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以前の「国民年金は何年で元が取れるか?」のエントリの続きの話。先日、この番組の話を某氏としてたんですが、この番組の後半に出てきた医療費の節約話。私も多少「?」とひっかかったのですが、詳細を聞いてなるほどという話だったので書いてみたり。
どんな番組だったかというと、救急外来の医療費を節約する方法、という話なんですが、救急車で運ばれた場合と、自分で歩いていった場合にどちらが安くなるのか、という問題。
・午後 9 時過ぎに救急車で運ばれた A さん。
・午後 9 時過ぎに自分で歩いていった B さん。(病院に着いたのは午後 10 時過ぎ、という仮定)
てっきり A さんの方が高くなるのかと思ったら、正解は B さんの方が全然割高。時間外診察になると最大で 1,440 円(自己負担額)の割増になるのに対し、実は救急車の利用はタダだから、なんだとか。
私はこれを見て、「ふーん、救急車の費用って病院持ちになるのか、病院側も経営は大変なんだなぁ」と気軽に考えてたんですが、実は全然違ったらしい。救急車の出動にかかるコストは 1 回あたり約 \45,000、そしてそのコストは我々の血税から払われてる、というのが正解なんだそうです。
カラクリは単純で、要するにこういうことらしい。
・救急車は病院の持ち物ではなくて、消防署の管轄になっている。
・消防署のコストは税金でまかなわれている。救急車も同様。
・消防署は 119 で受けた救急車の出動要請を断れない。
・当人が乗車拒否などをしない限りは、病院への搬送義務がある。
・消防署側は搬送(+救急手当て)を、病院側は詳細な治療を、という役割分担。
・病院側は特殊な事情がない限り、救急車の受け入れを拒否できない。
現場ではタクシーがわりに救急車を使うようなケースも実際にあるんだとか。それを助長しかねない番組というのも確かにちょっとひどい話ですね。しかもゴールデン枠だし。
そういえばたしか救急車を有料化しようとかいう話があったと思い出したわけですが、切り分けが難しいことを考えると現実性は薄いかも。良識を持って使う、という一言に尽きるんでしょうが、いくら節約・倹約術の番組だからといっても、こういう説明はちゃんと最後までしないといけないですね。
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リアルで幼女を診ている者です。(ぉ
あかね☆さんに上のことを吹き込んだ張本人です。
#つーか、口頭で話しただけなのによく正確に覚えているな、この人は。
補足をば。長文ですがごめんなさい。
結局、どんなときに救急車を呼んだらよいのか、という話になると思います。まず、一例を。
A.義理の妹(CV.野川さくら)に食べさせられたモノが当たって七転八倒している青年。
B.居候とトランプで遊び始めたときに痙攣を起こした女児(CV.川上とも子)。現在痙攣止まっている。
このうち、救急車を呼んだほうがよいのはどちらでしょう?(ただし、2人ともvital sign=心拍数などは安定している)
答えは、B。
多分、普通の感覚では逆だと思います。
理由は以下の通り。
・食中毒、腹痛は本人の痛みがひどいことも多いが、刻一刻を争う必要まではないことが多く、タクシーで十分。
・痙攣は止まっていても再発の可能性あり。救急車では酸素投与できるため、呼んでおいた方が無難。
#ま、野郎に救急車は不要という話も。(汗
とまぁ、こんなところですが、あくまでもこれは一般論。
上の質問を医療従事者にした場合、たぶん意見は分かれます。また、当たり前ですが、症例ごとに適応は違います(ケース・バイ・ケース)。
タクシーか救急車か分からない場合は、救急車を呼んでしまったほうがいいでしょう。45k円より人命の方が大切ですし。
ということで、闇雲には救急車を呼ばないでくださいというお話でした。
#突っ込み上等>関係者(笑
今日のまとめ:おなかがおなかが大ピンチの時にはタクシーで。
投稿者 恥めてのお医者さん : 2005年3月30日 14:00
追加。外国では救急車が有料というのは常識です(1回日本円で数万)。救急車に乗せるときに、お金が払えるかどうかをチェックするのが一般的だそうです。
ただ、日本のように保険診療がしっかりしていないところがほとんど。
現状の、水・空気・医療は(ほぼ)タダという風潮の中では、救急車を有料化するというのはなかなか厳しいかも。
保険診療の功罪ですね。
投稿者 恥めてのお医者さん : 2005年3月30日 14:06
意外にツッコミないですね、そちらの方面から。(汗)
しかし選択肢がよくないですね。そりゃ一般的な感覚でもBでしょう、という。(^^;)
医療がタダという認識まではないにしても、救急車のような緊急時の社会サービスは誰でも受けられる、という認識はあるかもしれません。
行き過ぎた権利の乱用がない限りはいいことだと思うんですが、難しいですよねぇ。
投稿者 まちばりあかね☆ : 2005年4月2日 00:03