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というわけで今日は少し早目に帰宅してぼちぼち片付けとかしてたのですが、ふっとテレビをつけたらこんな番組が。
・日経スペシャル ガイアの夜明け
「クレームに立ち向かえ! 〜苦情処理の企業戦略」
番組の内容を簡単に説明すると、とにかくアホみたいに増え続ける消費者からのクレーム。対応を一歩誤れば火に油を注いで企業存続すらも危うくしかねない昨今の実情があり、「言った者勝ち」の様相を呈するクレームをどう処理すべきかにどの企業も頭を悩ませている。そこに真正面から取り組んで、クレームを積極的な商品改善の場として会社のプロセスに組み込んでいる企業の事例と、さらにはクレームから気付きにくい消費者のニーズを読み取り、アイディア商品を開発してビジネスチャンスへとつなげていく事例を紹介する、というもの。
タイトル自体に惹かれてつらつらと見ていたのですが、まあ内容そのものは割と地味……というかよくあるクレーム対応の現場だよな、とは思ったのですが、ただ非常に一方的な番組だったのも事実。要するに、結局のところ「クレームを素直に受け止めて、それをどう生かしていくのかを考えるべきだ」という趣旨であり、クレーマーと化している消費者側の問題については一切触れなかったんですよね。(要するに、消費者側がクレーマーと化して罵詈雑言を言いまくるのは前提条件とみなした番組になっている)
けれども、お客様相談室(という名のクレーム対応係)に寄せられる電話での罵詈雑言は、何度聞いても呆れるばかり。30 分以上の罵詈雑言に平謝りを続けたクレーム対応係の方が、電話が終わったとたんにやり場のない怒りを持て余してしまっている様子がホントにかわいそうとしか言いようがなかったですが(いくら仕事とはいえ)、こういうのを見てしまうとホントに経済原理を以て解決するしかないんじゃないか、という悲しいことを考えずにはいられないようにも思えてきます。正直なところ経済原理を以て解決するというのは全く思いやりのカケラもない冷徹な世界であって、最後の手段だと思うのですが、言いっぱなしやりっぱなしで理屈も論理も通用しない人たちに対抗しうる『最後の手段』は、実際のところ、経済原理という名の暴力しかないようにも思えてきます。
# この点に関しては企業側にだって責任が、という話は当然あるでしょうが、企業側に関しては
# おそらく顧客側が企業を選ぶので、自浄作用が効きやすいと思うんですよね。
# ただ、顧客側は「数の暴力」がまかり通ってしまうので、そういう自浄作用が効きにくい。
# (ただでさえ、民主主義というのはラクしたがる人たちに優しい世界ですからねぇ;)
# なので、なんかつらつらと考えると「どよ〜ん」としてきちゃうんですよねぇ;。
先日、でじくま氏の blog に「貧乏人は医者にかかるな! 医師不足が招く医療崩壊」という本の書評が上がってましたが、医療の世界もこうしたクレーマーまがいの患者(正確にはその親族なのでしょうが)に悩まされている業界であり、ある意味では世の中の先行きを占うひとつの指標になるのかも、という気がします。「言ったもん勝ち」の世界は、端的に言えば恥を知らない人たちが公然と闊歩する世界だと私は思いますが、モラルの問題を経済原理で解決するというのは、正直寂しい……というか情けないようにも思うのですが、どうでしょうね?
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