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コミックス版 ARIA

 先日の ARIA The ANIMATION のエントリへの Web コメントで、原作コミックスが良かったという話があったので読んでみたり。原作読んでみると、なるほどと腑に落ちる点が多いですね。アニメ版では作品舞台に関する設定がほとんど出てこなかったこともあって、どういうふうに見ればよいのかさっぱり分からなかったんですが、コミックスを見たら、ど真ん中直球勝負な設定じゃないですか、これ。

 この作品のテーマは、「すぐそこに当たり前のようにある、けれども気付きにくい幸せ」なんでしょうね。

 作品の舞台になっているアクアは、開拓された火星。すでに地球は合理化が進んでいて、日常生活の作業はすべて自動化されていて面倒なことなど一つもなくなっている。そんな地球の最先端の科学で開拓されたはずの火星では、なぜかそうした自動化が一切排除され、古き時代の地球のように、すべてのことを自分でやらなければならない。それは明らかに「不便」なはずなのにもかかわらず、そこに住む人々は皆、幸せそうな顔をしている。地球(マンホーム)からやってきた主人公の灯里もまた、そうした「不便」の中に当たり前のようにある幸せに気付き、それを楽しんでいるんですよね。キツネの嫁入りといった古典的なお祭りや、昇格試験での寄り道といったネタを利用しているのも、テーマを考えれば納得がいくというもの。

 そう考えると、アニメ版 #06 のエピソードも、作品テーマそのものを描いていたものだったんでしょうね。#06 で語られていた「左手」=「不要なもの」=「効率性の名の元に切り捨てられたもの」、そうした中にも実は大切でかけがえのないものがある、というのは ARIA の作品テーマそのものでしょう。効率や利便性の名の元に、一緒に切り捨てられてしまった幸せを思い出させてくれる、それが ARIA という作品なんじゃないかと。

 火星がアクア(水の惑星)という、本来地球が冠するべき名前を引き継いでいるという設定も、上記のようなことを考えればなるほど腑に落ちる、というもの。確かにこれは原作読んでる人からすると、アニメ版の評価が高いのも頷けます。……設定紹介がほとんどなかったので私にはまるっきり分からなかったですけど;。

 しかし名ゼリフ連発な作品だなぁ……と思ってたんですが、最後の 7 巻まで読破してみたらそのまんまのセリフが出てきてますね。っていうかでっかいいいセリフですよ、ホントに。

「今日は素敵なものを、いっぱい、いっぱい見つけちゃいました。
 もしかしたら、当たり前すぎて普段気が付かない素敵なものって、
 まだまだいっぱいあるのかもしれませんね。」


 アニメ版に比べると、原作はやや密度が薄い感もありますが、そうはいってもやはり非常に良い出来。すでに中盤を折り返してますが、最後までこの密度で行って欲しいとこですね〜。

投稿者 まちばりあかね☆ : 2005/11/25 01:43 | 3.アニメ&コミックス

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