2000年 ネタバレなしゲームインプレッション


 このページは、私が2000年にプレイしたゲームに関するネタバレなしのゲームインプレです。ネタバレありのゲームインプレに関してはインデックスあるいはネタバレなしのゲームインプレから飛ぶことができます。なお、直リンクから飛ばれてきた方々はトップページはこちらになります。よろしければどうぞお立ち寄りください。

インデックス

※リンクが貼られていないものはゲームインプレを記述していないものです。また、このページ内で一部ネタバレを含むものについては白文字反転をしています。

ゲームタイトル メーカ ハード インプレ お気に入り度
AIR KEY Windows ネタバレなし / あり ★★★★★
Kanon 全年齢対象版 KEY Windows, PS2, DC ネタバレなし ★★★★
終ノ空 ケロQ Windows   ★★★★★
二重影 ケロQ Windows ネタバレなし ★★★★★
CANVAS F&C カクテル Windows ネタバレなし ★★
Can Can Bunny 6 i・mail F&C カクテル Windows ネタバレなし ★★
Princess Memory F&C カクテル Windows   ★★
Unbalance Cherry Soft Windows  
Sense Off otherwise Windows ネタバレなし / 後日談

 

AIR

 「本当の幸せ」とは何か、それをユーザーに深く考えさせるKEYの挑戦的な作品。作品の解釈自体も極めて難解で、通り一辺の感動だけではなく、その裏側に十二分に練り込まれたシナリオ、そしてテキストがあり、To Heartやときメモなどと並んで、20世紀の屈指のギャルゲーの一つと言って良いでしょう。

 シナリオ解説およびゲームレビューに関しては長文になるため、別ページに掲載しています。よろしければご覧ください。

Kanon全年齢対象版

 Windowsで一大ブームを巻き起こしたKanonの全年齢対象版。Kanonの18禁シーンの一部(すべてではない)が削除され、何枚かのCGが追加された形になっています。
 18禁シーンの大半が削除されたとはいえ、名雪シナリオだけは(直接描写こそ削られているものの)削られていないのが特徴的です。もともと18禁版でも名雪シナリオだけは不可避イベントになっていましたが、やはり血のつながりのある親戚が一線を越えるという描写はシナリオ上不可欠だからということでしょう。

 追加CGに関しては、真琴シナリオに追加されているCGがとにかく素晴らしいです。真琴ファンの方々は是非ともプレイして頂きたいところ。栞シナリオの追加CGも素晴らしいものが多いです。ただ半面、イラストレータの樋上いたるさんの画風が変化してしまっており、他のCGとの統一性がややないのが残念なところです。

 Dream Cast版では音声が追加されていますが、Windowsから入った人にはやはり違和感があるのは仕方のないところ。加えて名雪を演じる國府田マリ子さんなど、声優としての技量にやや難がある方々も少なからずおり、少なからずショックを受ける人もいるかもしれません。操作性に関してはWindows版より遥かに出来が良いだけに、残念なところです。

 追記:整理してたらKanonの昔の解釈書き込みが(^^;)。とりあえず掲載しておきます。

二重影

 『終ノ空』に続く、ケロQの第二作目作品。

 ケロQというメーカーはあまりなじみのない方々が多いと思いますが、第一作『終ノ空』から異色とも言える光を放っている会社で、まだ練りこみや演出技術が足りないものの、シナリオに関してはKEYにも匹敵する実力を持つ会社と思っていて、目が離せないメーカーになっています。

 第一作目の『終ノ空』(ツイノソラ)は、精神異常に陥ったある学生が作り上げたカルト教団に多くの生徒が巻き込まれ、崩壊していく日常の中で、様々な感情が渦巻く人々を描いた作品。そしてこの第二作目の『二重影』は、戦国時代を舞台にした物語。二つの影を持つ呪いをかけられた男、二つ影双厳がその呪いを解く為に乗り込んだ淡炎島。人それぞれ、様々な想いで剣が振られる中、双厳は生きるために剣を振る。剣の道に生きることとは、そして生きることとは何か。それを強烈に訴えかけてくる作品です。

 ケロQさんの作品は、そのタイトル(ツイ(対)ノソラ、二重影)からも分かるように、様々な要素に対して表と裏の対比を扱い、それを徹底的に描いていくことで対比の中からいくつかの真実を突きつけてくる、そういう描き方がされています。二作品に共通するテーマ、それは『生きる』ということ。それが何なのか。もちろん唯一無二の答えがあるわけではありませんが、ケロQさんなりの考え、答えというのを強烈にメッセージとして投げかけてくる、極めて挑戦的な意欲作だと考えています。

 『終ノ空』はその根底をいくつかの哲学書に置いているそうで、ゲーム中でもたびたび哲学書の中からの引用が出されたり、発売されたムック本の中でも哲学のパロディだというようなことを語られています。そして、『終ノ空』にしろ『二重影』にしろ、その背景にある設定や思想といったものが極めて深くて難解で、ゲームを通り一遍でクリアしただけではとても理解できず、その片鱗に触れる程度であるにもかかわらず、作り手からのコアな部分のメッセージはきちんとユーザに届くように作られている、という点が面白いです。(ちなみに設定そのものはゲーム中ですべて語り尽くされており、きちんと読めば理解できるように作られています) この点は、設定自体が複雑でその部分に謎かけを置き、作品テーマ自体は極めて単純とも言えるKanonやAIRとは対極的な作り方がされています。AIRのその辺に不満を持たれた方は、こちらのゲームをプレイしてみると良いと思います。

