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というわけで今日は軽くこの CD のインプレを。
これ、しばらく前の東方オンリーイベントで売り出された東方シリーズのアレンジ BGM 集。アレンジを ZUN 氏自らが行っている一作なんですが、いやー、やっぱりうまいなぁ、と。
東方シリーズの BGM はそれ自体がゲームの一部であり、他のすべての要素と絡み合って完成している芸術品なんですが、こういう「完成された曲のアレンジ」って結構リスキーなんですよね。原曲がなまじ名曲だと壊すに壊せないし、かといって原曲ママというわけにもいかず、その落としどころをどこに取るのか。これが例えば FM 音源などの古い曲のアレンジだと、『音を厚くする』といった方法も取れるけど、昨今の BGM だとそういうわけにはいかないんですよね。けれどもほんのちょっと音色を変えるだとかアレンジを加えて、原曲のマイナーチェンジ(でも原曲とは違う)を仕上げてくるあたり、無難ながらもさすがだなぁと思わずにはいられなかったり。
ところで ZUN 氏といえば、ご自身の blog (博麗幻想書譜)で先日非常に興味深いエントリを挙げてますね。仔細は ZUN 氏のエントリを読んでみていただきたいんですが、要するに「学際領域にこそ神が宿る」という話。これ、決してゲームやアニメといった業界だけの話じゃなくて、おそらく研究だろうが一般企業の仕事だろうが、すべてに通じる話じゃないかと思うんですよ。
# えーと、学際領域というのは、複数の学問や分野にまたがった研究領域のこと。
# 例えばコンピュータと心理学の組み合わせとか、全く異なる分野の知識を融合することで新しい広がりが得られるというモノ。
や、いわゆる『専門バカ』という言葉がありますが、ある一つの仕事ばっかりこなしていると、どうしてもやり方が固定化されてしまうために頭が固くなってくるんですよね。で、ある程度までそれが進行するとこの人は使い物にならない、ってことでクビを切られてしまったりする;;。
私自身は趣味ということもあって、仕事とは無関係なジャンルの本(心理学とか)を読んだりすることがありますが、たまにそういう物事の中に、自分の仕事の中に生かせるような考え方や見方が含まれていたりすることがある。この blog も 8 割は趣味でやってますが、モノを書く速度や物事の整理能力といった汎用的なスキルはこういう blog 書きなんかでも十二分に培われるわけで、仕事と直結するモノだけが仕事に役立つわけじゃないということは常日頃から感じます。や、実際私も仕事サボるときは適当にサボってゲームとかしてますしねぇ^^。(← 月あたりの実平均残業時間は 30 時間以下; もうちょっと仕事しる!とか怒られそうだな……;)
まあ実際問題として、ZUN 氏の言うレベル感と私自身のレベル感とでは天と地ほどの差がありますが(というか ZUN 氏は神ですから;)、でもまあ、仕事とは別のジャンルの趣味をうまく仕事にフィードバックできたら、それは決して悪い話じゃないだろうと思う今日この頃。だって楽しいし〜。
……や、自己弁護じゃないですよ??(言い訳)
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初めてコメントさせていただきます。
「学際領域にこそ神が宿る」まさに格言ですね。
実際、昔の大発明家にしても、今を生きる発明家もしくはそれに準じる職人さんのような方も、自分の分野の視点で、他の分野を見、着想を得たという話をよく聞きます。
昔見た何処かの論文では「控えめな客観性」とも表現されてました。
投稿者 TOKIO : 2006年6月19日 08:09
はじめまして。コメントありがとうございます。> TOKIO さん
「控えめな客観性」とは上手い言い回しですね。
ただ、一流の研究者は常にそういうことを考えているものなのだろうと思います。
私が以前お世話になった教授も、同じようなことを言っていましたし、実際、研究分野も学際領域でした。
(特に基礎研究系だともうかなりの部分が掘りつくされているからというのもあるかもしれませんが)
この話は業界・業種を問わない普遍的な原理なんでしょうね^^。
投稿者 まちばりあかね☆ : 2006年6月21日 01:51