このページは、Remember 11 〜The age of Infinity〜 の完全ネタバレページです。このページを読んでしまうと、ゲームの楽しみの大半を損なう危険性がありますので注意してください。
なお、このページには Ever 17 〜 The out of Infinity 〜 のネタバレも含まれていますので、Ever 17 未プレイの方も読まない方がよいでしょう。ゲームの楽しみを大幅に失います。
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Remember 11 では、ゲーム本編中で語られている設定が非常に断片的で、しかも本来であれば存在すべきであろう第 3 のシナリオ(おそらくセルフ編となるのでしょう)がまるごとごっそりと抜け落ちています。さらに、そのセルフ編がないことを補完する目的……かどうかは分かりませんが、バッドエンドを含めた全 33 エンドをコンプリートして始めて見ることのできる 100 番目以降の TIPS を参照しない限り、設定面でも大量の謎が残る、いやたとえ TIPS を見たとしても解けない謎が大量に残るという、不完全なゲームになっています。
公式 BBS を初めとして、数多くの Web サイトで非難を集めているゲームですが、私も正直言って「勘弁してくれ」と言いたくなります。ですが、Remember 11 の不完全性を指摘するにあたっては、私自身も「最大限でここまでは解析し、想像できた」というモノを示すべきだと思いました。ですので、私なりのシナリオ解析結果を整理してみました。(解釈したり、妄想したりするのが好きだという方は、このページを読まれると楽しみを奪うことにもなりますので、予めご注意ください。)
なお、ここに掲載したシナリオ解析結果はあくまで一例でしかありません。「正解はプレイヤー一人一人が見つけるものだ」などといった寝言を言うつもりはないのですが、そもそも本編中で語られている情報はあまりにも断片的かつ不正確で、これは正解だと言い切れるものはほとんどありません。このため、やむなく私自身が『推測』『妄想』したものも数多く含まれています。ですので、あくまでここに書かれた内容は、脳内補完の一例です。(^^;)
このシナリオ解析結果では、以下の点について、私の解釈をまとめます。
時空間転移の設定について
悟 Good End において最後に残されたキャラクターについて
各キャラクターの正体について
時空間転移を行った悟の真の目的について
ゲーム本編開始直後のキャラクターの動きについて
心理学的な意匠と『第三の眼』について
残された謎について
このゲームの終盤で明かされるように、ゲーム中に出てくる時刻や日付には以下のようなズレがあります。
こころが見る、スフィアの部屋の置き時計は 33 分間進んでいる。よって、-33 分をした時刻が正しい。
第 3 地点(穂樽日鉱山地下)の日付は 1 日進んでいる。つまり、朱倉岳が 2011/1/11、スフィアが 2012/1/11 のとき、穂樽日鉱山地下は 2011/7/12 になっている。
また、時空間転移時にいくつかの条件が揃っている場合、意識が元の地点に残留し、肉体のみが次の時空点に転移するという現象が起こります。中心点から半径 110m (以下 R110 と呼びます)に収まっていない地点についてはこの時空間転移の現象が起こらないので、R110 の外も意識して表形式で整理すると、以下のようになります。
なお、表記上、どの意識がどの肉体と合体していたのかを分かりやすく示すために、「肉体 (意識)」という表記を使っています。また、詳細は後に述べますが、犬伏と穂鳥、悟、榎本に関しては、いずれもその正体が異なっているため、それぞれ肉体の名前を、黒髪、金髪、グラサンと表記するルールとします。
ここで、肉体のみ(色つきのセル)が時空間転移と共に次の地点にズレていくものの、意識(魂)に関してはその時刻・場所に残留し続けて、やってきた肉体と合体することに注意してください。この時空間転移は 33 分間ずつ持続し、1 セットが 66 分間隔になっていることは、ご承知の通りです。
上記の基本的な時空間転移において、疑問となる点を整理しておきます。
第 3 地点において、人格交換を行っているのは誰か?(α/ωの正体は誰か?)
