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魔法少女リリカルなのは StrikerS #7 〜 #9

「や〜だよ、あたしとティアはコンビなんだから。一緒にがんばるの!」

 というかスバルかわいいよスバル。個人的にはティアナより断然にスバル派。
 でも本命は当然のようにキャロですが。(← 聞いてない;)

 というわけでなのは SS #8, #9 を鑑賞したので軽くインプレを。……というかですね、先日のエントリに対してこんな Web コメントがあったので;。

> まちばりさんの管理者論などを読んでいると『なのはStrikerS』#8,9を見て
> どのように感じられたのか非常に興味があります(笑
> 今のところ学生やフリーターはティアナ擁護(部下を管理できていない、
> フォローできてない隊長が悪い)、社会人はなのは擁護(上の命令に逆らって
> 独断行動をとった部下が悪い)と真っ二つの意見が。どちらかが一方的に
> 正しくてどちらかが一方的に悪い、というものではないと思いましたが
> まちばりさんがどう見られたか凄く興味あります。

 なるほど Web 上ではそんな話になってるのですか;。確かこの話はでじくま氏も過去にエントリしてたよな、と思ったわけですが、んー、なるほどそう見ますか。

 ええっと、どんな話かざっくりまとめると、上司であるなのはのヌルく見える教導訓練に対して、凡人卑下の著しい部下であるティアナがフラストレーションを感じてこっそり隠れて親友のスバルと一緒に夜中に必殺技を猛特訓。そして模擬戦で無茶をして、なのはにこっぴどく叩きのめされるという展開。けれども実はなのははかつて自分が無茶を繰り返して身体を壊して死にかけた経験があって、同じことを絶対にさせたくないという思いから、最も安全で効率のよい訓練を模索してやっていた、というウラが明かされてティアナが猛烈に反省し、みんなが仲直りしていく、というストーリー。それぞれにそれぞれの思いがあって、誰かがはっきりと間違っているわけではない。そのねじれとすれ違いから話を展開させていくその手腕にはさすがと唸らされました。ベタベタな展開ではありますが、よくまとまってるなという印象で、シャーリーの言うとおり、「ホントにみんな不器用で」という言葉がピタリと当てはまるストーリーですね。や、ラストでティアナが泣き崩れるシーンはやっぱりちょっと涙腺が刺激されます^^。

# というかこの凡人認定しているティアナの姿って、心情が分かるだけに辛いものがありますね。
# や、私はティアナのようにはなれず適度に妥協しちゃいましたが;、絶対に勝てないものがあるという現実ほど痛いものはないわけで;。

 っと、まあそれはさておき、これを見てどう思ったか、ですね。
 ええっと、端的に一言。

 なのは、若い、若いよ^^
 いや〜、19 歳でもまだまだ若い、という感じ。(おいこら^^)

 実はなのは SS を見ていて、なのはが完璧超人のように描かれていることがずーっと気になっていたのですが、このストーリーでようやく歳相応の行動を見せた感があって非常に好感が持てました。要するにこの一連の話って、上官としてのなのはの初めての失敗談なのですが、逆にそれがなのはの人間としての魅力を引き出す形になっていて非常によかったです。って、どこが失敗なのか? という話になるんですが、これ、もしなのはがもうちょっと上の歳のリーダだったら、この行動はちょっとリーダとしては失格なんですよね。細かく言うと、なのはの行動には 2 つの問題点があるのですが、それらを集約して一言で言うとこうなります。

 人は育てるものではない。育つものである。

 もうちょっと突っ込んで説明すると、なのはは完璧超人であるが故に、何もかもを飲み込んで「なんとかしてしまう」力を持っている。そうすることでフェイトを救い、そしてはやてたちをも救ってきた。この「完璧超人」像はシリーズを通してのなのはのキャラクター像なのですが、それが今回の話ではかえって悪い方向に働いてしまう。それは、ティアナやスバルのひたむきな向上心を軽視してしまって、自分の考える「最も安全で効率のよい訓練」を優先させてしまったこと。なのはは、彼女たちにとって最もよい「育て方」を選択して彼女たちを「育てよう」とするのですが、なのは自身が言うように、なのはの訓練は一線級のポテンシャルの持ち主たちを教え導くもの。それは、何かを教え込むということではなくて、彼女たちが自主的に何かを感じ、理解し、学び取っていくことのサポートをすることなんですよね。

