなら、挫折を先送りすることで今の自分を繋ぎとめている人が多いんじゃないか、と。けれども、それでは人生の宝物(=かけがえのない思い出や記憶)は作れないよ、というのが本作の主張だと思うんですよ。
つまり「人生の宝物を探しに行こう」というのは、要するに『どんな苦難があっても、全力で頑張って生きていこう』、っていう、プレイヤーに対する応援のメッセージだと思うんですよね。(特にエピローグの智代のモノローグは、麻枝氏からのプレイヤーへのメッセージとしてのダブルミーニングとも取れますよね。)
生きていればいろんなことがある。嬉しいこと、楽しいこと、喜ばしいことばかりではない。ゲームのようにハッピーエンドになるばかりではない。けれども、たとえその結末が受験の失敗でも永遠の愛でも記憶喪失でも死であろうとも、本人が全力で頑張ったその結果であるのなら、それはかけがえのない人生の宝物になる。(よって、大きな視点に立って言えば、智代にとっては朋也のことだけが人生の宝物というわけではない。とものことも、鷹文のことも全部が智代にとっての宝物。極端に言えば、失われた 8 ヶ月すらも彼女にとってかえがえのない宝物。)
だから、敢えてこの作品のテーマを言うのであれば、それは "It's a Wonderful Life"。つまり、「生きていくこと(Life)そのものの尊さと素晴らしさ」だと思うんですよ。(このサブタイトルも非常にシャレてていいですね。)
全体のストーリーライン自体は極めて予定調和的で、話の展開も旧作の穴を埋めるところからスタートしているので、プレイしていてどういう展開になるのかは見え見え。というのも、前半戦のテーマは変わらない愛と変わっていく人間で、CLANNAD 全体のテーマとして現実の理不尽による挫折がある。となれば、究極的には死ぬか記憶喪失。前半戦で記憶喪失というキーワードが出てきたこと、ヒロインが死んでしまうのは渚アフターでやってしまっているので、そうなると記憶喪失しかない。加えて、途中でモノローグが智代による後日談であることにも気付いてしまったので、最終的に主人公が亡くなってしまうであろうことも推測がついてしまうという始末。……にもかかわらず、後半戦でテーマを一段上に昇華させて、ここまで人を感動させることができるのはさすがとしか言いようがない。こういうところについては、さすが麻枝氏、と唸らされるところ。
ただ、かといって手放しで褒めにくい作品でもあるんですよね。というのも、作品全体がテーマ優先で作られていて、「それはさすがに無理ありすぎ」と思われる設定やシーンがいくつもある。例えばアフター部の奇病難病は一人称視点のトリックを使うためにああならざるを得なかったんでしょうが、それにしても無理がありすぎる。あるいは有子さんが身を寄せた村にしても、たかが数日間で村の様子がまるで変わるのも、さすがにファンタジーの度が過ぎるといわざるを得ない。テーマ的必然はあっても、物語としての説得力には欠ける点が結構あるんですよね。そういう意味で、★× 5 じゃなくて × 4 ぐらいかな、という感じです。
それにしても、CLANNAD 本編側智代ルートで描かれなかった「現実という名の理不尽との闘いとその克服」という、元来のテーマをきっちり消化した上で、そこから『人生の宝物』へとテーマを広げたのは素晴らしいの一言。もしかしたら、年齢的に若い人の中には現時点ではまだピンとこないテーマかもしれませんが、そういう方には、人生に挫折したと感じたときに是非リプレイしてほしい一作。多分、非常に前向きなメッセージが心に染み入ってくると思います。
「人生の宝物を、探しに行こう」
すでに発売されてから 1 ヶ月以上が経つわけですが、今日ようやっとプレイ。CLANNAD 本編の智代ルートもざっくりリプレイしてからプレイしましたが、いやはや、これ素晴らしい秀作じゃないですか。攻略見ながらさくっと 7 時間程度でクリアしちゃいましたが、十二分に満足できる内容でした。
ネタバレインプレをざくっとまとめたいんですが、さすがにすぐにはまとめられないし、疲れたので明日に延期;。ただ、このゲームは相当に人を選びそうですね。現実世界でのそれまでの人生経験がモノを言う作品なので、分かる人には解釈の余地がないほど分かりやすい作品なんですが、分からない人にはさっぱり良さが分からない作品かも。いくつかの Web サイトを巡回したり、Official サイトのレビューコメントなども見てみましたが、かなり的外れなものも多いですね。地雷判定されるのも無理はないかも。
というわけで、すみませんが今日は軽く 1 パス。ちょっとだけお待ちを〜^^。
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