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というわけでようやくこの本を読破。
や、とっとと読みたいと思ってたんですが、なんかぼちぼち忙しかったせいで随分と読むのが遅れてしまったり。この本がどんな本なのかについては著名 blogger の R30 氏が詳細なネタバレを書いているのでそちらを参照していただくことにしますが;、ものすごーく大雑把に言うと、いわゆるシリコンバレーと呼ばれる IT 最先端の地はどんなところで、そしてそこで働く人たちはどんな条件下でどんなメンタリティを持って働いているのか、について書かれた本。で、もしその文化に馴染めそうだったらシリコンバレーで働くのもいいかもよ? って書かれている本だったり。
……なんですけどね、この本めちゃめちゃ面白いです。
いや何がって、シリコンバレーがどんなところなのか、その空気がものすごーくよく伝わってくるんですよ。ああ、なるほどこういう文化を持っている土地なのか、と。
シリコンバレーは、子供のころ、「君ってオタク〜」という偏見をもたれてきた人がたくさん集まっている地でもあり、しかも、そういう人が尊敬される場所。エンジニアでは、服装がこぎれいな人より小汚い方が「できるやつ」と一目置かれたりする。通常は場がしらける技術の話が、パーティの小話の主たるテーマだったりする。
エンジニアだったら、男子が長髪でポニーテールだろうが、スカートをはいていようが、女子がパンクロッカーばりばりで髪の毛が逆立っていようがOK。能力あるエンジニアは非常に限られた資源。スキルさえ高ければ他のすべてが許される。面接に30分以上遅れ、ペンもノートも持たず完全に手ぶらで登場、服装は腹だしセーターにジーンズにブーツの女子でも、中身が超級だったら問題なし。エンジニアは神様なのである。
ちょ、ちょっと憧れる……かも??(笑)
……という冗談はさておき^^、シリコンバレーの文化ってものすごく面白い。彼らがそんなムチャクチャな風貌でも許されてしまうのは、彼らがホントの超一流の技術者集団であり、レイオフ(会社都合による集団解雇)が常態化している社会の中で常に努力して走り続けられる人々だから。会社に頼らず、自分個人の能力を極限まで磨き、その腕一本で会社から会社へと渡り歩いていくフリーランスたちがごまんといる社会って、確かに凄いところなんだろうなぁ、と思ったり。
実はしばらく前にアメリカのいわゆる Web 2.0 系の会社の人たちと一緒にお仕事する機会があったんですが(といってもたいした仕事ではない;)、ものすごく面白かったんですよね。確かにむちゃくちゃ優秀な技術者揃いであることは分かるけれども、それ以上にとにかく社員も会社も明るくて元気。誇りと自信を持って働くエンジニアが多いと、自ずと雰囲気がよくなるんですよね。あの空気や雰囲気は日本にはなくて、(その部分だけ切り出すと)ちょっと憧れるものがありますね。
でも自分がシリコンバレーで働きたいかというと、全くその気になれないなと思ったのも事実だったり。や、英語ができないという致命的な事実もありますが、なによりやっぱり日本と日本人が好きなんですよねぇ;。どうせ自分の力を役立てるのなら、みんなのため(=不特定多数のため)よりは身近な人たちの方がいいし、日本からは離れたくないんですよねぇ。や、アニメとか漫画に溢れる日本を離れるなんて絶対に無理とかいう話もありますが;
この本を読んでみてちょっと興味を覚えたのは、この本に出てくるような人たち(ギークとか)が何に対して帰属意識を持っているんだろうか、という点。私は結局のところ日本に対して強烈な帰属意識を持っているからこういう発想になるわけなんですが、彼らはいったい何に対して帰属意識を持っているのだろうか、と。それはシリコンバレーなのか、祖国なのか、それとも地球全体そのものなのか。海外で働くことを違和感なく決めてしまう人たちは少なからずいるのですが、私にはどうも感覚的に理解できなかったりします;。
と、つらつら書きましたがなにはともあれこの本、日本とアメリカの文化の違いを知るには最適な本だし、読み物としても結構面白いので、ちょっと興味がある方は読んでみてもいいかもしれません。2時間ぐらいでさくっと読める本ですし^^。
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