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というわけで昨日はでじくま氏とともにこちらに参戦〜^^。
ええっと、田村ゆかりの武道館ライブ "Love Live 2008 Chelsea Girl" に参戦。平日しかも年度末という、どう考えても社会人的にはあり得ないスケジュールの中で開催された今回のライブ……なわけですが、フタを開けてみれば大入り満員の大盛況。私もこの一日をまるまる空けるために数か月前から日程をブロックし、さらには仕事をスケジュールしようとする多方面の関係者からの依頼をすべて reject するという暴挙に出たわけですが、さすがに無理もあって、今週はとにかく睡眠時間を削って仕事をこなすハメに(← といっても ECO はぼちぼちプレイしているぐらいなのでそんなにホントには逼迫してないのですが(苦笑))。さらに朝からでじくま氏からの依頼で物販行列に並ぶことになったので睡眠時間的にも体力的にも結構キツかったのですが、いやいや終わってみればなんのことはない、
めちゃめちゃ楽しかったwww。
いやー、結局のところはこの一言に尽きるのではないか、と^^。
ゆかりんにとっては自身初の武道館ライブという巨大なコンサートだったのですが、自分は正月に大宮スーパーアリーナの奈々さんライブに参加してきたためにめちゃめちゃ大きいという印象はなかったです。まあ実際、武道館というのは縦方向に大きいところなので(=床面積はそんなに大きくない)、体感的には国際フォーラムやパシフィコの方が巨大なイメージがあるのですが、会場のサイズ感はともかくとしても巨大なライブであることには変わりがない。25 曲 3 時間ちょっとという、ゆかりんのライブとしては高密度な曲数。巨大かつ立派なステージセット。そして大量に搬入されているビデオカメラ機材の数々と異様なまでの物販のグッズ数(笑)。さすがに動いているお金が尋常じゃないなぁと感じさせる点が非常に多かったのですが、とはいえ内容面ではなによりセットリストそのものの構成が非常によく、序盤からラストまで一気に駆け抜けることができた感があります。……というか、よもや自分が声が枯れかけるほどになるまで叫ぶことになるとは全く思ってなかったのですが;。い、いったい自分はいつからこんな弾けたオッサン人に(笑)。
というわけで、以下トピック別につらつらと思うところを書きつらねてみたり^^。
■ いつもながらの盤石なセットリスト
まず、今回のセットリストはこんな感じ。
01.チェルシーガール
02.惑星のランデブー
03.Fortune of Love
(MC1)
04.片思いルーレット
05.デイジーブルー
06.Lovely Magic
07.恋は波のように
08.上弦の月
(MC2)
09.未来パラソル
10.Petite Lumiere
11.星空のSpica
(MC3)
12.Beautiful Amulet
13.Sand Mark
14.Swing Heart
15.mon cheri
16.お気に召すまま
17.童話迷宮
(MC4〜めろーん〜)
18.めろーんのテーマ〜ゆかり王国国歌〜
19.candy smile
20.恋せよ女の子
21.Happy Life
22.Little Wish〜first step〜
(encore)
23.Baby's Breath
(MC5)
24.恋するラズベリー
25.fancy baby doll
しょっぱなに新曲「チェルシーガール」を配備、続いて定番曲「惑星のランデブー」を立て続けに投入するというドーピングで一気に会場のボルテージを上げる手腕はさすがなのですが、個人的に嬉しかったのはやはり「デイジーブルー」の復活。や、この曲は大好きなんですがセトリ(セットリスト)落ちしていたので復帰はもうないかなと思ってたんですよね。前半戦での投入は意外な誤算。そしてもう一曲非常に嬉しかったのが PS2 版の極上生徒会 ED テーマ「未来パラソル」。この曲は地味に名曲なのですがなにげにライブ初登場。しかも非常によかったのが、歌い始める直前に全員に座ってもらったという点。知名度が高いアップテンポの曲なだけに、一歩間違うと跳び跳ねコール曲になり果ててしまうのですが、全員が着席状態で聞く形になったのでじっくり聴き入ることができたのが非常によかったですね。
# セトリでは 18 曲目の「めろーんのテーマ」が超問題の一曲だったのですが、これについては後述。
ちなみに今回も生バンド起用(前回ツアーと同じ桃色男爵)だったのですが、今回は完全生バンド演奏だったのが微妙といえば微妙でした。というのも事前録音分+生バンドの構成にしないと、原曲にあったメロディラインの一部が欠けてしまうために、副旋律がなくなっちゃったりするんですよね。特にデイジーブルーは副旋律と主旋律の調和が非常に素晴らしい一曲だったのでややもったいなかった気がします。この辺は生バンドの功罪といったところでしょうかね。
