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ようやく読み終わりましたよ〜〜〜。(笑)
というわけでマリみての最近 6 冊分を一気に読破。や、実はなかなかケリがつかない瞳子編がさすがにつらくなって、決着がつくまでは積んでおこう、と思って放置していたらいつの間にか 6 冊も。寸止めプレイ連発とは聞いていたのですが、ついに姉妹成立と聞いたので一気読み……といってもだらだらと読んでたらなんだかんだで二ヶ月もかかってしまったわけです。が。
……いやもう素晴らし過ぎですよ。特に薔薇の花かんむりのラストはヤバすぎとしか言いようが^^。なんというか「いとしき歳月」のリフレインみたいな感じで、もう目頭がヤバすぎなわけで;。
なんかもういろいろ書きたいこと言いたいこといろいろあるんですが、うまくまとまらないのでまとめられるとこだけまとめてみます(笑)。当たり前ですが全力でネタバレしてますので、未読な方は絶対に読まないようにしてください(ぉ。
瞳子編のストーリーラインの根底にあるのは、ひと言で言えば恋愛の ABC 物語。このマリみてって、一応姉妹という物語を被せてはいるもののその実はごく普通の恋愛物語。未来の白地図からの流れを辿ってみると、祐巳がどれほど大きく成長したのかが分かる。端的に言えば、自分の想いを一方的にぶつけることしかできなかった祐巳が、相手を優しく受け止められるようになっていく物語なんですよね。
サイドストーリーがものすごくたくさん入っている上に、なにげにこのサイドストーリーもイイので本筋が見えにくくなっちゃってるんですが、この物語、祐巳と瞳子と乃梨己のトライアングルにフォーカスして見ると、もうめちゃめちゃ感動的なお話だったりするわけなんですよ。ちょっと簡単にストーリーラインをおっかけてみるとこんな感じ。
「未来の白地図」で、祐巳は自分のことを傷つけ続ける瞳子をつなぎとめたくて彼女にロザリオを渡そうとし、そして全力で拒絶される。相手のことを知りたいと思う気持ち、そして相手のことを少しでも助けたいと思う気持ち。相手のことを鑑みずに自分の気持ちばかりが先走っていたのが過去の祐巳。けれども、「くもりガラスの向こう側」で彼女はそのことに気付き、踏みとどまる。祐巳に欠けていたもの、それは自分の気持ちよりも相手の気持ちを優先させることなんですよね。
けれども、自分を傷付け続ける瞳子の行動は止まらない。彼女は自らの感情を押し殺し、選挙会に立候補して落選する。そこまで二人の関係的が徹底的に壊れてみて、改めて祐巳はゆっくりと考え始めるに至る。そもそも祐巳は瞳子とどんな関係になりたかったのか、を。
「私ね、瞳子ちゃんに断られてから、ずっと考えていた。
私と瞳子ちゃん、どうなっていくんだろう、って。
でも、どうなっていくんだろう、じゃなくて。どうしたいんだろう、って考えるべきだと思った。
そうして、ずっと考えていたらわかっちゃったんだ。」
「究極、私は、瞳子ちゃんが瞳子ちゃんであればいいんだ、って。」
でもそれは瞳子のトラウマにスイッチを入れる言葉でしかない。その言葉に反応して瞳子は感情をあらわにするわけですが、その瞳子を前にしても、祐巳は決して無理に彼女に触れようとせず、むしろ瞳子と距離を取るんですよね。そして瞳子は祥子や乃梨子などと話して、自らのわがままと、祐巳に対して自分が犯した過ちを知る。
