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書評:こどものじかん

 というわけで今日はこの書評を。



 第 1 巻のときから某氏の強力なプッシュによりチェキしていたロリコンぷちエロコミックス(ぉ)。連載は新井葉月さんも参加しているコミックハイ!ですが、私はコミックスでチェキ。で、表紙の帯だけ見るとあまりにも直球勝負で頭を抱えたくなるわけなんですが……実はこの作品、

 とんでもない良作

なんですよ。っつーか 2 巻では思わず「うっ」と来るシーンも;。涙腺刺激されまくりなんですけどこれ;;。

 作中で描かれているのは、いわゆる「マセガキ」な子供たちと、その天邪鬼な行動に翻弄される新米教師。一見するとただのワルガキたちにしか見えない子供たちだけれども、その内実では愛情への強い渇望がある。愛されたい、けれども素直になれない子供たちをどうやってケアしてあげるのか。その答えのない課題に、暗中模索しながらもちょっとずつ手探りで取り組んでいく新米教師、そんな物語になっている。

 2 巻を読んではっきりしたんですが、この物語って、本質的には新米教師である主人公 青木大介の成長物語なんですよね。彼のキャラ造詣は非常に青臭いけれど、どこまでも誠実さを持っている、非常に好印象なキャラ。先生という『目上の』立場であっても決してそれを振りかざさないし、生徒を見下すこともないし、謝るところはちゃんと謝るし、目線を合わせて話すことができる。そういう誠実さが彼の良さなんですが、それは同時に弱点でもある。というのも、普通、彼のように『誠実すぎる』(ある意味ではバカ正直な)キャラは、昨今のワルガキたちを扱いきれずに「潰されてしまう」。けれども彼は九重りんがいることによって救われている、つまり、彼は九重りんに育てられていると思うんですよ。

 九重りんというキャラは、確かにやることなすことマセガキだけれども、ホントの優しさを知っている子なんですよ。だから、りんは前任の担当教師をこっぴどくやりこめて退任に追い込むほどだったのに、青木先生の誠実な態度に対してはそれを裏切ったり誤魔化したりしないどころか、彼に恋してしまう。いろんなものを見てきている分、彼女は本当の優しさとそうでないものを直感的に嗅ぎ分けてしまうんですよね。だから、りんは青木がいることによって救われているし、そして青木もまたりんがいることによって救われている。そういう、「教師が生徒を育てると同時に、教師もまた生徒に育てられている」という両輪をうまく描いている作品になってると思うんですよね。

「バッカみたい。なにウチまで来てんの!?」
「先生が生徒のこと心配して悪いか!」
「私が心配? なんでよ?」
「……九重が心配だからだ。」
「……ほんとに……?」
「……ああ」
「……裏切ったら……許さないんだから!」


 一点だけ難を挙げるとすれば、「九重りん」というキャラが良くも悪くも完成されたキャラになっているところ。この子は本当の優しさを知る女の子ですが、小学三年生にしてここまで優しい子がいたら凄すぎる、と思うんですよね;。こんな優しい子なんて大人だってほとんどいないでしょ、と。表面的な行動のマセガキ具合はともかくも、内面にある『優しさ』に関してはちょっと漫画的というか、出来すぎてるような気がしなくもありません。

 とはいえ、私もかつて塾の講師をやっていて、こうした「教師が生徒を育てると同時に、教師もまた生徒に育てられている」というのを実感したことがしばしばあったことを懐かしく思い出しましたが、いずれにせよ、教師と生徒それぞれの成長ドラマをさりげなく織り込んでいるところは非常に上手い。見た目が見た目だけに一歩引きたくなる人も多いでしょうが、2 巻はなかなかヘビーな物語で一読の価値あり。是非読んでみてください。

投稿者 まちばりあかね☆ : 2006/7/20 01:11 | 3.アニメ&コミックス

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コメント

はじめまして。突然のコメント。失礼しました。

投稿者 グッチ ベルト レディース : 2012年11月10日 09:19

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