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うあ、これまたすごいものを;。
・Playstation Home
http://www.youtube.com/watch?v=bRb-mCsHQ0c
YouTube 以外にもいろんなところに情報が up されているので検索かけてみればいろいろヒットすると思いますが、これ、要するに PS3 を端末に使った MMO。Wii の Mii のようなアバターシステムを持ち、自分のおうちを増強しつつオンラインでいろんな人とチャットができたりするバーチャルタウン。オンラインでちょっとしたゲームも楽しめるみたいですね。
さすがに PS3 の高度なグラフィックス性能を生かしているだけあって見た目はきれいなんですが、中身は自分的にはどうかなー?と微妙に思ったりしなくもなかったり。や、グラフィックスとして萌えないというのもありますが、それ以上にこのシステムって従来型の MMO システムを超えていないと思うんですよね。
実は ECO をやっていて思ったことですが、ECO を初めとするほとんどすべてのオンラインゲームは RMT(Real Money Trade、実際の現金でゲーム内のアイテムや通貨を売買すること)を禁止しています。その理由として、RMT が不正プレイや犯罪の温床になるから、という大きな理由があるのですが、おそらくそれ以外にも、RMT を禁止しないとゲームバランスが維持できず、さらに実際のお金(利益)をゲーム会社側が総取りできなくなるというビジネスモデル的な問題もあるんじゃないかと思うんですよね。
例えば ECO には、ECO くじと呼ばれるとんでもなく高額なおみくじシステムがあります。1 回 500 円でレアアイテムを get できるというものなんですが、当然レアアイテムが出る確率はかなり稀少。そうしたレアアイテムも露店に出ていることがありますが、当然ながら超高額;。
また MMO のゲームシステムの特徴の一つに、プレイヤーのスキルよりも投入した時間の方がよく効くというのがあります。例えば、レアアイテムは必ずしも強いモンスターからドロップするわけではなく、弱いモンスターから低確率でドロップする。そういうふうにシステムが作られているので、「投入した時間が長いプレイヤーほどレアアイテムを get する確率が高くなる」んですよね。
ところが RMT によってゲーム内のお金が「買えて」しまうと、かけている時間が短いプレイヤーでもレアアイテムが(露店ゴーレムから)購入できてしまうし、あるいはレアアイテムについても、オフィシャルから買うより RMT 経由で買った方が手っ取り早い、ということになってしまいかねない。RMT が入ることによって、ゲームバランスやレアアイテムの希少性がコントロールしにくくなってしまうんですよね。
ところが、この考え方を抜本から覆した MMO があります。それがセカンドライフと呼ばれるゲーム。日本でもいよいよβ公開がされたようですが、このゲームの考え方は ECO なんかとは全く違うんですよ。
・モデリングツールが提供されており、ユーザが自由にアイテムを作ることができる。
・それを自由に販売することもできる。
・ゲーム内のお金はリアルマネー(US ドル)に換金することもできるし、逆にリアルマネーでゲーム内のお金も購入できる。
つまりセカンドライフの場合、ゲーム会社はあくまでインフラプレイヤーに徹し、コンテンツはプレイヤーが作るようなビジネスモデルを持っているんですね。(実はこのモデルは Web 2.0 の重要なモデルの一つである CGC(Consumer Generated Contents)の考え方に則っています) これと比較すると ECO などの MMO のモデルは分かり易くて、ゲームの元締め(ガンホーやゲーマーズ)がインフラプレイヤーと共に、コンテンツ制作を兼ねるモデルになっている(これは従来のオフラインゲームがオンラインに対応して拡張されたようなモデルであって、質的変化を含んでいない)。だから、RMT などは自ずと禁止した方がよいモデルになってる、と思うんですよね。
# もちろん、CGC タイプのゲームの場合、全体のクォリティをどう維持するのかという問題もあります。
# ECO のようなゲームはグラフィックスが萌えることが重要ですが、こういうものはやはり元締めがきちんと作らないとゲーム全体がスポイルされる危険性が高いわけで、現実的にも今のビジネスモデルがベストでしょうね。
で、前述の Playstation Home は、見た目が非常に Second Life に似ているのですが、システム的なところを見ると実は従来型のビジネスモデルを踏襲しているために新しさはない、と思うんですよね。や、グラフィックスとかは強化されていますが、肝心のビジネスモデルなどが変わっていないために基本的には従来の延長線で捉えられる範囲におさまってしまっている。そこが惜しいところのように思えます。
Wii が大ブレイクした一因には、やはりあの振り回しコントローラに見られるような「質的な変化」を内包していたことがあると思うのですが、こういう変化を生みだすことはなかなか大変なんでしょうね。
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