「祐巳と何があったかは知らないけれど。祐巳はきっと、瞳子ちゃんの家庭の事情を知らないと思うわよ。
たとえ偶然知ってしまったとしても、そんなことで瞳子ちゃんへの評価を変える子じゃない。
それは、姉である私が一番知っているわ。
それなのに、あなたのことばかり考えている祐巳が哀れになってきたわ。」
自らのわがままで、祐巳の手を振り払い、そして祥子には呆れられ、ついに瞳子は一人ぼっちになってしまう。けれどもそんな瞳子を決して見捨てずに、いつでも温かく見守ってくれていた優しい親友、乃梨子。瞳子にとっての乃梨子は、「要らない子」である自分のことを、見捨てずに温かく見守ってくれる人の象徴。だからこそ彼女にとっての希望なんですよね。
そして瞳子は、祐巳が自分に向けてくれている優しさにすがりつこうとする。彼女が取った行動、それはバレンタインのイベントで社会室の白地図を探しにかかることであり、祐巳と瞳子だけが知っている、二人だけの秘密事。けれどもそこにはカードはなかったんですよね。
「瞳子は、祐巳さまを甘く見すぎている。
祐巳さまは、瞳子のことを大切に思ってくれているけれど。
でも、瞳子だけしか見えていないような、そんな人じゃないよ。」
祐巳と瞳子の物語を突き詰めていえば、それは適度な距離感を取る物語。二人はお互いに惹かれすぎるあまりに近づきすぎてしまい、そして壊れてしまう。祐巳は瞳子の開かれていない心の中に土足で踏み入ってしまい、瞳子に拒絶され、それをきっかけにして「適度な距離感」を見つけていく。瞳子のお姉さまとは、そして紅薔薇さまとはどんな人であるべきか、祐巳はその理想の姿へと少しずつ近づいていく。
それは決して瞳子から離れていくということではない。けれども、瞳子だけではきっとそのことに気付けない。その二人をつなげたのが、他ならぬ瞳子の親友である乃梨子なんですよね。
乃梨子も、初めは祐巳の振る舞いの意味が分からなかった。けれども祐巳に質問をぶつけてみて、彼女の思いの深さを知る。
なぜ、瞳子を放っておくのか。
見捨てないと言った言葉を信じていいのか。
瞳子が選挙に負けることには、いったいどんな意味があると考えているのか。
いずれまた、瞳子にロザリオを渡す気持ちがあるのか否か。
聞きたいことはたくさんある。でも、何から聞いていいのかわからない。
そしてどれについて聞いたところで、本当の意味で納得できる答えなんて得られないような気がした。
それなのに、言葉の方が勝手に転がり出た。
「瞳子を、好きですか」
「好きだよ。大好き。」
少しの迷いもなく、祐巳さまは答えた。
祐巳は決して自らの思いを瞳子にぶつけることはしない。けれどもその深い思いに気付けない瞳子を、乃梨子が必死に手助けしようとするんですよね。
「瞳子が好きになった人なんでしょう? 瞳子が頼れるだけの人のはずだよ。
なんで自分の勘を信じないの。正面から向かい合おうとしないの。
あの時、私は瞳子がこの状況から抜け出したいんだと思った。違うの?
でも、いつまでも狭い場所で一人で燻っているようじゃ、祐巳さまの頃には届かない。
そんな瞳子のままでは、祐巳さまのカードは決して見つけられない。」
そこまで言われて、瞳子はついに意を固めるんですよね。バレンタインのカードなんかに頼ることなく、自ら直接、祐巳に向き合うことを。
自分が好きな人たちがいないのならば、ここに留まっている意味はない。
(出ていって、それからどうする?)
