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…………………(← 惚けているらしい)
いや〜、コンプ後 1 時間ぐらい惚けてました。本気で素晴らしい出来、実に見事。他ルートが片付いてませんが、今のところは ★×5 。というか、なんでこんな素晴らしいゲームを今まで 1 年近くもプレイしてなかったのか、と激しく後悔。初限のフォーニの人形飾って安心してる場合じゃなかったですよ、ホントに;;。
シナリオテキスト中のなんということのない一文一文に篭められたそれぞれの想いの深さを、岡崎律子さんの音楽が見事なまでに奏でてくれている。切なくて悲しくて、それでいて優しい物語。
物語を終えたときに残るこの不思議な感覚。それは泣きゲーのような感動でもなければセンスオブワンダーのような感動でもないけれども、なんとも言えないこのやり場のない感動は確かなもの。シナリオテキストと音楽とがここまで見事なハーモニーを奏でたゲームを、私は他に知りません。
以下、ネタバレなのでクリアした方だけどーぞ。(本気でネタバレしてるのでクリアしてない方は絶対読まないでください、と。(^^;))
「……なんだかね、ただ……ほっとしたの。」
このセリフを見たとき、私は本気で惚けました。どの一つのセリフだって、それ単体で切り出せばどうということはないセリフだし、ト書きだって、他のギャルゲのように緻密で細かい描写があるわけじゃない。にもかかわらず、その小さな描写の積み重ねと岡崎さんの奏でる音楽とが自分の心の中に描き出したトルタの感情や気持ちは、この上なく大きかった。その物語の結末でのトルタの気持ちを、これほどまでに見事に表現したセリフには、ただただ脱帽としか言いようがなかったです。
……もうね、全編通してトルタの揺れる気持ちが痛いほど伝わってくるわけなんですよ。後半戦に行けば行くほどその揺れが大きくなっていく様子は見事としか言いようがない。ラストで、トルタがアルの〇状(一応伏字)を実は知っていた、というタネ明かしで、私は頭が一瞬にしてフリーズしました。つらすぎですよ、これ……(涙)。
あの冒頭のトルタのセリフを読んだときに、なんというか、ただただ、ディスプレイの向こう側のトルタのことを抱きしめてあげたくなった。それぐらいどっぷりと感情移入させてくれたシナリオでした。素晴らしかったです。
しかしまだ 4 ルート目ですが、こんな大傑作がどうして身の回りで評判になっていないのだろうか、と。"for RITZ" の方はいろいろ話を聞くのに、ゲームの方のシンフォニック=レインについてはまるで話を聞きません。確かに物語そのものに意味を見出そうとする、つまり「筋書きを楽しもうとする」ゲームとして解釈しようとするとピンとこないゲームなのかもしれないですが、これほどまでに音楽の音楽たる所以を見事に表現したゲームは他に類を見ないんじゃないでしょうか? amazon では "for RITZ" の評判ぶりに比べるとあまりに寂しい評価(これとかこれ)。私にはどう考えても不当な評価としか思えませんですよ....(涙)
まだコンプしてないので評価するのは早計なんでしょうが、ここまででも是非一度はプレイして欲しい一作、という印象。さすがに初回限定版はすでに市場にはなさそうですが。
逆にこれからプレイしようという方へのお薦めとしては.....
・ 無理にシナリオの先読みをしない
(先読みをすると、「推測が当たったかどうか」が主な関心事になってしまうため)
・ テキストスキップをせず、『時間をかけて』プレイする
(クリアが目的ではなく、一つ一つのセリフに漂う雰囲気にこそ作品の味があるので)
・ スピーカーの音量は大きめに
(音楽を聞かずしてなんのためのシンフォニック=レインだ、と(^^;))
といったところ。ゆっくりと一つ一つのセリフを味わいながら、そして雨の降り続けるこの街の雰囲気そのものを存分に楽しんで欲しいです。
# ちょっとすぐに他のキャラに行く気はしないので、しばらく時間空けてから続けよう....
# というかトルタ放置して他キャラなんて、ぶっちゃけ ありえない かと(^^;)。
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