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幻想水滸伝 I に続いて II をプレイ中。仕事の移動時間などにちょろちょろプレイしているのでなかなか遅々として進みませんが、すでに 12 時間突破……するもようやくちょうど半分といったところ。I はさくっと消化プレイでしたが、II は夏のこたつさんからちゃんとプレイしろ命令が出たのできっちりプレイしてるわけなんですが、とりあえずひと言。
ちょっ……このゲームってこんな神ゲーだったか??;;
いや確かに良かった記憶はあるんですが、なんというか改めてリプレイしてみると神ゲーのひと言に尽きる。プレイ開始直後から風格の違いを見せ付けてくるという凄まじさなんですが;;。
基本となる骨格自体は 108 人の仲間が登場する群像劇なんですが、戦争に巻き込まれていく様々な『個人』が折り重なることによって生まれていく歴史の重さが、作品の至るところから伝わってくる。明確な善と悪が存在するわけでもなく、そして誰しもが望んで戦っているわけではない。何のために戦っているのか? なんでこんな戦争をしているんだろう? そうやって正気に戻った瞬間に、何もかも投げ出したくなるような感覚。それがうまく描けている。
主人公の親友であるジョウイが、ミューズ市のアナベルになぜ戦うのかと理由を問うたところ、彼女はこういうふうに言うんですよね。
「戦いからは何も得られはしない。ただ、失わぬために戦うのさ。」
戦争という大きな流れの中では、人々の命は軽んじられ、時として取引の道具や策略の生贄とさせることすらある。けれども、立ち返ってみればそこにあるのは一人一人の命。逆らうことのできない大きな流れと、その中でのちっぽけな個人の物語との対比、それがとにかく素晴らしい作品なんですよ。そしてなにより素晴らしいのはなんといっても……
ナナミかわいいよナナミ^^。
や、うかつにも年上お姉ちゃんのナナミに萌えまくってるんですがこれってどーよ?(爆)
作品の主人公と義理の姉であるナナミ。二人はハイランド王国にあるキャロの街で平和に暮らしてきた、ごくごく平凡な姉弟だった。にもかかわらず戦争に巻き込まれ、さらには運命のいたずらで真の紋章を与えられた主人公は、ついには新同盟軍のリーダーにまで抜擢されてしまう。そこに居合わせたナナミは、それに納得できずに物凄くうろたえてしまう。
「ちょ、ちょっと、ちょっと待ってよ。なんで? なんでなの?
なんかおかしいよ。どうして? 説明してよ。」
リプレイしてみて非常によく分かったのですが、ナナミって、このゲームで唯一、一般人としての感覚をずっと持ち続けるキャラなんですよね。戦争に巻き込まれていく中では、あれこれ考えずにその状況を受け容れてしまった方が、ずっとラクでいられるし、辛くない。けれどもナナミは、意味を見出せないこの戦争の中で、ずっと悩み続けるんですよ。なんでこんなことをしてるんだろう? って。ミューズ市から逃げ延びて野宿をする中で、ナナミが主人公にこんなことを語るシーンがあります。
「あのさぁ、あのさぁ、どこか遠い所へ行かない?
こんな戦いばっかりのところは逃げ出してさぁ、どっかの山の中でさぁ、かりとかしてくらすんだよ。
畑もちょっとたがやしてさぁ、3 人でならなんとかなるよ……」
「……うそ。ごめん……そんなことできるわけないよね……ジョウイをおいて……」
「つかれたなぁ……もう寝るね。おやすみ……」
戦争という大きな流れの中では、個人のそんなちっぽけでささやかな願いすらも叶えられず、生きることで精一杯にならざるを得ない。この「どうしようもない」感覚が、ものすごくよく描けている。
そしてそれと同時に、どんな状況になったとしてもお姉ちゃんとして変わらずにいてくれるその様子が、ものすごく幸せに、そして愛しく感じられる瞬間があるんですよ。主人公はどんどん出世して偉くなっていくけれども、お姉ちゃんのナナミだけは、いつまでたってもこの新同盟軍のリーダーを「しょうがない世話の焼ける弟」として扱ってくれる。どんな状況になっても、絶対に自分を特別扱いしてくれない。それは本当の家族の姿そのものなんですが、そういう『側に変わらずにいてくれる存在』がものすごく有難く、そして幸せに思えるその瞬間や感覚を、非常によく描けてると思うんですよね。
「もー、しょうがないなぁ」みたいな雰囲気でナナミにたたき起こされる幸せっていったらありゃしません(笑)。
# っていうか、お姉さんがいる人ってどういう感覚なんですかね?^^
# 私は長男なのでこの辺はイマイチよく分かりませんが。
と、ナナミの魅力を熱く語ってみたわけですが^^、このゲーム、ナナミに限らずとにかく魅力溢れるキャラが多いです。おそらく主人公が一番魅力に乏しい(というか没個性的な)キャラなんですが、他のキャラにはとにかく魂が宿っていると感じさせてくれるし、なんてことのないセリフのひと言ひと言に重みがある。夏のこたつさんいわく「個人的には史上一押しの RPG」だそうですが、確かにそうだと感じさせてくれる一作ですね。
ちなみに現在はようやくグリンヒルに入ったところですが、いやはや、まだまだ時間がかかりそうですねぇ^^。
# しかしさすがに今日は眠い……明日はゆっくり寝て明後日に備えねば;。
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ゆっくりplayしているようですが、惜しみ惜しみやって下さい。
こんなゲームそれこそ他に無いので。
この幻想水滸伝シリーズは仲間集めとか本拠地システムとか
魔法に代わり紋章という概念で代用しているとか。様々な箇所での
コンセプトそのものの良さで成功しているのですが、それでもシリーズの
全てで大成功というわけではなく、真の大傑作はこの2だけでしょう。
(先日playした5はそれに次ぐかもしれませんが)
数あるゲームソフトのそれこそ1000本に1本、あるいはそれ以下の確率に
なるのかもしれませんが、あらゆる要素が見事に噛み合って神品のごとき
強大な吸引力を持つことがまれにあります。これはその数少ない実例でしょう。
ゲームをクリアするのは「別れ」としか思えない感強し。
この2はシナリオライターが歴史に詳しいということもあって、
様々な箇所で芸の細かいことをやっています。街の人々の会話が行くたびに
変わっている事が多く、驚きます。そこまで血が通っているのは驚き。
それにしても、主要キャラの存在感の手応えは大したものです。
何年経過しても古い友人のように記憶に残っています。
1からの参加のフリック・ビクトールあたりは準主人公でしょうか。
外伝を作るならこっちのキャラのほうがましだった気もします。
いずれにせよ、未playの人はぜひやってみて下さい。
投稿者 夏のこたつ : 2006年5月3日 21:39