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コンティンジェンシープラン

 や、そんなわけでさっきはとりあえずダミーエントリを一発上げましたが(ぉぃ)、ちゃんとまともなエントリも一つ。

 今朝はなにげに大規模停電発生で、多方面でえらいことになっていた様子。一昨日には落雷で山手線まで止まってたので、これは大魔王のお導きかっ?! と意味不明なことを思いましたが(違)、ふと先日のコミケのときに興味を覚えたことを思い出してしまったり。や、いわゆるコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)と呼ばれるもの。

 例えば我々が使っているパソコンの場合、停電が発生したらおそらくそれだけで一巻の終わりでノックダウン。けれども例えば銀行のコンピュータシステムなどの場合は数分間のシステム停止ですら何億もの損失を生んでしまうこともあるので、こういった停電などが発生した場合でもすぐさま復旧できるように、必ずコンティンジェンシープランというのが組まれています。それは例えば普段からデータのバックアップを取っておくだとか、予備のシステムを用意しておくとか、遠隔地にバックアップセンターを用意しておくだとか、分散処理させるだとか、その他もろもろ。何層、何重もの対策を打つことで、大震災などが起きた場合でもシステムが全面的に停止しないような工夫がなされていることが多いんですよね。

 しかしこうしたコンティンジェンシープランは何もコンピュータシステム特有のものではない。例えば会社の重役クラスの人であれば、自分に事故にあって突然仕事ができなくなったら、誰をどのような形で組み替えれば仕事を継続させられるのか、というプランを作っておく。あるいは個人情報が漏洩していることが判明した場合には、どのようにお客さんとコミュニケーションしていくのかのプランを作っておく。医療の現場などではこうした『危険』は事前回避が鉄則ですが、万が一発生してしまった場合にどう対応するのかというプランを作っておく。

 もちろん危険は回避できればそれに越したことはなく、回避するために様々な策を講じるわけですが、でも完全に回避しきれるわけではない。このため、発生しうる『危険』について、発生確率と被害の大きさを勘案して、万が一発生してしまった場合の対応策(コンティンジェンシープラン)を作る。こうすることで、危険(danger)をリスク(risk)化して管理可能なものにしていくんですね。

# あ、余談ですが、"risk" と "danger" はちょっとニュアンスが違います。"danger" とは予測不可能な『危険』を意味し、"risk" とは予測し管理をすることが可能なものを意味します。
# 多くの場合、"danger" はそれを分析し、発生してしまった場合の対策を決めておくことで管理可能な状態にする(すなわち "risk" 化する)ことができます。こうすることで、安定的に物事が進められるようにする、というわけです。

 で、先日のコミケに参加して思ったこと。

「このコミケのコンティンジェンシープラン、一度見てみたい^^」

 いや、コミケってあの数十万人規模の参加者を見事なまでにコントロールしているわけですが、それはスタッフの方々の熱意もさることながら、バックに存在する司令塔チームの優秀さがかなり大きいと思うんですよね。入場導線の作り方や誘導の仕方の洗練ぶりの節々からも、いったいあれだけの計画をどうやって組み上げたのだろうと思うことしばしば。

 そんな優秀なスタッフ陣であれば、コンティンジェンシープランを考えていないはずがない、んですよね。特に最近は愉快犯も含めた多数の脅迫状も送られてきているそうで、コミケ準備会も事あるごとに参加者に注意を喚起している。けれども実際に万が一、爆発事故があったらどうするか、火事が発生したらどこからどう誘導するか、それこそ刃物を持った人が暴れだしたらどうするか。そういった何百という『想定危険』についてシミュレーションし、それぞれについてコンティンジェンシープランを考えているはずだと思うんですよ。

 私はコンピュータシステム関連のコンティンジェンシープランについては見ることがあるんですが、こういった『人が集まる場所』に求められるコンティンジェンシープランには一般には想像しえないような『想定危険』も含まれている(はず)。コミケに限らず、一般的に、コンサート会場や各種の公共機関(電車や飛行機など)などのコンティンジェンシープランはどれも『機密事項』でなかなか人目に触れる機会はないものなのですが、自分の勉強も兼ねて一度見てみたいものだなぁと思ったりします。

[追記] 2006/08/15 09:30 頃

 朝のニュースを見ていたら、電源供給ラインは電柱の左側と右側で 2 系統用意されていてちゃんと二重化されていたんだとか。で、両方の送電線を傷つけてしまったので停電したらしいんですが、なぜ電柱そのものを別にしてなかったんだろう、とかというコメントが。

 この二重化は、おそらく送電線の自然老朽化などによる不慮の断線に対する対策(=同時に 2 本が断線することはないだろう)のためのもの。例えば多少距離を離して電柱を分けたところで地震などの災害による倒壊には耐えられない。そういった『極端な』災害に対しては、別方面からの電源供給ラインへスムーズに切り替えられるようにしておく、とかの対策が必要。となると、電柱を 2 本に分けることによって回避できるリスクって、おそらくそれほど多くはないんじゃないか、と。

 今回は復旧までに 3 時間だったそうで、これが早いのか遅いのかは私にはピンとこないですが、ただ、これだけの大規模停電でありながら目立った事故もなかったのは不幸中の幸いですね。でも送電線を破損させた会社には損害賠償請求が行くらしく、なんかそれを思うとなんともはや……という気もします。うーん。

投稿者 まちばりあかね☆ : 2006/8/15 01:27 | その他

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コメント

コンティジェンシープラン->コンティンジェンシープラン
(Contingency)かと思います。

投稿者 MSOG : 2006年8月15日 10:22

う゛、しまった基本的なミスを。(笑)
simulation をシュミレーションと書いてしまうような恥ずかしさですね;。
というわけで修正しました。ご指摘 thx ですw。

投稿者 まちばりあかね☆ : 2006年8月15日 11:39

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