これについては、内海のお腹の中にいる双子のそれぞれ、でしょう。
主な理由としては、第 3 地点には 8 月に出産を控えた内海がいること、この地点を経由する際に羊水をイメージさせる「赤い世界」が出てくること、またタイムテーブル解析を行うと、こころ肉体や金髪肉体を、この第 3 地点にある意識が支配している際に以下のような行動を行っていたことなどが挙げられます。
山小屋で、こころ(双子A)が新聞をめちゃくちゃに破り続ける。(1 日目 22:24〜22:57)
こころの書いたイラストの上から落書きを加える。(2 日目 13:07〜13:40)
ナイフで遊んでケガをする。(2 日目 17:30〜18:03)
睡眠薬を飲まなかった場合、スフィアのバスタブに自分から沈もうとする。
グラサンをめった刺しにして殺す。(4 日目 18:44〜19:17)
DMT、ハルミン/ハルマリン混合溶液を摂取。(5 日目)
カンパンを全部食べてしまう。(5 日目)
リビングで暴れて、家具をめちゃくちゃに壊しまくる。(5 日目 22:20〜22:53)
山小屋の外、R110 内にある穂鳥の死体への転移は可能か?
まず各バッドエンドにおいて、こころ肉体が殺されても、悟は 0 次元(点)という意識体として残留して転移することができています。このことから、肉体が死んでいたとしても、少なくとも転移現象そのものが出来ないということではない、と考えられます。
このあと、バッドエンドはゼロリセットされるものと、そのまますべて消失するものがありますが、これらについてはいずれも『論理的に閉じた世界が作れない』ためにゼロリセットされた、もしくは世界そのものが消失した、と考えることができると思われます。
っつーか、そう考えないと説明できない場所が多すぎです。(汗)
なお、ゆにに関しては、1/11 のタイミングで 2011 年のゆにと 2012 年のゆにが入れ替わり、それ以降はずっと R110 内に留まっています。
まず先に、最終日(7 日目)のタイムテーブルの解析結果を示します。(なお、各マスの下段側のセルは、時空間転移が発生する直前にその領域にいたキャラクターを表わします。)
テキストを見る限り、この日の 2 回目・ 3 回目の時空間転移の発生時刻がはっきりしませんが、解釈上は特に問題ありません。このタイムテーブルのポイントを、いくつか以下に説明します。
1 回目の転移から、実際に金髪(悟')とこころ(こころ)が海岸で出会うまでの間、各キャラクターたちは以下のように動いています。
こころ(こころ) は、救援物資を探しに吹雪の山(=朱倉岳)に出たあと、小屋に戻り、体を温めますが、その後、小屋の外に出ると晴れており、その周囲は海でした(=青鷺島)。
金髪(悟')は 1 回目の時空間転移(04:48)の前に R110 の外に出ています。
内海カーリーとそのお腹の中の双子の赤ちゃん(8 月に出産)は 7/16 (ゲームの 5 日目)に退院しています(悟ルート 1/16 13:36の金髪(悟')と内海の会話より)。この退院の時刻ははっきりしませんが、少なくとも 7 日目の時点ではすでに双子の赤ちゃんは存在していません。
この 3 つを勘案して、さらに金髪(悟')とこころ(こころ)が海岸で出会った理由を推測すると、人格交換(意識の空間への残留現象)は、入れ替わる肉体が R110 内に綺麗に揃っていない限りは発生しない、と考えられます。
またこれ以降、穂鳥の肉体が残っているにもかかわらず、黒髪(犬伏)の人格交換が発生していないことを勘案すると、人格交換は、時空間転移の発生タイミングで、3 つの R110 内に、3 つの肉体と 3 つの意識が揃っている場合に限って発生するのだと推測されます。
なぜ悟 Good End 時に黒髪の中身に犬伏人格が宿っていたのかは、以下のように考えられます。
7 日目スタートのタイミングで、黒髪の中身の意識は犬伏人格。
05:20 のタイミングでスフィアの外(朱倉岳山中)に出る。また、このときの黒髪の様子は、「このことに乗じて、スフィアを脱出するつもりだったのかもしれない」という様子だったことがわざわざ描写されている(これは穂鳥人格ではなく犬伏人格だったことを示唆していると思われる)。
雪崩発生直前に黒髪は喋っているので、この意識は犬伏。
あとは金髪(悟')たちと共にスフィア 2012年に戻ってくれば、悟編 Good End (黒髪の中身が犬伏人格)という構図を作り出すことができます。
ゲーム中では巧みなトリックにより隠されていますが、これらのキャラクターの正体を紐解いてみると、以下のようになると思われます。
金髪(悟')について : 肉体は榎本のもの、意識は悟からコピーされたもの
以下の理由から、この肉体はもともと榎本のものだったと考えられます。
第 3 地点でのバッドエンドで、金髪の青年が「榎本」と呼ばれている。
各種のバッドエンドで「榎本さんお薬ですよ〜」と言われている。
悟という名前にあれだけ敏感に反応した黛が、悟編 Good End において、金髪を見ても反応せず、さらに「あなたは私の知ってる優希堂 悟じゃない」と言い切る。
一方、その意識や記憶に関しては、悟から部分的にコピーされたものだと考えられます。
グラサンの方が本当の優希堂 悟である。
にもかかわらず、金髪の方は自分のことを「優希堂 悟」だと信じ込んでいる。
黛との思い出が断片的であり、思い出せない記憶がある。
グラサンから話を聞いて記憶が混乱し始めたとき、発狂を始める。これは DID の症状に似ている。(榎本の記憶の上に悟の記憶を上書きされているので、多重人格に近い?)
