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マリア様が見てる〜くもりガラスの向こう側

 というわけで遅ればせながら新刊のマリみてについて。や、読んだのは随分前ですが、いろいろ準備が;。すでに瞳子が祐巳の妹になることは確定でしょうけど、いや〜、見事な一冊でした。というわけで、以下ネタバレですが軽く感想を。

 この一冊、要するに祐巳が瞳子のお姉さまになるために必要な通過儀礼というか、成長劇なんですね。前作「未来の白地図」のラストの一節ですが、

 あの時、本心から瞳子ちゃんを妹にしたいと思った。
 なぜ、そう思ったのか。瞳子ちゃんのどこが気に入ったのか。うまく口にできないけれど。でも、それは確信だった。
 志摩子さん流に言うなら。―――「何となく」。
 何となく、瞳子ちゃんが妹なんだって、そう感じたのだ。


 祐巳は瞳子を妹にしたいと思ったわけですが、それは同時に、瞳子以外の妹はあり得なくなってしまった、ということでもある。本編で、瞳子にフラれてしまった祐巳の気持ちを少しでも癒すためにお姉さまが企画してくれた新年会でも、祐巳はどこかに寂しさを抱えてしまう。それを、由乃はこう指摘するんですよね。

 幸せ、って思った瞬間、心の中にすーっと冷たい風が忍び込むのはどうしてなのだろう。
 楽しい気持ちも、幸せな気持ちも、偽りではない。百パーセント本物なのに。
「気持ちをしまっておく部屋が違うんでしょ、それは。」
「部屋を先に作っちゃったのに、住むはずの妹がいないから、今、祐巳さんの心の中ですきま風が吹いちゃってるんだよ。」


 けれども祐巳の本当の不幸、それは心の中に単に「妹」という部屋を作ってしまったことではなくて、「瞳子の部屋」を作ってしまったということなんですよね。だから、その部屋は瞳子によってしか満たすことができない。でも、祐巳は間違えてしまった。

「でも、自分の気持ちを偽ることは、良いこととは言えないと思います。」
「乃梨子ちゃんは、瞳子ちゃんが私のことを嫌いじゃない、って思ってくれているんだ?」
「はい」
「じゃ、きっと私が何かを間違えちゃったんだね。」
「間違えた?」
「時とか、場所とか、相手の気持ちとか、伝え方とか……かな」


 相手の事情、抱える悩み、心、気持ち。自分のことを話さない瞳子のことを少しでも知りたいと思う祐巳はどんどん追い詰められていき、最後には瞳子の抱えるものそのものを知っている柏木の手を借りようとしてしまう。けれども柏木の家の前まで来ていよいよとなったとき、最後の最後に祐巳ははたと気付く。それが、瞳子の気持ちを汲み取らない、一方的な自分の感情であることに。

 相手の気持ちを少しでも知りたいと思う心。それは相手のことがホントに好きなら当たり前に湧き上がってしまう感情だし、時としてそれがどうにもならなくなってしまうこともある。けれども、それは祐巳の身勝手な感情。それを振り回している限り、彼女は決して瞳子のお姉さまになることはできない。もともと祐巳は『お姉さま』としての資質に欠ける面があって、友達として瞳子と同列に並ぶことはできても、姉として瞳子に接することができない。そういうフランクさが祐巳の魅力であると同時に、『お姉さま』になれない理由にもなってしまっていたんですよね。しかしそこを超えることで、初めて祐巳は『お姉さま』としての資質を得ることができる。

 そんなことをする人は、お姉さまじゃない。
 そう呼んでもらう資格はない。
 祐巳は踵を返して歩き出した。


 いやー……さすがというか参りました状態。実は今回の一冊で瞳子がさくっと祐巳の妹になるのかと思ってたんですが、まさかこういう展開になるとは予想もしておらず。特に祐巳の精神的な追い詰め方が見事で、ラストの祐巳がとにかくカッコ良すぎる;。や、こういうのって頭で理解していても感情が追いつかなくて出来ないという類のモノだと思うんですが、この『どうにもならない恋愛感情』と、それを克服していくラストシーンの祐巳の姿を見事な筆致で描き切ったのは凄かったです。祐巳は感情先行型の行動を取ってしまうことが多かったわけで、確かにこのエピソードなくして妹選びに決着は付けられない。読み終えてみれば、そう思える一冊でした。

 それにしてもこれ、いったいどうやって話を収集つけるつもりなのか? すでにストーリーラインは出来上がってるんでしょうが、それにしてもよくこんなストーリー作るよなぁ……という印象。マリみての真骨頂は「いとしき歳月」のあたりだと思ってたんですが、ここ数冊の出来はそれと同クラスかそれ以上かも。いつもながら感心させられます。> マリみて

 で、それはともかくここからが本題。や、絶対やるだろうと推測されてるとは思いますが、やってみましたよ、ハムエッグに麺つゆ(笑)。えー、もちろん市販製じゃなくて自家製ですよ?^^ 麺つゆの作り方は非常に簡単で、しょうゆ:みりん:だし汁= 1 : 1 : 3 の比率で混ぜて、軽く煮立ててアルコール分を飛ばすだけ。ちなみに天つゆは 1 : 1 : 5、そうめんのつゆだと 1 : 1 : 7。うわー、めっちゃ簡単、暗記できますよこれww。

 

 そんなわけで試食……うーん、想像通りの味ですね;。や、基本的に味が薄いので結構大量にかけないとダメっぽいかも。どちらかというと、かけて食べるよりも、天ぷらみたくどぼっとつけて食べるの方が正しいような気がします;。うむむ。

投稿者 まちばりあかね☆ : 2006/4/13 03:24 | 3.アニメ&コミックス

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