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NHK スペシャル「高速ツアーバス 格安競争の裏で」

 というわけで今日もぼちぼちサウス街道でシナ狩り続行中だったわけですが、さすがにこんだけ延々と ECO をやり続けていると困ってしまうのが横で見るアニメがなくなるということ;。なんか見る番組ないかなーと思ってチャンネルを回していたら掲題の番組をちょうどやってたり。ちょっと気になったのでエントリにしてみるテスト。

 高速ツアーバスに関しては、昨今、過当競争が激しくなっていて安全性が確保できなくなっている、という話はいろんなところで採り上げられますが、職場環境は相当にひどいことになっているだろう、と思って番組を見てみたら予想通りというか文字通りひどい有様に。要するに、価格の過当競争が発生しているために、旅行会社が下請けや孫請けのバス会社から搾取する形で、運輸省の定めている規制価格を下回る価格でバスをチャーターしているという状況。バス会社があまりにも過酷な労働条件であるが故に安全性確保のために賃上げの嘆願をするも、高速ツアーバス会社最大手のウィラートラベルという会社側は「コストダウンと安全は両立できる」と一刀両断。下請けバス会社はダンピング価格で応札せざるを得ない有様を描いていたのですが、ちょっと「??」となってしまう内容ではありました。

 「コストダウンと安全は両立できる」という論理。その意見自体には私は割と賛成派で、基本的には同意します。なぜかというと、こうした二律背反に見える内容を両立できないケースでは、やり方そのものの抜本的な見直しが行われていないことが多いから。今のやり方を踏襲したままでは(=同じ仕事を同じようにやり続ける方法では)価格低減圧力をかわすことは絶対に不可能。今回の例でいえば、ウィラートラベル自身が経営するバス運営子会社の例のように、バスそのものの仕入れルートを見直すなど、やり方そのものを変える工夫が必要でしょう。今のやり方を今の延長線でやり続けたい、だから賃上げしてほしい、という自分たちのロジックに基づく要求は、そもそもロジックが違う(端的に言えば買い叩きができる立ち位置にある)ウィラートラベル社に通じるロジックではない。そのやり方をしているだけでは、いいように買い叩かれるだけになってしまう。業態を変えるなり特殊なサービスを打ち出すなり、何らかの工夫を行わなければならないはず。

 しかしその一方で、ウィラートラベル社がバス会社を「経営資源調達のための下請け会社」としてしか扱っていない(ようにフィルムで描写されている)ことには疑問を覚えました。本来こうした大きな会社は社会的責務を担っている面もあるのだから、お金は出さなくてもアイディアは出すのがあるべき姿。や、親会社と下請け会社の協調関係というのはお題目ばかりになりがちなのは確かなのですが、それにしてもそうした姿が全くないかのように描かれているのはさすがに「??」となってしまいました。これが民法の番組であるのなら、やや過剰演出ぎみに業界最大手のバス会社=悪の権化、みたいな描き方をしたかったからだろうと推測するのですが、NHK スペシャルでこの内容というのは……どう判断すべきなのか迷います;。

 いずれにしても、No.1 を自負する会社であるのならその社会的責務を果たすべきであり、(お金ではなく)アイディアを出して手助けすることで、変わろうとする意志のある人たちを救うべきなんじゃないか、と私は思います。会社が長期的な成長を続けるためには、そうした「回りを変えていくこと」も絶対に必要なことで、そうした取り組みが番組内で全く描かれていなかったことに疑問を覚えました。……さすがになんにも取り組みをしていない、なんてことはないと思うんですけどねぇ;。

 ちなみにちょろっと Web で検索してみたら、やっぱりウィラートラベルさんは叩かれまくっている様子;。あの番組の作り方じゃ擁護のしようもないとは思うのですが、それだけ業界がひっ迫している、ということでもあるのでしょう。こういう社会的な歪みに関しては、運輸局などにちゃんと頑張ってほしいところだと思うのですが、どうでしょうね?