自分の呼び方。第 3 地点(The Third Area)のバッドエンドにおける自称は、金髪(悟')は「オレ」、グラサン(悟)は「俺」、金髪(榎本)は「私」になっている。
グラサン(悟)について : 肉体も意識も悟のもの
上記の金髪(悟')に対する考察から、以下のことも同時に導かれます。
黛のかつての恋人は、グラサン(悟)である。
航空券のチケットは、グラサン(悟)のものである。
TIPS の最後に出てくる優希堂 沙也香は、グラサン(悟)の妹である。
黒髪(犬伏)について : 肉体は沙也香のもの、意識は犬伏のもの
悟編において、黒髪の少女は「涼蔭穂鳥」を名乗っていますが、その正体(意識)は犬伏だと考えられます。これは、一番最初に挙げた人格交換のサイクルにおいて、犬伏人格がスフィアから移動することはないと考えられるためです。
この黒髪(犬伏)の肉体の当初の所有者は、OP 直後に出てくる少女(優希堂 沙也香)であると考えられます。理由は以下の通り。
外見上の酷似。ゲーム中に出てくる黒髪の少女は、OP 直後の少女と、悟編の少女しかいない。
どちらも DID である。血液型も AB 型で一致している。
金髪(悟')は、どうしてか黒髪の少女を憎めない、という記述が数箇所に出てくる。
TIPS によれば、優希堂 沙也香は 2001 年に死んだとありますが、上と併せて考えると、これは人格死と考えるのが妥当でしょう。
OP 直後に、沙也香は自分が殺されてしまうと怯えており、それをお兄ちゃん(=悟)には絶対に救えない、と言います。
犬伏の生年月日は 1991/04/30 となっており、沙也香の生年月日 1990/2/22 とは異なりますが、これは肉体を乗っ取った人格である犬伏のプロフィールに基づくものだとも考えられます。
後述しますが、このように考えると、グラサン(悟')がこの装置により狙った計画も想像ができます。
時空間転移装置のミソは、第 3 領域である 2011 年の 7 月を中心として、
過去への遡り
概念のすり替え(=人格交換)
を行うところに肝があります。しかし、優希堂 沙也香に関する TIPS 及び上記の推測、すなわち
「彼女の死が原因で、悟は今回の『計画』を立案・遂行することになる」という説明
優希堂 沙也香が 2001 年の時点で人格死を迎えた。
の 2 点、及び 2012/1/14 16:29〜18:11 における、金髪(悟')とグラサン(悟)との会話の内容(現在の時空間転移は実験であって、真の目的は別にあるという発言)を元に考えると、悟の真の計画は沙也香の復活計画にあり、その計画は早くとも 2020 年にならないと実現することができないと考えられます。
このように考えると、以下のようなポイントも素直に読み解くことができるように思います。
大量殺人を犯した黒髪(犬伏)が、スフィアに軟禁され、なおかつその側にグラサン(悟)がいる理由。
もちろん単に時空間転移を行うだけでも、10 歳の沙也香を連れてくることも可能ですが、それだとタイムパラドックスが発生しかねません。
しかし時空間転移に加えて人格交換を行えば、肉体は黒髪(犬伏)を使いながらも心は沙也香とすることができ、犬伏などの DID 人格を抹殺することが可能になるのではないかと考えられます。
内海がスフィアにいながらも、黒髪(犬伏)を殺さない理由。
内海は、潤一を殺されたのち、ライブリヒの施設の一つである穂樽日鉱山地下に軟禁されたのち、双子を取り上げられてスフィアにいますが、この双子はライブリヒ(ひいては悟)が押さえており、そのために内海が手を出せない状態になっていると考えられます。
2012 年にこの計画を実行した理由。
上の推定からは、2020 年になるまでは真の悟計画は実現し得ず、それまでの間はただひたすらタイミングを待ちつづける、ということになります。海外へ長期渡航する予定だったのも、その研究などのためだったと考えられます。
しかし、グラサン(悟)の恋人であった黛が死んだことを 7 月の新聞で知ります。これを生き返らせるためには 2012 年 1 月の計画発動が必須であったため、渡航を取りやめて計画に取り掛かったのだと考えられます。
