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書評:僕等がいた

 今日はけろっちゃ氏と共に、以前バイトしていた塾でぼちぼち打ち合わせとかしてたわけですが、その後の飲みで微妙に深酒。う゜〜、ちょい飲みすぎたかも;。というわけで今日はこれの書評を一つ。



 大地監督のアニメ版がかなり冴えていた一作だったので、とりあえず原作を買ってみたり。ちょうど 3 巻が売れ切れだったのでとりあえず 2 冊だけ買って読んでみたんですが、いやー、確かにこれもいい作品。系統としてはトラウマ癒し系の少女恋愛モノですね。

「そういう好きじゃなくて……ホントにホントに好きかって聞いてるの。」
「……ごめん。分かんない……」
「なんだそれ―――
 じゃあいい。そういうのは……要らない……
 付き合うんなら……好きになってから……付き合って……」


 期待いっぱいで高校に入学したヒロインの高橋七美が出会ったのは、女子に大人気の矢野元晴。ちょっとノリが軽めの見た目とは裏腹に、彼は癒されえない傷を負っている。それは、昔の恋人との死別。彼は恋人を交通事故で失ってしまい、心を閉ざして生きている。その癒されない傷に、七美は気づいてしまう。見た目とは裏腹の、彼の優しさと繊細さ、そして誠実さに彼女はどんどん惹かれていく。けれど、彼女には決して彼を癒すことができないというやるせなさ。

「あんたはどうせ……奈々さんしか見えてないんだ……」

 矢野のかつての恋人は、矢野と付き合いながらも彼に隠しつつ昔の男と逢っていた。かつての恋人が交通事故にあったのも、昔の男と逢っていたとき。彼を裏切った彼女が悪かったのか、それとも彼女に寂しさを感じさせてしまった彼が悪かったのか。もはや答えは分からないけれども、その過去はトラウマとなり、確実に今の彼を苦しめる。

「決めた。クリスマスプレゼント。
 『約束』、ちょうだい。
 『絶対、オレから離れない』って約束。
 ……絶対。絶対、絶対、オレのこと、『裏切らない』って。」


 結局のところ、矢野は過去のトラウマから人間不信になっている、つまり他人を信じることができなくなっている。そうした矢野の癒されえない傷と閉ざされた心を、愚直な彼女の心が開き、そして癒していく。ある意味ではオーソドックスな少女恋愛モノなんですが、それを繊細なイラストに溢れる豊かな感性で綴っているあたりはとにかく素晴らしい。

 まるで、パズルがひとつひとつはまっていくように。
 あたたかいのに、震えていた手。
 ―――いとしい。
 初めてその言葉の意味を知った、15 歳の冬。


 ……っていうか 2 巻にして神セリフ連発なんですけど^^。や、これからさらに 8 冊ぐらい続くというのは逆に言えばここからのドラマをきっちり描いてくれてるってことでしょうけど、確かにこれはいい作品ですねぇ。アニメ版の出来も非常に良かったですが、原作の肝をきっちりと掴んで作品作りをしてる印象があります。残りのコミックスも暇を見つけて買ってきますかね……ってまた積んでどうするんですか自分;;。

# そそ、アンケート、ご協力いただいた方々、thx です。
# 二重投稿は避けてくださいね^^。や、一週間後ぐらいにちゃんとデータ公開しますので。

投稿者 まちばりあかね☆ : 2006/7/18 00:36 | 3.アニメ&コミックス

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