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ええっと、先日、第二新卒に関するエントリを書いたらこんな Web ツッコミ拍手が;。
> やっぱり社会人はいいこと言うなー、とか思ってたらそういうオチですかい
うぐぅ;、ご期待に沿えず申し訳ないです;;。じゃあせっかくなので、社会人らしくちょっとはいいことを書いてみるテスト。えーと、もしこの Web 拍手を書かれたのが学生さんだったらぜひとも覚えておいて欲しいことがあるのですが、それは
「絶対に『会社』のために働くな。」
ということだったり。……と、これだけ書いても意味不明だと思うので以下説明を。
私は前職をたったの 3 年で退職しているのですが、そもそもなぜそんなあっさり退職したのかというと、それは最初のお仕事での失注経験によるもの。や、私が新入社員として最初に入ったのはかなりの大規模プロジェクトだったんですが、それが 1 年半後にまさかの失注;。まあ失注自体は社会人経験をしていればどこかで必ず経験するものだとは思いますが、実は私がこのときショックを受けたのは、この失注で当時私の上司だった本部長と統括部長が、まとめてクビを飛ばされ、そしてそのときのプロジェクトチームがみるみるうちに解体されていったことだったりします。
まあ今にして思えば、失注金額などもろもろを考えればそりゃクビを切られて当然、みたいなところもあるのですが、いわゆる日本の古典的大企業でありながらもあっさりとクビを切られたのを見て、「あ゛、これはダメだ;」と直観的に気付いたんですよね。それはなにかというと、会社に対して何かをしてあげるようなことをしても全く意味がない、ということ。
や、どういうことかというと、日本的な企業の場合には、少なからず社員に対して、会社に対する隷属を求めるような部分があります。要するに「丁稚奉公しろ」というもの。多少の不満があって文句言わずに働け、でもいずれちゃんと終身雇用なり給与なりでそうした奉公に対しては報いてあげるから、みたいな雰囲気が少なからずある。いわば昔の時代で言うところの『血の契約』みたいな文化は、実際いろんなところに残っているんですよね。
けれども、例えばサービス残業をしたとしても、もしそれが「先輩」や「上司」などのためではなく、「会社」のためだったとしたら、それは全くの無意味、ということに気付かされたんですよね。なぜなら「会社」というのは極めて無機質でドライなものだから。
会社を形作るのは社員であり人間であり、そこには血が通っている温かさがある。
けれども、会社そのものには血も涙もない。極めて冷徹な「論理」により構築されている世界なんですよね。
よく「会社に裏切られた」という表現を使う人がいますが(例:何十年もこの会社のために身を粉にして働いてきたのにこんなにあっさりとクビを切るなんて会社の裏切りだ、とか;)、私はそもそも「会社や組織を(あたかも人間であるかのごとく)信用する」なんてこと自体が間違ってる、と思うのです。なぜなら、会社や組織そのものには『情』なんてものがないから。仮に上司や社長にどんなに情があったとしても、会社や組織の判断としてそうせざるを得なかったらそうするしかない。特に経済がシビアになればシビアになるほど、そこには「情」というウェットなロジックが働く余地はない、んですよね。
そういうこともあってか、私は今でも上司や部下、そして同僚といった「人」が困ってるときに何かを手伝ったり協力することには全く抵抗感がないし、誰かに何かをしてもらったら、できる限りその恩に報いたいと思っています。……が、対会社という意味では徹底的にドライにやる、というスタンスを貫いています。つまり、会社から何かしらの支援を受けたのであれば、それは仕事のアウトプットという形で返すし、やった仕事の分に見合うだけの給料はきっちりもらう。会社や組織の売上が悪いから、なんていう理由で意味不明に連帯責任を取らされるようなことは論外、という感じ。
# この辺、若手の人だったり小さな会社だったりすると、「上司」(管理職社員)と
# 「会社」との区別がつかないかもしれませんが、この二つは全くの別物です。
# その人『本人』(=人間としての本人)と、「部長職」といったロール(役割)は
# 別物だと考える必要がある、というわけです。
先輩や上司、同僚などの本人たちにとってプラスになることなら協力を惜しむ理由は全くない、と思いますが、本人たちではなく「会社にとって都合のよいこと」だとするのなら、そこはきっちりと冷徹に損得勘定を働かせて行動すべきだろう、と思います。例えば「業績が悪いからあなたの仕事の働き分だけ給与が出せない」というのであれば、とっととそんな会社はやめるべきだし、逆に「自分の働きよりもお金をもらっている」と思うのであれば、それに甘んじることなく、きっちりと給与に見合ったアウトプットを叩き出すべき、でしょう。
対人関係はあくまでウェットに、けれども会社や組織との関係は徹底的にドライに。
まあこれは私の場合の仕事に対するスタンスというか考え方なのですが、いずれにしても「会社に裏切られた」なんて思うようなことがないような仕事のやり方はするべきじゃないかなー、と思ったりします。
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