グラサン(悟)の目的が、真の目的のための予備実験だったのか、それとも純粋に黛を生き返らせたかったのかははっきりしませんが、おそらく後者ではないかと思われます。
グラサン(悟)が金髪(榎本)の意識を潰し、自分の記憶をコピーした理由。
理由は不明ですが、時空間転移における人格交換をかわすためという理由が考えられそうです。
悟とこころが人格交換の条件(誕生日の一致などが考えられますが、詳細は不明)を満たしているとした場合、初期状態のままだと、グラサン(優希堂 悟)とこころ(こころ)とが人格交換を起こしてしまいます。
しかし、真の目的があるグラサン(悟)にとって、これではリスクが高すぎるため、共同研究者である榎本に手をかけ、そこに自分の記憶を移植します。(※ ここのところについては、「記憶移植」という設定そのものがトンデモであるため、別の解釈もあるかもしれません。)
そして自分は「榎本」を名乗ります。こうすることによって、概念の残留、すなわち人格交換を逃れることが可能になる、と考えられます。
もっとも、この計画が本当にグラサン(悟)の思惑通りに進んだのかは疑問があります。というのも、もともとグラサン(悟)は 2 点間での時空間転移を想定してこの装置を開発したと思われるからです。これは以下の 2 点から推測されます。
2012/1/14 16:29〜18:11 における金髪(悟')とグラサン(悟)との会話の内容や実験装置の内容。
榎本尚哉に関する TIPS の以下の解説。「悟が記憶を失ってしまったこと、ならびに双子の胎児の戯れによって不具合が生じていることを苦々しく思っているが、今さら中止することもできず、黙って成り行きを見守っている。」
内海カーリーをなぜ 7/16 という中途半端なタイミングで退院させたのかが疑問だったのですが、上記の TIPS での解説から推測すると、これはそもそも想定していなかったことだと考えられます。
一方、これらの想定を元に、ゲーム本編開始直後のキャラクターの動きを解析してみると、以下のようになっていると思われます。(一部不明な点もあります。)
スタート直後に、金髪(悟')を時計塔から突き落としたのが誰か、という FAQ がありますが、これはゆに(2012)ではないかと思っています。かなり妄想入っていますが、以下のようなことが考えられます。
このタイミングにおいて、金髪(悟')を時計塔から突き落とせるのは、ゆに(2012)、黒髪(犬伏)、グラサン(悟)の3人しかいない。
グラサン(悟)は、そもそも金髪(悟')というキャラクターを用意した本人であり、また TIPS 内に「金髪(悟')が記憶を失ってしまったことを苦々しく思っている」という表記があるので、除外される。よって、黒髪(犬伏)が殺人衝動によって殺したか、またはゆに(2012)が殺したかのいずれかである。
金髪(悟')が記憶を失うことによって一番の利益を得るのはゆに(2012)のような気がする。以下のように考えると収まりがよい。
今回の時空間転移では、黛をうまく救い出すことが目的の一つとして存在する。よって、金髪(悟')はグラサン(悟)から「黛の記憶や時空間転移の情報を都合よく移植されていた」と考えられる。(そのように考えると、金髪(悟')が時計塔に登ったのも、時空間転移の状況を確認するためだと考えられる。)
しかし金髪(悟')が完全な記憶を持っていると、首尾よく黛が助け出されてしまい、こころ(こころ)が助からないかもしれない。
歴史を変えないためには、金髪(悟')の記憶が不完全となり、グラサン(悟)が一連の過程の中で殺される必要がある。
このゲームでは、アニマ、アニムス、グレートマザー、トリックスター、オールドワイズマン、ペルソナといった数々の心理学的な意匠が出てきます。これらはユング心理学の中で出てくる用語で、「元型」と呼ばれているものです。