 ただ、ケロQさんの両作品に共通して、非常に気持ち悪い描写が続く部分があるため(陵辱系ではなく、グロテスク系)、ホラー系が苦手な人にはお奨めできないという難点はあります。私自身それほど弱くないつもりだったのですが、『終ノ空』の初回プレイ時には、あまりの気持ち悪さにテキストを読みきれずにさっさとクリックして飛ばしたりもしました。しかし最後に語られるメッセージは極めて前向きで、改めて『生きる』ということを実感したり、考えさせられたりします。二作品ともテーマとして共通していますが、先に前作である「終ノ空」をプレイされると、『二重影』のゲームの構造が見えてきて面白いと思います。(秋葉原でもなかなか手に入りにくいゲームですが、探せばなんとか手に入ると思います。もしかしたら二重影と併せて再版されているかもしれません。)

CANVAS

 同窓会やナチュラルを手掛けてきた開発チームFC01が作った新作。骨格となるストーリーは、自分の望まぬ絵ばかりを描かされ続けて情熱を失った主人公が、そばにいるかけかげえのない子に気付いて再び筆を取り戻すことができるようになっていく、というもの。

 ストーリーはお約束の嵐、ベタベタな展開。特に深い心理的葛藤もなく、キャラ間によるバトルもあまりなく、はっきり言って『淡々と』展開されるストーリーは少し味気ない部分もあります。ただ、君影百合奈先輩のシナリオはお見事。内容、展開いずれを取っても非常に良く、声優さんも見事に演じ切ってますね。18禁シーンへの流れも上手い。しょっぱなに『呪い』なんて言い出すのでかなり不安だったのですが、プレイしてみるとこれがなんとも見事な、綺麗な展開を見せてくれました。BGMの使い方も上手くて、ラスト近くはかなり泣けます。

 ☆画野朗さんをはじめとするカクテル原画陣、CGイラストレーター陣の実力たるや一見の価値がある作品と思います。イラストの美しさには目を見張るものがあり、『イラストにシナリオが負けている』という面も少なからずあります。

 それにしても、女の子のアーパーぶりはとにかく強烈。隣に住んでいる幼なじみの女の子の天音ちゃん、この子のアーパーぶりはPia Carrot 2の美奈ちゃんやつかさちゃんを越えていると言っても良いぐらい。教育実習生としてやってくる、昔のあこがれのお姉さんの悠にしても、その行動たるやまるで小学生(^^;;)。泣きゲーではありませんが、妹属性のある方、かわいい妹が好きな方にはかなり強烈にお奨めできる一作です。

Can Can Bunny 6 i・mail

 カクテルと言えばきゃんバニシリーズ、というぐらい有名なシリーズなのですが、久しぶりに出た新作の6はスワティ様の影も形もなし。『恋愛シミュレーションゲーム』の名に恥じぬ、同時8股プレイが可能というとんでもないゲームになってしまいました(^^;;)。

 いやまあ確かにきゃんバニと言えば、口説き落とすがためにあの手この手を尽くすゲームではあるものの、1日に動ける枠が8コマ、攻略できるキャラが8キャラで、出現パターン表から計算される手順に従ってひたすら携帯電話をかけまくり、メールをテキパキと処理し、デートをこなしていく様はまさしく鬼畜そのもの(笑)。そしてさらにその様子を、携帯電話に住み込んでるモナコという女の子がずーっと観察してたり。シチュエーションだけ書くと、まあとにかくとんでもないゲームです。

 シナリオの方もライトウェイト級で、特に心ときめくこともなければ心の葛藤もなし、練りこみも残念ながら弱い、と、お奨めできる部分はあまりなし。今でこそ8キャラ同時攻略チャートがあるものの、当時は皆でモナコを探して血眼になっていた日々が一週間ちょっと続いていたのが懐かしい作品です。

 もっともこのゲーム、AIRが発売される二週間ほど前に出たということもあり、みんな、AIRの前になんとしてでも片付けたかった……んじゃないかと思うのですが。(^^;;;)

Sense Off

 ONEの系譜を引いているとも言えるゲーム。Sense Offの名の通り、自己の存在の意味や意義を中心として、精神や肉体の問題を上手に扱った一作です。OP/EDテーマはKEYさんでおなじみのI'veさんが手掛けられており、かなり良い感じです。

 幼なじみの女の子、意地っ張りなクラスメイト、妹っぽい下級生など、キャラ配置もKEYの作品の影響を強く受けている印象がありますが、とにかく女性キャラクターの描写が非常に魅力的。珠季のかわいさといったらONEの七瀬を越えているのではと思うほど。シナリオはたった一人のライターさんがほとんどすべてを書ききっているようなのですが、よくこれだけ書ききったなと感じさせる出来ではあります。ただ惜しいのはエピローグ。ONEのラストは極めて理不尽な終わり方であったのに対してこちらはそれ相応に理論的な説明を試みているのですが、それがかえってこのシナリオの根幹部分を揺るがしてしまっている感があり、結局夢オチと同様な、理不尽さというか漠然とした不満感が残る結果になってしまったような気がします。一人で書いていることもあって統一性は取れているのですが、ラストの主張の弱さが少なからず残念です。

※後日談を別ページに書きました。よろしければお読みください。


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