投稿者 まちばりあかね☆ : 2007/5/3 01:44 | 4.雑学&雑感

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コメント

ウィラートラベルは昨年夏の関西聖地巡礼の往路で使わせてもらいました。
ベンツバス(3列シート)、東京→大阪(私の場合は京都下車)で確か6000円台だった気が。安いし、朝早くから巡礼できるということで利用しましたが、その際にサービスエリアで見かけた運転手さんたちの疲れた後姿が印象に残っています。最大手のバス会社でもかくやですから、零細企業の労働環境の劣悪さは想像して余りあります。
私も夜勤業務のある人間ですからよく分かりますが、夜間帯に意識を集中し続けるのって本当に大変なんですよね。ふと意識が遠のく。これはもう個人の努力とか才能とかそういうものを超えた話です。運転手という人命を預かる職業でこのような「ミス」は文字通り命取りです。
どこの業界でもそうですが、現場の汗で成り立っているゆがんだ現実を上層部は積極的に受け止めて是正してほしいものです。

...しかし、あの時はかなり疲れたな。今は17歳に戻りましたので体力も若返っているはず。(ぉぃぉぃ

投稿者 けろっちゃ : 2007年5月3日 11:07

> どこの業界でもそうですが、現場の汗で成り立っているゆがんだ現実を上層部は積極的に受け止めて是正してほしいものです。

全くもって同感です。歪んだ現実は結果的には長期に渡った永続的な成長と存続をもたらさない。
ひと昔前のネットバブルのように、自らの都合しか考えない組織や会社は結果的には破滅し淘汰されていくのではないか、と思います。

今回のようなコスト低減圧力は経済原理から来る「絶対的圧力」であり、そこに対して異を唱えても話は改善も解決もしない。
それは「前提条件」として受け入れた上で話を進める必要があるわけですが、この点に関して、

・親会社側はこの価格下げ圧力を「自らの御旗」として過度に使う傾向がある。(← ここには規制が必要)
・多くの下請け業者はこの前提条件を受け入れられない傾向がある。(← ここにはやり方や仕掛け自体の改善提案が必要)

という傾向があり、「前提条件として受け容れた上での発展的な議論」に進まないのが現実です。さらに加えて、今回のようなケースでは根幹の部分で「同じ仕事内容で雇用を守る」というロジックが働いているためにさらに話が複雑になってしまっている。

こう考えると結局のところは「みんな自分の都合を中心に考えている」という現実が見えてきてしまうのですが、3歩下がって大枠で捉えながら(=他人の都合も考慮に入れながら)、発展的な議論を進めてもらいたいものだと思います。

投稿者 まちばりあかね☆ : 2007年5月3日 18:55

おっしゃるとおりですな。
ダンピングとそれによる現場の疲弊は必ず事故を誘発します。このときに発生する損失は親会社に多大な損害を及ぼし、最悪の場合は倒産(淘汰)につながるわけです。
「今日までよかったから明日も多分大丈夫」という楽観主義ではなく、「事故予防策」「事故が起こったときの初期対応」「最終的な引責」を具体的に日ごろから現場と一緒に考えることが、最終的には親会社の利益につながると思うんですけどね。実際にはこのようなリスクヘッジによって発生する利益は目に見えませんし、日常の雑事におしのけられてなかなか手が回らないことが多いのですが。

しかし、この番組、PC上で作業しつつ、たまったアニメを横目で見ながら、サブウインドウに表示されているのを無音状態で横目で見ていました。ちゃんと見ておけばよかった。
今クールは消費すべきアニメが多すぎです。><
#やつあたり。

投稿者 けろっちゃ : 2007年5月4日 00:46

とにかくビジネスの時間単位が短くなってきているのが厳しいところですね。
昔なら長期的なことを考えてマネジメントするところ、今は競争相手が短期の事しか考えないとしたら同じにせざるを得ない。余裕のない業界だとそれこそ半年後にその事業からは撤退とかいう話になってしまう。製造業下請けの中国進出とかは典型ですけど。とにかく安くないと取引自体が止まったりする。
結局、値下げ圧力を徹底して意図的にやろうとする企業は一定確率で発生するわけですが、それをある水準で抑制するとなれば、責任を負わせるしかないのでしょうね。保険の引き受け義務のようなものを負わせたりするのもいいだろうし、労働条件が良好な企業は同業他社と比較して様々な細かい免税措置を講じたりとか。魔法のような解決策はどうも無さそうに思えるので、細々と積み重ねるしか無さそうです。
ブルーカラー的な職場では、日本人と同じ程度のモラルときめ細かさで働く労働者を確保しようとすると、世界的に見てもやっぱり日本人を雇うくらいしか無さそうに思うんですけどね。

投稿者 夏のこたつ : 2007年5月4日 03:32

今日は よろしくお願いしますね^^すごいですね^^

投稿者 グッチ アウトレット : 2012年11月10日 05:59

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投稿者 bad credit loans : 2013年4月7日 07:47

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