決まっている。会いにいくのだ。
バレンタインのカードが欲しくなったのは祐巳の心が欲しくなったからですが、けれどもそれは瞳子にとっての一種の逃げ。瞳子は、カードなんかに頼らなくても、もっと直接的に祐巳に向き合うことができる。だから彼女は乃梨子に言われて、その足でそのまま祐巳の元に向かい、爆弾発言をするんですよね。
「祐巳さま。今までの数々のご無礼、お許しください。
その上で。私を、祐巳さまの妹にしていただけませんか。」
この後はご存知の通り、バレンタインデートを経て瞳子の出生の秘密が祐巳に打ち明けられる。それは決してこちら側からは開けることができなかった、くもりガラスの向こう側にいた本当の彼女。それは重たすぎる話だったけれども、祐巳にとってはもはやそこに判断や決意みたいなものは存在しない。ごく自然に、それを受け入れるだけ。
受け止める覚悟も何も、瞳子ちゃんが祐巳を選んで預けてきたのだ。受け止めなくてどうする。
いいや、もうそんな段階じゃない。祐巳は、妹を手に入れてしまった。
瞳子ちゃんが瞳子ちゃんであればいい。
その決心の前で、受け止めるとか受け止めないとかいう議論は、まったく無意味なのだった。
こうやって俯瞰して物語の流れを眺めてみると、瞳子にふられてから再び二人が結びつくまでの間の祐巳の成長ぶりがとにかく素晴らしい。それは究極的には瞳子を信頼する(≠信用する)ということに他ならないのですが、自分のことだけしか見えていなかった祐巳が、自分の心の中にひとつの軸を作り上げていく様子がものすごく丁寧に描かれているんですよね。それが端的に表れているのが、由乃たちの「どっしり」発言。それは、祐巳が本当の意味での優しさを手に入れた証左じゃないかと思うんですよ。
そして瞳子が自らのトラウマを受け入れ、それを祐巳に開いていくことで彼女は心の平穏を手に入れていくのですが、その二人の関係の横で立ち回っていた乃梨子がとにかく素晴らし過ぎる。
「乃梨子?」
祐巳の隣にいた瞳子が、突然前に飛び出した。何事かとそちらを見ると、乃梨子ちゃんが目から大粒の涙を惜しげもなくこぼしていた。ボロボロ、ボロボロ。まるで泣き虫神様のドロップみたいに。
っていうかこの挿し絵カットが本気で神。
乃梨子は瞳子の親友ということもあるけれど、乃梨子も最初は祐巳の気持ちがわからなかったんですよね。けれども祐巳との話をし、そしてバレンタインイベントなどを通して祐巳のそばで祐巳の様子を見て、祐巳の気持ちも、そしてその思いの深さも思い知ることになる。それだけに、瞳子と祐巳の二人がうまくいくことを願って止まなかったはず。つたない言葉とつたない行動であっても、二人をなんとかしたいと思う乃梨子の気持ちがいろんなところにあふれていて、その集大成としてのこのカットは本気でヤバすぎとしか言いようがなかったです。乃梨子かわいすぎるよ乃梨子〜〜〜っ、状態。
# 加えて、この文章も素晴らしかったですね。
# 泣き虫神様のドロップという表現が素晴らしすぎ。
# なんて素敵な表現を思いつく人なんだろう、状態。
しかし瞳子本編ストーリーの素晴らしさもさることながら、彩りを添えるサイドストーリーもまた素晴らしい。薔薇の花かんむりの直前の巻「フレーム オブ マインド」はいわば行間を補うさまざまなサイドエピソードなのですが、これがまたなんとも見事。(……まあリアルタイムで読んでいた人にとっては超おあずけモードだったに違いありませんが;。)
そしていろいろなことがありすぎた瞳子編のラストエピソード「薔薇の花かんむり」の締めは、「いとしき歳月」のリフレインを彷彿とさせる、暖かく、そして穏やかに流れていく時間を感じさせるシーン。
あれから、ずいぶん月日が流れた。
ロザリオを掛けてもらった時、未来なんて見えてなかった。一年半後のお姉さまの卒業なんて、永遠のように先のことだと信じていた。
お姉さまが自分の側からいなくなってしまったらどうしようと、無性に不安になった日々もあった。
けれど、今はここにいる。
お姉さまの送別会なのに、泣かずにいられる。
儚さの中にめいいっぱいの幸せを感じずにはいられないこのカット。ああ、これこそがマリみての醍醐味だなぁと感じずにはいられません。ゆっくりと穏やかに流れていく時間がものすごく尊く感じられる作品というのは非常に稀有だと思いますが、いやはやそれにしても見事。
……と、つらつらと書いたりまとめていたりしたらとんでもない長文エントリになってしまいましたが、いやいやそれに十分見合うだけの素晴らしいシリーズでした。まさに貯めておいて一気読みしてよかったと感じさせてくれるものでしたが、はたして今後の展開がどうなるところなのかは非常に楽しみ。撒かれている種としては妹に決着のついていない由乃、そして薔薇のつぼみたちの妹の話、さらには瞳子の成長などといったところでしょうか。まあ直近では卒業話がいろいろあるのでしょうが、世代交代がどんな形で進んでいくのか、これからも楽しみな作品ですね。
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匿名なのに、私には誰だか分かる・・・(^_^;)ありがとう。。。
投稿者 グッチ 靴 アウトレット : 2012年11月10日 04:58
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投稿者 bad credit loans : 2013年4月7日 05:20