私は専門家ではないのでかな〜り誤解しているかもしれませんが(汗)、これらの元型は、様々な人間に共通的に見られる「心のクセ」だと考えると分かりやすいと思います。例えば、黛(ペルソナ)のように仮面をかぶって意地を張ってみたり、あるいは聖司(オールドワイズマン)のように理性的に賢く理路整然と物事を考えたり、あるいはゆに(トリックスター)のように天邪鬼(あまのじゃく)な行動をしてみたり。こうした様々な「心のクセ」を、同時に内包しているのが人間の心だ、というわけです。
本編中に再三出てくる「セルフ」という用語もユングが提唱した概念の一つであり、これは、上記のような対立を含む様々な人格がうまく統合されていった、理想的な状態のことを指す用語です。
このことや、以下のようなポイントを踏まえて考えると、このゲームには本来、様々な要素を統合していくプロセスとしての第 3 ルート「セルフ編」が存在していてもおかしくないように思えます。
ゲーム本編中に再三出てくる「セルフはどこ?」という表現
山小屋において、プレイヤーがどの食べ物の選択肢を選んでも、ゆに(2012)、黛、こころ(こころ)がすべて声を揃えて同じ食べ物を言う。
「最終レベル」というキーワードに関する TIPS。「『第3の眼』の開眼とともに―――。」という説明がある。前作では、第三視点と言えば、ゲーム外のプレイヤーのことでした。
かごめ唄のモチーフ。ゲーム作品内部から、うしろの正面が誰かといえば、それはプレイヤーのことでしょう。
「概念を残したまま、物質だけを入れ替える」という時空間転移装置の仕組み。仮に、グラサン(悟)が金髪(悟)の記憶を塗り潰してトリックを仕掛けたとしても、もしこの時空間転移装置というのが『科学的なもの』だったとしたら、そんなトリックが効くはずがありません。このトリックが効いてしまうのは、この時空間転移装置というものが、『プレイヤーの思い込み』に対して働くものだから、だと考えられます。
とはいえ、このような解釈は Ever 17 〜 the out of infinity 〜 の設定を前提としたものでもあり、心理学的意匠を無視してもっと単純に、セルフ=失われた自分自身=失われた人格=沙也香、と解釈する方法も考えられるでしょう。この部分については、判断材料が不足しすぎていて何とも分かりません。
また、TIPS やゲーム本編中で出てくる「アイツ」「ワタシ」についても様々な解釈が考えられ、それを絞り込む材料には欠けています。セルフ=プレイヤーという解釈を入れるのであれば、以下のような解釈は成立するかもしれません。
ワタシ=セルフ=人格統合された彼ら=プレイヤー
「ワタシを殺す 記憶の迷路」とは、まさにこのゲームそのもの。
アイツ=もう一つの第三視点=制作者
点、虚無、0 次元とは、ゲーム世界内に実物を持たない『意識』だと考えられる。
「彼らすべてを制する『王』」、「絶対的な意志」としては、プレイヤーか制作者のいずれかが考えられる。
ですが、いずれも論拠に欠けており、妄想の域は出ていないでしょう。
……とまあ、いろいろと妄想を続けてきましたが、それでも分からないことだらけです。特にシナリオ上重要であるにもかかわらず、全く見当もつかないのは、
2011/01/17 に、実際に朱倉岳で起こったこと。
結局、腐乱死体はあったのか否か?(論理的に閉じていることが求められるので、おそらく腐乱死体はあったと思われる。しかし、グラサン(悟)の死体だけでは数が合わない。)
こころ編 Good End の最後でこころがなぜ自分のことを「籠女」だと言うのか?
といった点。これ以外にも、細かい疑問点を挙げだすと、おそらくキリがないのではないでしょうか。(これ以外にも、世界の消滅エンドと時間のリセットエンドの 2 種類があるところとか、いろいろ考察するポイントはあるのですが、もう疲れました(涙)。あとは誰か宜しくお願いします、ということで。)
というわけで頑張って妄想をしてきましたが、やはり第 3 ルート「セルフ編」がなければ、作品設定も含めて、解き切ることは難しいのではないか、そんなふうに思えるところです。
……と、ここまで頑張ったんだから、叩いていいですよね? ね?(笑)
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