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や、なんだかめっちゃ湿っててイヤ〜ンな一日ですねぇ。こんな日はクーラーをがんがんに効かせた部屋に引きこもって「今日もご本にかこまれて、しあわせ」モードですよ、ええ^^。というわけで今日はこの書評〜。
や、この作品、アニメが珠玉の出来なわけですが、原作もさすがに素晴らしい出来。とりあえず 5 巻まで読んでみたんですが、いやさすがにベストセラーになるだけのことはある作品だなぁと感心。……したんですけどね、ひと言言わせてくださいよダンナ。
このアホ女をなんとかしてください;;;。> 小松 奈々
っつーか読めば読むほど呆れてくるわけなんですけど状態。いやー、なんつーか徹底してますねぇ。
「あたしはもっと運命的な恋がしたいんだよ。大魔王のお導き的な出会いで。
あたしも早く幸せが欲しい! てゆーか彼氏が!」
アニメ版を最初に見たときにはちょっとピンと来なかったんですが、この子って端的に言えば、愛されたいけれども他人を愛することができない子なんですね。しかも当人にその自覚がないから、まさに坂道を転がり続けるようにどんどんどん底へと落ちていってしまう。ざっと 5 巻までの彼女の略歴をまとめると、こうなる。
・女子高生時代に、妻子持ちの浅野と不倫関係に。東京への転勤であっさり捨てられる。
・地元の美術学校に進学して、そこで知り合った章司と恋仲に。過去の傷を癒してもらう。
・章司は大学受験のために上京して浪人。彼女は地元に残って一年間の遠距離恋愛モードに。
・卒業後に彼女も章司を追って上京。ナナと同居を始め、アルバイトして食いつなぐ。
・けれども彼女は自分の都合のままに章司を振り回し、挙句の果てには彼を放置プレイ。
・章司は傍で自分に思いを寄せてくれた幸子に本気で恋してしまい、奈々はフられてしまう。
・もう二度と恋で傷つきたくないからと、奈々は同居人のナナとの女の友情に逃避しようとする。
・ところがそのナナは、かつてのバンドの恋人レンとの再会を果たし、ヨリを戻す。
・それを見て奈々は再び恋愛病に。ヤスがダメだと分かればノブに手を出し、手当たり次第にアタック。
・けれどもそんな発情モードの恋は実らず、完全にダメな子モードの奈々はついにバイトすらクビに;。
・そんな傷心の隙間にあっさりとトラネスのタクミが付け入り、お持ち帰りされて食われてしまう。
……正真正銘のアホな子ですかこの子は;。いや救いようがないんですけど状態;;。
彼女の恋愛は決して長続きしない。章司のようにせっかく自分を愛してくれる人に出会えても、彼女はその愛をホンモノに育てることができないんですよね。理由は簡単で、彼女は他人を愛することができないから。
「あたしにとっては章司だって奈々と同じぐらい大切な友達だから、
奈々の肩ばっか持ってあげられない。
あたし、あんたのそーやってすぐに被害者ぶるところどーかと思うし。
確かに今回の事は、けじめもつけずに他の女になびいた章司が悪いよ。
でもそれ以前に、あんたにも落ち度があったと思うよ。」
「そんなの……わかってる……でも……
あたしだって一生懸命やったんだよ、淳ちゃん……
ちゃんと仕事も見つけて……一人前になれるように……」
「だからそれはあんた自身の問題でしょ?
