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でじくま氏から出てるぞーとのツッコミを受けて早速購入してきてみたり。
や、いつもいつも数巻前に遡って読み返さないとすっかりストーリーについていけない作品なわけですが、今回は割と最近に出た本なので一冊前から読み返してみたり。
で、感想。
……いや凄い、これ;。読み終えた瞬間に全身から力ががくっと抜けるような感じとでも言うか。
推理モノとしてのトリックの緻密さもさることながら(というかついていけないほど複雑すぎるのに、破綻している印象を受けないという凄さ)、それにもまして、最後の一瞬まで緊張感の張り詰めた二人の激突。そして最後に残る表現しがたい感情。『圧巻』という言葉がこれほどまでに相応しい作品も他にないんじゃないか、と。
実の父を自らの道具として見殺しにし、最終巻の前半では高田をいとも簡単に切り捨てた強烈なまでの冷徹さが、作品のラストをより重たいものにする。真正面から捉えた『死』というもの、その重さと恐ろしさ。読んでいて気分が悪くなるようなリアリティがそこにあって、とにかく言葉を失ってしまう。
第 1 部(初代 L 編)は推理バトルとしての側面が強かったように思いますが、第 2 部は単なる推理モノに留まることなく、ラストできちんと『人の命』という幹の部分をかっちり押さえた作りにしてきたのは凄かったですね。この物語って、夜神 月の『生き様の死』をもって終わるしかない作品ではあるのですが、2 代目 L が言うように、その終わり方は『完膚なきまでに』月のプライド、すなわち彼の生き様を叩きのめすものでなければならない。ただ、彼の生き様で否定されるべきものは、彼がこの理不尽な世の中に対して感じる『憤り』ではない。彼の持つ正義感、自らが正しいと思うことを信じて正義とすることそのものは否定されるべきではない。否定される点はただ一点、『人を人が殺す』という行為。ラストで単に推理バトルに敗れて月が捕まる(あるいはリュークに殺される)というだけでは解決され得ないこのポイントをきっちり押さえ、そしてなぜそれが否定されるべきなのかを、自らが身を持って知る『死の恐怖感』によって描き切るという構成。構成自体はミエミエですが、画力の凄さがその見え透いた構成に有無を言わせぬ説得力を持たせてるんですよね。さすがです。
いやー、それにしてもホントに凄い物語。原作者の大場つぐみが誰なのかに関しては超トップシークレットと言われ、様々な説があるようですが、どっちにしてもこれだけの物語を作り上げたその手腕は素晴らしいとしか言いようがない。そしてまたそのストーリーラインを見事な画力で描いた小畑氏やそのスタッフの手腕も、文句なしに超一級と言っていいと思います。ホントに素晴らしい作品、おつかれさまでした。> スタッフのみなさん
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ストーリー的には最終巻となる12巻が発売された。正直、第二部になってからはややカリスマ性が薄れたかという趣もあったが、最後はさすがに盛り上がった。軽く感想を書いてみたい。 トラックバックしたまちばり...
Gamer's Network : 2006年7月8日 01:00
先日劇場版を見て「すぐに種明かしされてしまって、イマイチ引き込まれない」という印象を抱いてしまったんですが、原作の方はもうちょっともったいつけてるのでしょうか?
『サイコ』や『ハンニバル・レクターシリーズ』が基準なのでミステリ/サスペンス系ではなかなか楽しめる作品が無い私ですが
投稿者 LaughCat : 2006年7月7日 21:02