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「だとしたら、どうするんじゃ?」
「場合によっては、危険な橋を渡らないでもない。」
……というわけで、今日はこちらの書評を一つ。
狼と香辛料、現在の最新刊である 4 巻を読破。今回は教会などの宗教がらみのお話で、前巻までとガラッと趣を変えてきた感がありましたが、それでもやはり素晴らしい一冊でした。
このシリーズ、とりあえず 4 冊読破した形になるのですが、確かに夏のこたつ氏が強力プッシュするのも当然、という作品ではありますね。素晴らしい点は数々あれど、私が一番素晴らしいと感じた点は、構築された緻密かつ精密な世界。この作品、いわゆる「詩的」な描写や表現はあまりなく、いかにも理系の人が理詰めで書いた文章なのですが、ここまで精密な描写ができるのは、なにより「世界をちゃんと構築しているから」なんですよね。
ここで重要なのは、構築しているのは「世界観」ではなく「世界」である、という点。普通の作品では、作品の世界観を構築したり維持したりすることで手一杯になるのが普通なのですが、構築された世界観の上で、全く異なるロジック(違う思い)で動く人々を見事に動かしきっているんですよね。いわば MMO みたいな世界^^がそこに構築されている。特に今回の4巻目はそれが顕著で、エルサなどの動きが非常に映えていたように思います。
# 4 巻はイーマなんかもキャラ的には良かったですね。
# 要するに肝っ玉母ちゃんキャラなのですが、この作品には出てこないタイプのキャラだったので新鮮。
それにしてもとにかくよくできたシリーズ作品です。まだ読んでないという方にはぜひお薦めです。
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