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「お前ですら、その物語は見たことがないのか」
「物語? というのは……そういう意味かや。なかなかうまいことを言う。」
「幸せであり続ける、物語。」
というわけで随分遅くなっちゃいましたが、今回はこちらの書評を一つ。
賢狼ホロと行商人ロレンスの旅の物語、「狼と香辛料」の最新刊 V 巻。や、これまた手をつけるまでに時間がかかってしまったのですが、いったん手がつき始めたら一気に消化。いや〜、あいかわらず楽しかったです。
今回の一冊は、ホロとロレンスの恋愛物語にウェイトが置かれていたので、いわゆる商売ものとしては割とおとなしいストーリー展開だったのですが、なんといっても素晴らしいのがホロのキャラ造形。極めてよくある「仕事とわたしとどっちが大事??」なんていう情けない問いかけをホロは決してしない。それは誇り高き賢狼ホロならではの行動ですが、その一方で彼女はその先に待つ、幸福が色褪せ失われていく未来を想像してしまうが故に、幸せになることを恐れてしまう。
「じゃが、ぬしはとことんまでお人好しじゃ。
わっちがどんなことをしてもぬしは受け入れてくれるし、望めば望むだけ与えてくれる。
わっちゃあそれらを我慢することがとても難しい。難しいんじゃ……
じゃから、わっちゃあ……怖い。」
この誇り高さと弱さを備えたホロのキャラ造形は、なんというかいかにも男性が好きそうなベタベタにかわいいキャラ造形なわけですが(ぉぃ)、それに応えられるぐらいロレンスがまためちゃめちゃかっこいいキャラだというのがまた素晴らしいですね。えーっと、なんだろうこの完璧無敵バカップルは状態なのですが;、なんか展開的にはホロとロレンスが子供を作るというところを物語の帰着点とするのを徐々に固めていってるような印象も受けますね。
とはいえ今回は、今まで以上にサブキャラクターの魅力にあふれる一冊でした。驚くほど頭がよく回る、酒場の看板娘。そして求めてもなお求め続けてしまう、女商人エーブ。もともと狼と香辛料シリーズは見事なまでの知能戦とも言うべき会話を楽しむ作品だと思うのですが、それだけに留まらず、サブキャラたちにも魅力が溢れている。単にホロとロレンスのだだ甘な物語に留まっていないあたりはさすがですね。
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突然訪問します失礼しました。あなたのブログはとてもすばらしいです、本当に感心しました!
投稿者 グッチ 財布 メンズ : 2012年11月10日 10:22