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というわけであいかわらずお仕事中なわけですが、明日は朝が早いので、さくっと先日発売されたコミックスの感想を書いてみたり。っつーか疲れた……眠い……;
「確かなものは何もない。ただのやせ我慢さ。
大層な理屈や悟りを開いたわけじゃない。
倒れそうで泣きわめきそうなのを思いっきり無理してるんだ。
……そうするって決めて、どうにかやれてるだけだ。」
なんつーか、展開そのものは荒唐無稽以外のなにものでもないんですが、にもかかわらず最後の読後感は悪くなかったですね。テーマは作品中で饒舌に語られているので今さら繰り返すまでもないでしょうが、絶望のどん底でもなお意志を強く持つ姿を描き出そうとしたあたりは悪くなかったんじゃないかと思います。テーマ設定の落としどころとして、歩が清隆に勝利した理由付けを、意志の強さ、そしてその裏づけとして、清隆と歩の信じるものの違い(清隆は自分を信じ、歩は夢を信じた)を持ってきたあたりは、愚直なテーマ設定ながらも悪くなかったんじゃないかと思います。
ただ、作品全体として見てみるとやはり無理がありすぎましたね。というか、それは推理でも論理でもないでしょとしか言いようのない無茶な展開が多くて、作品全体に説得力がない。ブレードチルドレンの設定にしても、(理解できなくはないにしても)説得力としてどうかと言われれば、疑問符がつくものばかり。特に後半戦は理屈ばかりが増えすぎて語りが多くなりすぎたのも問題でしたね。「他に抜け道がない」ということをきっちり押さえながら、読者の思考速度に合わせて論旨を展開していかないと、誰も納得してくれないと思うんですよ。そこがちゃんとしてないと、せっかくテーマ設定が良くても作品としての説得力がなくなってしまう。
このテーマを描くのに、ここまでやたらと複雑な設定や展開が本当に必要だったのか? 推理モノとしての面白さのみを追求するにしても、読者がついていけなくなるようなストイックすぎる展開も、それはそれで考え物のような気が。スパイラルの場合、もともと推理モノのみを目指していたわけでもないでしょうから、もっと単純な展開でも良かったんじゃないかと。いやむしろその方が読者の共感を得られたのではないか? と思えてなりません。その辺がもったいなかったですね。
それにしてもこの作品、アニメやってたのってどれだけ昔なのやら状態ですね;。いつものことながら、最新刊が出たときには前巻の内容をすっかり忘れているというのも……^^。
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