 これは特に優秀な部下や生徒であればあるほど言えることですが、ぶっちゃけ優秀な人たちには何も教えることなどない;。そういう人たちは、何かを教えずとも自分たちで学び、実力をつけていく術を持っているから。じゃあそういう人たちにとって最も致命的なことはなにかというと、やる気を削ぐこと、向上心を否定することなんですね。それは、上官や教師として絶対に決してやってはいけないこと。(これはスバルが猛烈にシグナムに反発していた点ですが、これ自体は正しい。) もちろん彼らの持つ前向きな意欲や向上心が行き過ぎて、無意味な無茶をするようでは意味がない。だからこそ歯止めは必要だけど、彼女たちのやる気を削いでしまうのでは宝石の原石を握りつぶすようなもの。つまりなのはの行動(育成方法)には、彼女たちの向上心に関する心理的なフォロー(配慮)が少し足りなかった。これがなのはの陥った一つ目の誤り。(もちろんこれはなのはの過去があったから、という形で理由づけされており、彼女がその行動を取るのもやむなし、と言えるのですが、純粋に上官の指導として見た場合には問題がある。)

 そしてもう一点、なのはの陥った誤りは、「最も安全で効率のよい訓練」をしようとしたこと。や、どういうことかというと、これは優秀な上司や先生が陥りがちなワナなのですが、「最も安全で効率のよい訓練」というのは概して身に付かないものなんですよ。

 これに関しては非常にいい例があるのでちょっと書いてみますが、例えば子供に包丁を扱えるようにしたいと思ったとき、子供を溺愛する親はつい包丁は危ないからと取り上げてしまったり、あるいは訓練を先送りにさせてしまったりする。しかしチベットだかなんだかでは(忘れた;)、意図的に最初に極めて切れ味のよいナイフを一回だけ持たせるんだとか。当然、子供は結構なケガをするわけですが、そのケガをすることで子供は二度と刃物で無茶をしなくなるそうです。(切れ味のよいナイフなので治りも早い。)

 これと同様の話は子供の自転車でもスケートでもなんでも言えることですが、要するに人が育っていくのを手助けするには、致命的ではないシチュエーションで、致命的ではない小さな失敗経験を積ませることが必要なんですね。意欲や向上心のある人間の場合には、成功体験よりも失敗体験からの方が学ぶことが多い。骨身に染みて分かるというのは概して失敗経験のときの話なわけで、失敗しないといつまでたっても育たない。シグナムは今回の一件に関してティアナに「そこは無茶をする場面だったか?」と問い詰めるわけですが、でも全体を振り返ってみれば、こういう一件を通して失敗を犯したからこそ、ティアナはもっと強くなるのです。

 無茶をしてもよいときに適度に無茶してもらう、失敗をしてもよいときに適度に失敗してもらう。
 それは一見遠回りに見えるけれども、取り返しのつかないシチュエーションで致命的な失敗をしないようにするための訓練なんですね。

 部下の人たちの向上心を育みながら、小さな成功体験と小さな失敗体験をいかに積んでもらうのか、またそういうシチュエーションやそういう体験ができるような仕事や訓練をいかにして割り当てるのか。それに腐心し工夫するのが上官や上司の役割ではないか、と思います。……や、えらそうなこと書いてますがもちろん私はさっっっぱりできませんが;。まぁそこはほら、なのは同様自分もまだ若いので許してください。(ぉ^^

# ちなみに見方によっては、要するにこのキャラたち(StrikerS)は、なのはでは抱えきれない
# キャラ
という描かれ方をしている、とも取れます。完璧超人だったなのはたちを越えていく
# ポテンシャルを持つ逸材だからこそ、こういう描かれ方をしているんじゃないか、とも思いますね。