あと全体的に興味深かったのが、振り付けがかなり変わっていたというポイント。全体的には簡単化されてミラーしやすいものに変わってしまっていて、なぜか振り付けに戸惑う自分がここに、みたいなモードに(え゛?^^)。まあ定番曲(恋せよとか)は変わってなかったのですが、上記のデイジーブルーなんかも結構変わってしまっていてちょっとやりづらかったです(笑)。
■ 武道館クラスならではのリッチなステージセット
さすがに武道館クラスともなればステージの作りも非常にリッチ。構造そのものはよくある花道つき T 字型ステージで、先端部には競り上がり式のステージがついてたり、左右には暗がりから一気に飛び出せるような構造になっていたりとよくある工夫が多数。けれどもうまかったのはこれらのステージの使い方。特に 7m の競り上がり式のステージについては、上がった状態のまま MC に突入し、さらに「え゛〜、高いところから失礼します〜;(ちょっと棒読み)」から始まり、(観客からの歓声を受けて)「はいはい〜、ゆかりんですよ〜?」(超やる気のない投げやり口調)→ 揺れて怖い → 下げて〜 → (下がり始めたら)「ストップ!」みたいな、ゆかりんならではの遊び心溢れる演出が見事。
また Spiritual Garden では炎が一気に噴き出すという(よくある)特殊効果演出もありましたが、どちらかというと目を惹かれたのは、幕間のクラウン(っぽい人)による演出。衣装替えのためにステージから消えた後で、つなぎにクラウンっぽい人が出てきたのですが、思わずシルク・ドゥ・ソレイユのステージを思い出してしまったのは秘密。(というかあの空中からぶらさがってくる布は、シルクだと空中アクロバットに使うものなんですよね。一瞬「ホントにやるのか?!」と訳のわからない期待をしてしまったのひ秘密^^。)
実際のところ、もともとゆかりんは奈々さんなどとは違ってやたらと動きまわるタイプの人ではないので、(花道も含めて)まだまだ使い方には工夫の余地があるな(=もっと遊べるだろうな)、とは思ったのですが、それでも初めての武道館としてはなかなかうまかったんじゃないかと思います。ちなみにこれだけ巨大なステージともなればバックダンサーもものすごく多くて 12 人程度。けれどもそれだけ一斉に出ても全く窮屈さを感じさせないあたり、やはりステージの大きさを改めて感じるところですね。
ちなみにこのクラスともなると、幕間用にムービーを作って流すといった演出も当然あるのですが、この中つなぎのメンバー紹介がなかなかに爆笑もの。ねこさん着ぐるみの本名が(ピンク色のねこが)「くすんでない」(グレーのねこが)「くすんだ」になっているあたりもかなりウケました^^。あと、非常にうまかったのが、アンコールのところの映像。アンコールのときにスクリーンに観客席の様子を写しながら、合成でうさぎパペットが手をパチパチと叩く映像が流れたのですが、この映像のおかげでアンコール!の掛け声がちゃんと揃ったのが非常によかったですね。先日の大宮で感じたことですが、会場の規模が大きくなると、会場の端から端まで声が届くのに 1 秒近くかかる(笑)ので、掛け声がまったく揃わなくなっちゃうんですよ。これは非常にうまかったですね。
■ やや駆け足気味の MC トーク
いつもは割とぐだぐた感のある(それでいながら爆笑を誘う)定番のゆかりん MC トークですが、今回は割とおとなしめ。もともと武道館という会場自体、非常に時間に対してシビアなところらしく、タイムコントロールを崩しがちな MC トークに関しては今回は逆にキッチリと締めてきた感がありました。が、その分、逆に遊びやゆとりがないので MC トークに味がないという結果に。ゆかりんのライブは倒れるほど跳んで叫んで笑いまくる、という独自の持ち味があるのに、今回は最後の要素についてはやや消化不良な感はありました。
とはいえ限られた時間の中で最大限に笑わせてくれるあたりはさすがに老練の域に達している、という印象。例えばいつもながらの年齢ネタについても「じゃ男の子ー」と手を上げさせた後で、「ええっと、ちょっと別の言い方していい?」といった前振りをしてから「オッサンの人ー?」……って、おいwwww(笑)。まあ会場の 3〜4 割の人間が手を挙げたのには思わず苦笑でしたが(ってか自分も含めていったいこの年度末になにやってんだ状態ですが(笑))、女の子がちょっとうるんでいる様子を見て自分もうるっと来てしまったというエピソードで、「涙もろいです 32 歳になると……あ、違った! 17 歳だ!」という落とし方をするあたりもさすが見事な手腕。こういうイヤミを感じさせない話題の振り方は、本当に後味のよいトークでさすがだなと感心させられますね。もっとたくさん聞きたかったですけど^^。