あんたはそーやっていつも自分の事ばっかで、章司に対して思いやりがなさすぎだよ。
恋愛だって……人間同士の関わり合いなんだから、
相手を思いやれなきゃ、上手く行きっこないよ。」
章司を失ったとき、奈々は淳ちゃんに、彼女の本質的な問題を端的に指摘されている。けれども彼女は全く学習しない。それはなぜか? 要するにこの子はどこまで言っても自分が一番かわいいんですよね。結局、相手のために何かをすることもできないし、トラブルが起きたときでも相手を貶めることでしか自分のプライド(見栄)を維持できない。だから章司にフラれたときには彼が自分を裏切ったんだ、と言ってしまう。『大魔王』というキーワードがよく出てくるのも、要するに悪いのは全部誰かのせいで、決して自分のせいじゃないから。自分を不幸のヒロインに仕立て上げる一方で、自分の落ち度を率直に反省したり謝ったり振り返ったりすることができないんですよ。けれども、自分に対する無償の愛だけはとにかく欲しい。そんな都合のいい愛なんか、あるわけがないのに。
ナナには言えない。知られたくない。
こんな尻軽女みたいなマネしたなんて知られたら、きっと軽蔑される。
でもね、ナナ。
あたしだって本当は、ナナみたいに真っ直ぐに誰かを愛したいんだよ。
ナナとレンみたいに、強い絆で誰かと結ばれたいんだよ。
ねえナナ、本当はあたし全然大丈夫じゃないよ。
タクミに一夜限りで捨てられるなんて本当はイヤだよ。
おいおいなに寝言言ってやがりますか状態;;。挙句の果てにはタクミが部屋に残した携帯電話の番号と電子メールアドレスに奈々はすがる……って、あんた本気でアホですか状態;。彼女がすがっているのは、別にタクミじゃなくて、タクミが自分に向けてくれる下心満載の愛情(とすら呼べないようなシロモノ)なんですよ。そんなシロモノであってもそれにすがらない限り、彼女は生きてはいられない。
上のセリフの中で、彼女は真っ直ぐに誰かを愛したいと言うけれど、これもさっきの話と全く同じなんですね。要するに、「自分が本気で愛せるような素晴らしい相手に巡り会えないからナナみたいになれないんだ」と言ってる。けれども人間なんて凹凸があって当たり前。彼女は 100 % 自分が愛せるような素晴らしい相手じゃなきゃダメだというけれど、そんな『白馬の王子様』なんて人間界にはいない。奈々が他人を「ありのまま」に真っ直ぐに見られるようにならない限り、つまり相手をありのままに受け容れることが出来るようにならない限り、彼女は誰かを愛することができるようにはならない。
けれども、自分に対する無償の愛だけはとにかく欲しい。だから、満たされないことが分かっていながらも流される。……って、おいおい;。
いやもうここまで徹底して描かれるとさすがに言葉を失ってしまったり。でもまぁ、この作品って確かに時代をうまく捉えているような気はしますね。というのも、いわゆる昨今のモテブームの本質はこれなんですよ。相手から愛されたい、選ばれたいという欲求。それ自体は間違っちゃいないと思いますが、けれどもそれに付随するアクションが自分に向かっている限り、パワーゲームに勝ってもそれだけでは本当に愛して愛されることにはならないし、心が満たされることがない。だって章司が奈々を選んだ本当の理由は、そんなところにはなかったんだから。
この奈々の姿と比べると、ナナの方はめちゃめちゃ対照的なんですよね。見た目はヤンキー、けれどもその中身は非常にピュアなラブストーリー。違う道を歩むと決めたはずなのに、ナナとレンは、2 年間も音信不通で離れていた相手をお互い変わらず想い続けていた。
「レン! 放せ! あたしはあんたとやり直す気はねぇんだ!」
「会いたかった……」
「来るんじゃなかった……」
この二人は、相手のありのままの姿を愛することができる。けれども、だからこそ、この二人には距離が必要なんですよね。なぜならあまりにも似すぎているが故に、一緒にいると二人ともダメになってしまうから。ナナとレンが、トラネスとブラストという二つのバンドに分かれたのも上手いとしか言いようがなくて、二人のわだかまりが解けた上である程度距離を置いて切磋琢磨しあうのが、二人にとってもっとも良い関係なんですよね。今は走らなければならない二人にとって、それは最も美しい愛のカタチなんですよ。
「今はやっぱあたしは意地があるから、もう昔みたいにあんたとは暮らせないけど。
でもたまにこんな風に会って、抱き合ったりお互いのこと話したり、出来ればいいなとは思う。
それでいつかもっと年取って、意地とか見栄とか全部なくなって、
歌うのにも疲れたら……あたしもあの家に戻っていい?」
いやもうどうして奈々とナナでここまで違いますか状態;。や、もちろんナナもナナで十二分に壊れてる輩ですが、それにしてもここまでについては見事なまでに対照的な描写が印象的。でも逆にだからこそ、ここからどうやって奈々が他人を愛することを知っていくのかというプロセスにはものすごく興味が湧くところですね。どれだけ捨てられても振られても学習できない重度の恋愛中毒の奈々が、果たして何をきっかけにして他人を愛することを知っていくのか。
なんてバカで、お手軽な女と思われてる事だろう。
だけどあたしは本来そーゆー女なんだ。
色々あって昔よりは慎重になったつもりでいたけど、17 の夏から何も変わっていない。
今、この瞬間に酔いしれていられたら、
明日のことなんてどうでもよくなる。
それは 20 歳の夏の始まり。
空っぽのあたしは、性懲りもなく恋をすることでしか、自分を満たせずにいた。
うわっ、挙句の果てに開き直ってるし;;。まだ 6 巻目以降は読んでないですが、このコミックスって今ですら 15 巻も出ていて連載中なんでしたっけ。うーん、さんざん失敗して痛い目を見てもそうそう簡単には学習しそうにないどころか今でも学習していないのでは;;。ま、頑張って続きを読みますか……。
# っていうかしまったまたしてもとんでもない長文エントリに;。
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投稿者 bad credit loans : 2013年4月7日 10:28