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NHK スペシャル 「トリアージ 救命の優先順位」

 というわけで今日はちょっと重たい話ですが、こちらのエントリを。今週月曜日に放映された NHK スペシャルの特集番組で先ほどようやく見ることができたのですが、正直なところ見ているだけでも気持ちが悪くなるような重たい内容の番組でした。

 番組の内容は、2 年前に起こった JR 福知山線脱線事故の現場で行われたトリアージ作業に関するもの。「トリアージ」という用語は耳慣れない方も多いと思いますが、大規模災害などで多数の負傷者が起こった場合に行われる、傷病者に対する救急の優先順位を決める作業のこと。Wikipedia のこちらの説明が詳しいので見ていただきたいのですが、重要なポイントは以下の 2 つ。

・救命の見込みがない傷病者には黒タグを付け、救命措置を施さない。
・トリアージは 1 人の傷病者あたり 30 秒程度で行う必要がある。

 救える人命をどれだけ多く救えるのか。病院の中で行われる死亡確認とは全く違う死亡判定と、助けられる命を助けるために求められる冷徹な判断。それをひたすら、かつ正確に繰り返していく必要のあるトリアージ作業。経験のないぶっつけ本番の作業の中での自分の感情と理性の戦い。想像しただけでも気持ちが悪くなる重圧で、そうしたトリアージにまつわる問題を、多くの視聴者たちに問いかける番組でした。

# 中でも非常にキツかったのが、ある看護師が語っていたエピソード。
# 黒タグを付けた傷病者の携帯電話が鳴ると、押し殺している感情を引き出される、と……。
# そうした重圧に耐えた現場の医師や看護師の方々には、本当に尊敬の念を抱かされます。

 番組の中で投げかけられた様々な課題。消防隊と医師たちの連携や全体統制の問題、赤トリアージタグ(生命に関わる重篤な状態で、救命の可能性がある、最優先で救命すべき人たち)をつけられた人たちの中での更なる優先順位付けの問題、そして救命につながるわけではない黒タグへの未記入問題、残された遺族の割り切れない思い。番組では不必要に感情を煽ることなく、淡々と事実と今後に残された課題、そしてそれらに対する現在の取り組みを描いていましたが、こうした取り組みを通して、大規模災害における救急医療の現場がさらに改善されていくことを願って止みません。

 こうした番組を見ていると、医者という生死のかかわる職業の重みを改めて考えさせられます。正直、自分にはとてもじゃないけど出来ない類の仕事ですが;、医師の友人が多い自分としては、彼らの日々の重圧を改めて考えさせられるような内容でした。

投稿者 まちばりあかね☆ : 2007/4/26 00:08 | 4.雑学&雑感

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 先日NHKスペシャルで放映されていた『トリアージ 救命の優先順位〓JR福知山線事故から2年〓 』。まちばりあかね氏 に薦められていたので録画視聴しましたが、流石NHKらしい事実に基づいた淡々とした番組作りが...

羊飼いの戯言 : 2007年4月29日 09:23

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セイコー : 2013年6月7日 21:33


コメント

救急の現場の末席として「トリアージ」と切っても切れない生活を送っておりますが、この番組はかなりショックでした。私にとっての「トリアージ」とは重症に応じて診察順を変える程度の意味しかありませんでした。
私もまちばりさんと概ね同じ意見ですが、もう一つ印象に残ったのは「本来緑や黄色のタグに該当する比較的軽症な患者を住民が病院に運んだ」という話です。これだけ聞くと美談ですが、見方を変えると重症の患者を診察すべき医療資源を奪われるという弊害を生み出します。これは「黒タグをつけることが死亡判定の代わりになる」という問題の裏返しと言えます。
災害医療という、患者が医療資源を大幅に上回る状態で、誰が責任を持って限りある資源を分配するか、今後に生かすことがこの事件の教訓の一つだと思います。
医療者として医療の限界を突きつけられる非常にきつい一時間でした。

投稿者 恥めてのお医者さん : 2007年4月27日 13:04

> 恥めてのお医者さん
混乱する現場において強固な指揮命令系統を維持するためには様々な仕掛けが必要になるでしょうが、「簡単にしてかつ効果的」なワークフローを定めるのは、極めて高度に難しい問題だと思います。

トリアージを行う医師にかかる精神的負荷は極めて高い(例えば子供に黒タグを付けなければならない状況ともなればいくら冷静さを保とうにも判断ミスは生じてしまう)半面、一定人数ごとにトリアージする医師を変更するような仕組みにすると、人による判定ブレで黒/赤/黄の優先順位付けが正しく機能しなくなる危険性がある。かといって判定ブレを少なくするために優先順位付けを細かくすれば一件あたりにかかる時間が増えてしまってトリアージしきれなくなってしまう。

さらには訴訟リスクや遺された家族への精神的ケアなど、考えるべきパラメータは多数あります。そうした様々なパラメータを調整して、「救える人数を極大化する」ポイントを探すことが必要なわけで、今回の番組はその要素パラメータを断片的ながら示した好例だったように思えます。

マクロの結果とミクロの心が矛盾するという問題(マクロにたくさんの人数を救っても、自分の家族が亡くなったらそれがすべてになってしまうという問題)を端的に突き付けられるものだけに、究極的に解決され得ない問題だとは思いますが、それでもなお進んでいかなければならない問題なのでしょうね。

投稿者 まちばりあかね☆ : 2007年4月28日 13:51

トリアージについて関心を持ったのですが、NHKスペシャルでこのような番組があったとは知りませんでした。どうしても見たいのですが、可能ならば、どなたか録画したものを譲っていただけないでしょうか?よろしくお願いします。

投稿者 toru : 2008年6月5日 21:55

NHK スペシャルは実は結構頻繁に再放送をやってたりしますよ。
例えばプラネットアースはなんかかなり頻繁に再放送されてる様子。
http://www.nhk.or.jp/special/rerun/index.html
要望コーナーから再放送要望を出しておくとよいかもしれません。

私は NHK スペシャルとハイビジョン特集は定期的にチェックかけたりしてます。
いい番組がよいので、NHK アーカイブスとかで有料放送してくれればよいのに、
と思うことはしばしばありますが、著作権がらみでいろいろ難しいんでしょうね。

割といい番組だったので、また再放送されることを期待。> トリアージの特集

投稿者 まちばりあかね☆ : 2008年6月6日 00:22

なるほど…NHKスペシャルの再放送に期待し、再放送要望を出して見ます☆
コメントありがとうございます。

投稿者 toru : 2008年6月6日 15:23

カッコいい!興味をそそりますね(^m^)

投稿者 グッチ キーケース : 2012年11月10日 09:43

はじめまして。突然のコメント。失礼しました。

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