 けれども、そういう(上官としての)失敗をしたなのはも、結局のところはティアナたちに対する深い思いやりからミスを犯したわけで、非常になのはらしいエピソードでよく出来ているなぁと感心……しながら #9 を見ていたわけですが。

 9 歳児のちっちゃななのはとフェイトちゃん、やっぱりカワユスですよwwww

 というかやはりかわいいは正義。いやこれに尽きる、と^^。
 あ゛あ゛、あの頃はよかった……(遠い目) しかし回想シーンで出てくる敵キャラがいまや全部なのはとその一味と化しているのには思わず苦笑;。や、なんだかなー;;。

# というか気づいたらえらい長文エントリになってしまった……;。

投稿者 まちばりあかね☆ : 2007/6/14 00:56 | 3.アニメ&コミックス

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コメント

 私自身が実学志向のせいか、教科書的な学問と現場叩き上げの経験をクロスさせる指導をします。今も若い羊飼いの指導係をやっていますが、最初の数回は背後につかせて見学させるものの、すぐに実地練習をさせます。
 その際、「自分でやってみないと駆け引きや呼吸がわからない。まずは自分の頭で考えて思う通りに好きにやってみろ。後ろで見ておいてあげるし、ウチの羊さんは頑丈だから少々下手打ってもビクともしない。自分で『しくじった』と感じないと、改善策を考える気にはなれないものだし、どうしても駄目ならケツ持ってやる」と言ってますな。

 まず最低限の知識を元に実際に手を動かしてみる→一般則を見出す→実地に当てはめてみる→更に一般則を…
と「実戦練習」と「教科書的な知識による肉付け」を交互に積み重ねることで強化していく方針を取るのですが、このタイプの指導って時間がめがっさ取られるのが弱点なのですよねぇ。私自身がやれば1の時間で済むところを、1.5の時間をかけて若人にやらせ、0.5の時間をかけて足りないところをフォローし、0.5の時間をかけてフィードバックする、と2-3倍の時間をかけて一つの作業をこなします。

 初期のうちにみっちりレッスンを仕込んでおけば戦力が充実して、後半のオーディション連戦で楽が出来るというゴールデンルールもあることですし(笑)、何事にも初期教育が重要だと思って教育してますが、このやり方は少数精鋭の育成には向いていても多数の一般教育には向きませんなぁ。もっとも、端から一般兵の大量生産にはあまり興味ありませんが(汗)。

投稿者 で・じ・くまっちゃ : 2007年6月14日 01:29

ふむー。で・じ・くま氏のブログに書き込みましたが、私は実地訓練もさることながら事前のシミュレーションを重視する派。
とっさのときの失敗が許されない部署だからこそ、できる限りの危険やいらぬ不安はかけたくないもの。昔は「偉い人の背中を見て覚えろ」という徒弟制度だったようですが、現在ではそのような「エリート教育」は時代の要請にそぐわなくなっています。

もちろん、自分の頭で考え、汗をかき、後悔しながら培った経験というものは絶対に役立つのですが、@すべてのシチュエーションに遭遇できるわけはない、Aうまくいかなかったときのリスクが高すぎる、という部署では、初期教育がどうしても重視されるかと。
確かにこの教育方法では一般兵の大量生産に用いられますが、本当に優秀な兵士はこのやり方でも十分に実力をつけて出ていきますよ。
#現にそうして活躍してらっしゃる方が結構居ますし。

ま、で・じ・くま氏の考えは非常によく分かりますし、2人のこの考え方の違いは今に始まったことじゃないですからねー。w
#10年以上ですか。(遠い目
あかねさんのご意見がちょうど中道なのかもしれませんね。

>9 歳児のちっちゃななのはとフェイトちゃん、やっぱりカワユスですよwwww。
禿同。

投稿者 恥めてのお医者さん : 2007年6月14日 10:37

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