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リッツ・カールトンといえば、現在のホテル業界では圧勝している超一流ブランド。そのリッツ・カールトンの CS(顧客満足度, Customer Satisfaction)について解説している本書を本屋で見かけて読もうかどうか迷ってたんですが、たまたま会社に転がっていたので読んでみたり。……いやこれ、めちゃめちゃ面白いじゃないですか(^^)。
リッツ・カールトンがなぜお客様から高い評価を得ているのか。それは、彼らが提供しているのがサービスではなく、本質的には「お客様への真心」であるから。……って、言葉で書くと思わず「恥ずかしいセリフ禁止!」とか書きたくなりますが、リッツ・カールトンがそれをいかにして実現しているのかを、平易ながらも本質を突いた解説で説明しています。クレドと呼ばれる行動信条(いわゆる企業ビジョン)、ザ・リッツ・カールトン・ベーシックと呼ばれる行動指針(ミッションやストラテジに相当)などが紹介され、それをいかに従業員に浸透させているのかが、心温まるエピソードと共に紹介されてます。
……と、途中まで読んでいて思ったんですが、これってやってることがまるっきり Disney にそっくりじゃないか? と。常にお客様の期待を上回るサービスをすること。「満足」を越えて、「感動」を提供すること。そうした感動が生まれる瞬間のことを、リッツ・カールトンでは「リッツ・カールトン・ミスティーク」(Ritz-Carlton Mystique、リッツ・カールトンの神秘)と呼んでいるそうですが、これっていわゆるディズニーで言うところの「ディズニー・マジック」とか「ピクシーダスト」そのもの。どちらもその最終目標は、お客様へのホスピタリティ(心からのおもてなし、真心)の提供にある。言葉こそ違えど目指すところが同じだから、それぞれがやっていることはホントにそっくりになってくるんですね。……と思ったら途中でホントにディズニーの例が引き合いに出されてるし;。いや狙ったわけでもなんでもないでしょうが、行き着く先はどちらも同じなんですねぇ。
印象的だったのは、「技術は訓練できてもパーソナリティは教育できない」という一文。リッツ・カールトンの採用試験では、学歴や経歴よりも、その人固有の性格や価値観といったパーソナリティを重視し、感受性の高さや倫理観の強さ、自立心などを見て判断するのだとか。感性のレベルが高い人であれば、自然と気配りや心配りができ、技術も自ずとついてくる。けれども、パーソナリティは長年をかけて培われるものだから鍛えられない、というんですね。こういうのって、サービスを受ける側はラクですが、提供する側の人には本当に高い感性が求められるんだろうと思います。ううっ、耳の痛い話;。情けない話ですが、自分には到底勤まりそうにないっす;。
それにしても、やはりサービス業の真髄を見せられる本は読んでて本当に楽しいし、刺激になりますね。誠意はきっとお客様に伝わる、という信念を持った筆者による、素晴らしいエピソードが多かったです。絶対に現場ではこんないい話ばかりだけではないだろうし、お客さんに裏切られるような手痛い思いもたくさんしているはず。けれども、この本に載っているような場面があるからこそ、きっとサービス業の方々は今日も明日も頑張っていくことができるんでしょうね。
いやはや、心温まるいい本でした。元気になれる一冊。業界・業種によらずに読めるので、気軽に読んでみてもいいかも。
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投稿者 名無し : 2011年12月10日 08:38