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蟹工船

 というわけで今日はこちらのインプレを一つ。



 えーっと、蟹工船という小説。1929 年に出版されたプロレタリア文学の代表作……ってなんのことだかさっっぱりわかりませんが;(ぉぃ)、先日テレビを見ていたときになぜか現代の若者に大ブーム、という話が出て興味を持った次第。今年、例年 5 倍の売り上げで実に 2 万 7 千部の増刷を行ったらしく、いったいなんでそんなに人気を博しているのかなと思って読んでみたり。さすがに昔の作品なのでちょっと読みづらいところはありますが、なるほどこれは現代に通じるワーキングプアの物語なのか、と。

 どんな物語かというと、平たく言えば、カムチャッカの沖で蟹を獲って缶詰にする蟹工船で酷使される貧しい労働者たちの凄惨な様子を描いたお話。出稼ぎ労働者たちを格安賃金で酷使し、さらには暴力や虐待の限りを尽くし、次々と労働者たちが倒れていく。最後には皆一群となってストを起こすものの、結果的にはリーダ格の指導者が検挙されて終わってしまう。もはやなにをやってもダメというデフレスパイラルの様相を呈する船内の労働者たちの様は、まさに就職氷河期時代の不安定労働者やワーキングプアに通じるものがある。

 ただ、それよりもちょっと「うーん」となってしまったのは、なぜこの物語が今の時代の若者にウケているのか、という点。例えば朝日などは「貧困に負けぬ強さが魅力?」と評していますが(こちら)、他の書評も似たり寄ったり。この物語、最後に結局ストが鎮圧されるものの、彼らは最後にまた決起を目指して何度でも立ち上がろうという姿を見せて終わる。そうした彼らの姿に感情移入して……の発言なのでしょうが、いやそれは激しく違うだろう、と思ってしまったり。この本は、主観的に読むのではなくて、客観的な立場から読まなきゃいけないと思うんですよ。つまり、何がその貧困を作り出している原因で、それはどうすれば解決できるのか? 状況を客観的に分析し、それを解決する努力をしなければ問題は解決しないわけで、この労働者たちに感情移入してしまってはダメだろう、と思うんですよね。

 が、その一方で考え込んでしまうのは、じゃあこの凄惨たる状況を解決する手立てがあるのか、という点。要するに、問題の根が深すぎて、それこそ手持ちのカード全とっかえでもしないと問題は解決しない。じゃあどうすりゃいいのよ? と言われると、解決の手立てがないという意味において、今の日本の状況ってこれに非常に通じるところがある。そういう状況に立たされたときの「やるせなさ」のようなものがあるからこそ、この物語が今改めてブームになっているんじゃないか、と思ったり。

 物語自体は特にどうということのないものではありましたが、これが今の時代に改めてブームになっているというのはちょっと興味深かったです^^。

# と、それはともかくいろいろタスク山積みで blog が追いついてない;。
# 書くネタはあるんだけど書く時間がない、というのはどーにかならないものかと;;。
# この週末にリカバリできるかな〜;。うむむ。ちとどうにもならなくなったらしばらく blog 止めるかも;。

投稿者 まちばりあかね☆ : 2008/7/11 03:46 | 4.雑学&雑感

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コメント

暗いニュースとか暗い話は苦手ですぅ。
どうも、仮に自分がこうなってしまったら、という方向に考えてしまい、
更に、結構長い期間引きずる方なので・・・。
あかねちゃんさんの様に、どうすれば良いのか、とか考えられれば良いのですが。

blogは・・・現在の状況(仕事・blog・ECO・日常生活)をこなしていること自体が
既に凄いと思いますよぉ。この上、どうにもならなくなるまでは一応余力があるとは・・・。

まさか、ECOの様に実は2人いるとか?!

投稿者 ラスティ : 2008年7月13日 17:34

> blogは・・・現在の状況(仕事・blog・ECO・日常生活)をこなしていること自体が
> 既に凄いと思いますよぉ。この上、どうにもならなくなるまでは一応余力があるとは・・・。

というか、blog のエントリが書ききれなくなっている、というあたりが正直終ってます。
私は実は blog のエントリの状況で、支出や生活のバランスを見ている側面があって、

・blog 単価:エントリ1つあたりにかかっている支出コスト
・blog エントリ化率:日常のネタをどれぐらい blog 化できているか、また blog エントリの
 カテゴリ比率はどうなっているか

といったあたりをおおまかにモニタリングしていたりします。(これ以外にも、積まれている
本の量とかいろいろありますが;)
で、最近は blog 化できていない or しようと思っていたらまとめる時間がなくて旬を逃した
エントリとかが結構あって(最近だと雷句誠さんの小学館提訴問題とか)、この状況はたぶん
いろいろと手を出しすぎ(=オーバフロー)な状況なんだろう、と思っていたりします。

> まさか、ECOの様に実は2人いるとか?!

……たまに仕事で言われます;。書籍を結構な速度で書いていたので、「ゴーストライターが
いるんじゃないか」とか「実は複数人いるんじゃないか」とか。んなわけないじゃんっ;orz。

投稿者 まちばりあかね☆ : 2008年7月28日 02:12

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