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書評:一分間マネージャ「何を示し、どう褒め、どう叱るか!」

 というわけで今日はこちらの書評を一つ。



 一分間マネージャ(The One Minute Manager)という本。マネージャ向け啓蒙本の古典的タイトルで、自分の部署の本部長から読んでみたら? と勧められたので読んでみたり。100 数十ページの薄い本であるにもかかわらず、1983 年に第一刷が発売されてから増刷を重ねまくっているらしく、自分が読んだのは第 86 刷。これは期待できるかな? ということで一通り読んでみたわけですが……うーん、激しく微妙、という印象。1983 年当時としては画期的な本だったのでしょうが、現在の本としてはちょっと使えないな、という印象があったり。

 どんな内容が書かれているのかものすごーく簡単に書くと、マネージャが部下の力を引き出すためには、心地よく仕事してもらうことが重要で、そのためには以下の 3 つをそれぞれ 1 分間で(=なるべく短サイクルかつ短時間で)うまくやることが重要だ、という話。

@ 目標設定(課題や目標を具体的に行動できる形で定義・共有する)
A 称賛(うまくいったこと・やったことを具体的に褒める)
B 叱責(うまくいかなかったことについて、行動だけを具体的に叱る)

 そしてどの項目についても「行動」(何をするのか・したのか)のみを評価し、「人間」そのものを評価しないこと。すなわち「やったこと」のみに対して責任を持たせて、それ以外のことについては評価しない(人物そのものは必ずコミットし、人間そのものを否定するようなマネは絶対にしない)こと、という説明がなされています。

 ふむふむ、なるほど、とある程度は読み進めたわけですが、でも最後まで一通り読んでみて思ったことは、「書いてあることは間違ってないし具体的に実践できるという意味で非常に価値があるけれども、なんとも物足りないし味気ない」。本質的なところがすっぽりと抜け落ちてる気がしたんですよね。それは何かというと、マネージャの仕事の本質の定義と、それを実践するためのメンタリティの部分。まあ後者の部分については、もともとこの本が徹底的に「行動のみを評価対象とする」という立場を貫いている(本人がどんな人柄だとかどんな物事の考え方をするのかには踏み込むなというスタンスを取っている)ので当然かなとは思うんですが、マネージャの仕事の定義のところについての説明がすっぽり抜け落ちてるんじゃないかな、と思うんですよね。

 でも最近、なんか妙にマネージャ系の研修にいろいろ引っ張り出されてたりしていろんなマネージャの仕事の定義を聞いたのですが、その中で一つだけ「目から鱗が落ちた」説明があったんですよね。それはこういうもの。

「マネージャとは、コントロールできないものから結果を引き出す責任を担う仕事である。」

 あ゛あ゛、これはまさに言い得て妙な定義だ、と思わずにはいられなかったり。どういうことかというと、今日におけるマネージャの仕事は、部下を「管理すること」じゃないんですよね。従来型の労働集約的な仕事(いわゆるブルーカラー的な仕事)の場合には、機械を「管理」するのと同様に、労働者(部下)を機械部品のごとく「管理」して「働かせる」ことが必要だったのかもしれない。けれども今日において(特にホワイトカラー的な色合いが強い仕事において)成果を出すためには、様々な性格・気質を持った人たちに、それぞれに合ったスタイルで実力を発揮してもらって成果を出してもらう必要がある。

 そのためには、部下の人たちを「制御しようとする」ことは禁忌なんですよね。なぜって、他人に支配されるのがイヤな人が大半だから。一般的に人間は他人に支配されることを望まないわけで、特に今の時代のように自分が物語の主人公だと思いこんでいる人たちが蔓延している状況だとなおさらでしょう。

 つまり私なりの言葉でマネージャという仕事を定義すると、こうなります。……と書きたいとこですが長くなったので明日に(ぉ。

投稿者 まちばりあかね☆ : 2007/6/8 00:27 | 4.雑学&雑感

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