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「……おまえには大きな力がある。その右手に宿っている紋章のことなんかじゃない。
多くの人間の想いをその身に受けている。だから、おまえは務めをはたさなくちゃいけないんだ。
この戦いで死んでいった、多くの人々のためにも……」(幻想水滸伝II より)
これ、先日コンプした幻想水滸伝 II の中の一節なんですが、なんというか思わずちょっと考え込んでしまったセリフだったり。あのゲームでは、ホントに田舎の村の平凡な少年が、いつの間にか紋章という名の十字架を背負わされ、ついには一国一城のリーダーにまで押し上げられてしまう。それは本人の持つ資質ゆえに背負わされてしまった社会的責務なんですが、ちょっと「うーん」と考えさせられてしまったんですよねぇ。
先日も書きましたが、最近、新人君のメンター(トレーナー)役を割り当てられてその新人君と会ってきたんですが、その人がとにかく桁外れに優秀。や、さすがに大学卒業したてということもあって、業界知識も社会人経験もぜんぜんなんですが、資質という観点でいうと、自分なんか全く足元にも及ばないぐらいめちゃめちゃ優秀。で、やっぱりというか予想通り、新人研修でも俄然リーダーシップを発揮してしまっていて、グループ活動ではなんとなくリーダーになってしまうし、結果的に本人もそうせずにはいられない様子なんですよね。(← 実際問題としてこういう人は必ずいる;)
けれども横並び意識を強く持つ日本人の場合、リーダーとして『目立つ』ことに対して強い抵抗感がある場合がある。特に新人なんかの場合には周りはみんな初対面に近いし、とにかくヘマをしないようにと思うあまり、「自分だけリーダーみたいにやって、周囲との関係を壊すんじゃないか?」といった恐れがあったりする。で、やっぱりこの人の場合もそういう悩みを抱えていた様子で、「意図的にリーダシップを取らないようにして、他の人にリーダシップを取ってもらった方がよいんじゃないかと悩むことがある」というんですよね。で、私が思わず言ってしまったこと。
「いや、そんなことするのはやめた方がいいよ。
だってあなたがそれを望んでも、きっと周りが許してくれないから。
だったらその役回りを、どうやって自分の心と折り合いをつけながらやっていくのかを考えた方がいいよ。」
これ、おそらく間違ってはいないと思うんですが、ホントにこれで良かったのかなぁ……と少し悩みもする。実際問題として、こういう人って結局のところは『出る杭』で、自ずとどうしても目立たずにはいられない。当人が望むと望まざるとにかかわらず、リーダシップを『取らされる』。カレイドスターでは、メイが無理矢理そらをステージに引きずり上げるシーンが印象的でしたけど、そらみたいな『出る杭』は否応なく舞台に引きずり上げられてしまう。
某氏いわく、「能力を持った者は、それ相応に背負うべき社会的責任がある」。学園アリスでも掲げられたテーマでしたけど、結局、規格外の人は規格外の生き方しか出来ないんじゃないか……とかいうとひどい言い草ですが、実際問題としてそうなんじゃないか? という気もするんですよね。それが、当人にとって幸せなのかどうかはともかくとして。
結局のところ、何もかも投げ出して、ごく普通に生きられたらなぁ、なんてのは身勝手なワガママ以外の何物でもないのかもしれず。だったらそれとどう折り合いを付けるのかを考えるしかない……というわけで前述みたいなことを言ってしまったのですが、けれどもそれって冷徹なセリフだよなぁ……とも思ったり。だって、結局それってイバラの道を歩んでね、と言ってるようなものでもあるんですよね。
じゃあどう言えば良かったのか? となると、正直言って別のアイディアがあるわけでもないのですが;、こういう問題はなまじ正解がないだけに、やっぱり難しいですねぇ....いやホントに。
# ……といいつつその一方で、こういう人は「迷っている」ものの自分で答えを出せる人だから、
# どういうアドバイスを出してもきちんと相手の気持ちまで汲んで租借してくれる、というのが
# 実態だろうとも思うんですが^^、でも難しい問題です。
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