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や、ぼちぼち仕事も忙しくて、今日も朝っぱらからアニメを消化……してたんですが、朝っぱらから泣かせてくれるなよ状態;。このお話、原作でも秀逸な一作なんですが、アニメ版は声優さんたちの名演技と映像力の強みで、原作をひと回りもふた回りも大きく見せてくれた素晴らしい一作になってますね。いやー、めっちゃ良かったです。
要するにこのお話って、レーゾンデートルのお話なんですね。(レーゾンデートルというのは、直訳すると「存在理由」ですが、私は人に対してこの言葉を使う場合には、どっちかというと「心の拠り所」みたいに意訳した方が分かりやすい気がします。)
長くて美しい黒髪(アニメだと青いけど;)を持つ藍華。彼女が髪の毛を伸ばしているのは、憧れのセンパイであるアリシアさんのような、綺麗で素敵なウンディーネになりたいから。けれども彼女はヘマをして、バーベキューで自分の髪の毛を焦がしてしまう。それは、自分にとっての心の拠り所の喪失。この後、灯里とアリスが藍華の焦げてしまった髪の毛をそろえるために彼女の髪を切ってあげるのですが、二人はなんとか少しでも髪の毛を残そうして、セミロングの髪型に仕上げるんですよね。けれども、それは中途半端でアリシアさんみたいになれない自分にさらに追い討ちをかけるだけ。
「……アリシアさんみたいになりたいだなんて、初めから無理だったんだよ。
なんか、バカみたいだよね、あたし……」
そんな藍華を、晃が一刀両断して切り捨てる。
「いや、無理だね。お前がアリシアになろうなんて、無理に決まってるだろ。
どんなに願ったって、お前がアリシアになれるわけがないんだからな。」
アリシアさんみたいになりたい自分から、自分になりたい自分への脱皮。それは、アリシアを目指していた彼女にとっての新しい心の拠り所であり、only one の自分の新たなレーゾンテートルなんだと思うんですよ。だからこの物語は、翌日にバッサリと髪の毛を切り落としてショートヘアになってきた藍華に対して、アリシアが新しくなった彼女を褒めることで幕を閉じるんですよね。
「その髪型、とっても藍華ちゃんらしいわね。
しっかりもので、元気なあいかちゃんにピッタリよ。」
彼女が目指すのは未来の自分。いやもうお手本通りのストーリーといえばまさにその通りなんですが、この暖かい心のやり取りが非常に心地よい。灯里もアリスも晃もアイもアリシアも、接し方やスタイルは全然違うけれども、それぞれができるやり方で、藍華のことを思いやっているんですよね。それがものすごく好循環を産んでいくというこの世界観は、見ていて心が温かくなってくるような気がします。
非常にいいエピソードの多い作品ですが、今回はその中でもかなりの秀作でした。はい。
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