# 要するにこの MC のミソは、自分自身をネタにすることに関して躊躇がないところから来るんですよね。
# と、これは実はものすごーく重要な話だったりするのでまた別エントリにでも書きます;。
■ 大幅納税の物品の大行列
とまあコンサートそのものについての話題はこれぐらいなのですが、どうしても話題として外せないのがこの物販大行列の話。今回は武道館という超大型ライブになったこともあって、それこそアホみたいな量のグッズ類が投入されたのですが(=要するにライブ単体では赤字なのでグッズでそれを回収しようというモデル)、どう考えてもやりすぎだろうというほど凄まじい量のグッズが投入されてました。ちなみにこんな感じ。
6 時 45 分頃に現地入りしたでじくま氏と 8 時過ぎに交代して代理購入したのですが、10 時販売開始で結局購入できたのは 12 時過ぎ。これだけ大量のグッズとなると会計処理も異常に時間がかかるわけで、相当数のカウンターが用意されていたにもかかわらず結構な時間がかかりました。といってもレジ係の人はいつもにも増して精鋭揃い。コミケの一部のブースのようなダメ店員は全くおらず、あの大量のグッズを恐るべき速さでてきぱきと処理していました。ここは非常に感心。
で、問題なのはこのグッズ類の販売場所。武道館があるのは北の丸公園、つまりお花見のメッカなわけで、一般人が大量に横を通り過ぎていく……にもかかわらず、スピーカーから大音響で流れるのはあの超電波ソング「めろーんのテーマ」。レジで大量のグッズを渡され、道端でそれを整理している横を一般人が通り過ぎていく中で「うわー、この人だかり何??」「田村ゆかりっていったい誰?」といった声が聞こえてきたのには思わず苦笑。……っていうかごめんなさい、自分も一般人から見たら全力であっち側の人なわけですが(笑)。
# ちなみにでじくま氏から依頼された購入委託物が値段も量もとんでもないことになっていたのは秘密。
# というかレジで「だ、だ、大丈夫ですか? 持てませんよね??」とか思いっきり心配されたり;。
そういえばグッズといえば、今回もサイリュームが新しいグッズとして投入されていたのですが、やはりというかなんというか今回もこれがイマイチ。比較のために写真で示しますが、上から順に、今回、一般市販品、前回のサイリューム。一番下の前回のは輝度が足りずに論外で、それに比べれば一番上の今回のものはかなりマシになりましたが、色がややくすんだピンクになっているという点と、やはり輝度が弱いという点がイマイチなところ。加えて端子の接触不良(というよりもある一定以上長くボタンを押してから離さないと電圧がかからなくて点灯しない様子)やまっすぐになっていないリウム棒など、造りの悪さも致命的。会場内ではかなりの人が今回のオフィシャル品を使っていたのですが、アリーナから会場をざっと見まわしたときに全体的に色がくすんでいると感じられたあたり、ちょっとイマイチでした(ちなみに会場横のところでサイリュームの不良品の交換を行っていたらしいのですが、これがかなりの行列になっていたとか)。ぶっちゃけトークをすれば、何にも考えずに一般市販品にシールを張り付けてケースをちょっと立派にするだけで十分なわけで、もう少し値段が高くてもいいからまともに使えるものを出してほしいと思わずにはいられませんでした。
# ただ、搬入部数が十分だった点(=買いそびれがほとんどなかった点)については評価できますね。
# バックカウンタでざっと数えたところ、CD が 5,000、ハンドパペットが 500 ぐらいの搬入部数だったのでは
# ないかと推測。売り切れるとヤフオクとかでとんでもないことになるので、その点は高評価かな、と。
■ 最後に総評 〜 安定感とマンネリ感
というわけでつらつらと書いてきましたが、全体を通しての総評を。このライブコンサート、確かに非常に面白かったのですが、良くも悪くも安定しすぎているが故の物足りなさを感じるところもありました。
例えば今回の衣装セット。PTP のときのような奇抜な衣装もなく、白と青を基調としたドレスや黒ドレス、あるいはエプロンドレスといったいわば万人ウケしそうな定番ドレスが非常に多いものの、それだけに没個性的なところがあり、ゆかりんらしさはどこにあるのか、という問題がある。
あるいはアンコール前の締め曲「Little with〜first step〜」。この曲は確かに名曲で、特に Cutie Cutie Concert で観客とステージを見事なまでに一体化させたという前例があるだけに、ゆかりのライブでは絶対に外せない一曲になっている……のですが、困ったときの Little with とでも言うべき位置づけになってしまっていて、定番曲としていいかげん使い古されてしまっている感がある。
これらの問題は、規模の理論でマスを狙っていくことと、内容面での密度の濃さの両立が難しい、という本質的な問題に根付いたものなんですよね。
例えば今回のセットリスト 18 曲目で投入された「めろーんのテーマ〜ゆかり王国国歌〜」。この曲は簡単に言えばひとむかし前の KOTOKO ばりの超電波ソング(でも非常に面白い曲で私は非常に大好き)で、客席が一体となってコールを入れたり振りを入れたりめろ〜んしたりしないとステージが浮きまくるという非常にリスクの高い曲。ところが問題なのは、この曲は会場限定販売シングルで、事前に放送されたのはラジオしかも一回だけ。もちろん忠誠度の高い国民(ゆかりん FC ファンクラブ会員)であれば事前の予習もコール練習も欠かせないでしょうが、実態としてそんなお客さんはほとんどいない。この曲、1番の歌詞の最後の合いの手である「ウンウン、そだそだ!」×4連発を入れると
めちゃめちゃ楽しい一曲。(いや本気で楽しすぎる(笑))
なのですが、でじくま氏と私の周りでこの合いの手をちゃんと入れてた人は皆無。一応、曲をスタートする前に簡単な振り付け練習であるとか、めろーんの練習とかいろいろありはしたのですが、正直、誰もついてこられてなかったんですよね。
実際問題、そもそも FC 会員の数が 7,000 とか 8,000 ぐらいしかいない中で、8,000 人クラス?の武道館ライブをやろうという場合、仮に FC 会員がいたとしてもそのうち半分、さらにラジオもちゃんと聞いていてしっかり予習をしている人がいたとしても 1 割程度と予想できるわけで(たぶんコールまで入れられた人となるとそれ以下でしょう)、大多数派の人たちからすれば「自分たち、別にそんな国民とか言われるほど忠誠なんて誓ってないよ」となるはず。ああいうリスクの高い曲は、ゆかりとみんなでバカをやるという共通認識が成立する規模のライブでしか成立しない、と思うんですよ。
つまり規模の理論でマスを狙うと、どうしても濃い内容や個々の人たちのニーズに完全に即した料理は提供できなくなる。これは昨今の様々なマス向け産業が常に抱えている問題であり(例えば新聞や雑誌が隙間産業的なフリーペーパーにシェアを食われたり、ヒット作に依存せざるを得ない既存リアル書店が amazon のようなロングテール書店にシェアを奪われるなど)、ゆかりんの場合もまさにこの壁にそろそろぶつかりつつあり、岐路の選択を迫られつつある状況にある、と思うんですよね。
ゆかりんのライブは確かに安定感があるし、参加していてとにかく楽しい。それは間違いない。にもかかわらず、どこかに物足りなさを感じてしまうのは、そうした「規模の理論」が見え始めてしまっているせいでしょう。今回のライブの最後にゆかりんが観客みんなに手を振るシーンで、今まではどんなに会場の規模が大きくても、そして何分時間がかかろうともじっくりと観客一人ひとりに丁寧を見て手を振っていた。しかし今回はそれがなかった。それは様々な制約を考えれば当たり前だし無理もないとわかるけれども、半面、それはゆかりらしさとしてどうなのか? という問題もある。
Cutie Cutie Concert のときは、ある意味大きなステージへと繰り出すという、ゆかりんが一皮むけるための正念場だったと思うのですが、多分、今このタイミングが、ゆかりんにとって第二の正念場なんじゃないか、という気がします。当のゆかりん本人が、この問題に対してどんなふうに思っているのかは私には想像ができませんが(というかあれだけ仕事にこだわりを持つ人だったらかなり苦しむんじゃないかと思うのですが)、どんな選択肢を取るにしても、(経済原理に漠然と流されるのではなくて)後悔のないよう自分の意志で自分の未来を決めて欲しいなぁ、と思ってしまったライブでした。
とまあ、つらつら思うところを書きましたが、なんにしてもホントに楽しかったのは間違いなし(笑)。次回がいつになるのかはわかりませんが、次のライブをまた楽しみに待ちたいと思います。:-)
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お世話になります。とても良い記事ですね。
投稿者 グッチ キーケース : 2012年11月10日 06:52