Remember 11 作品設定に関する妄想ページ

Original Created 2004/03/23

おねがい

 このページは、Remember 11 〜The age of Infinity〜 の完全ネタバレページです。このページを読んでしまうと、ゲームの楽しみの大半を損なう危険性がありますので注意してください。

 なお、このページには Ever 17 〜 The out of Infinity 〜 のネタバレも含まれていますので、Ever 17 未プレイの方も読まない方がよいでしょう。ゲームの楽しみを大幅に失います。

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はじめに

 Remember 11 では、ゲーム本編中で語られている設定が非常に断片的で、しかも本来であれば存在すべきであろう第 3 のシナリオ(おそらくセルフ編となるのでしょう)がまるごとごっそりと抜け落ちています。さらに、そのセルフ編がないことを補完する目的……かどうかは分かりませんが、バッドエンドを含めた全 33 エンドをコンプリートして始めて見ることのできる 100 番目以降の TIPS を参照しない限り、設定面でも大量の謎が残る、いやたとえ TIPS を見たとしても解けない謎が大量に残るという、不完全なゲームになっています。

 公式 BBS を初めとして、数多くの Web サイトで非難を集めているゲームですが、私も正直言って「勘弁してくれ」と言いたくなります。ですが、Remember 11 の不完全性を指摘するにあたっては、私自身も「最大限でここまでは解析し、想像できた」というモノを示すべきだと思いました。ですので、私なりのシナリオ解析結果を整理してみました。(解釈したり、妄想したりするのが好きだという方は、このページを読まれると楽しみを奪うことにもなりますので、予めご注意ください。)

 なお、ここに掲載したシナリオ解析結果はあくまで一例でしかありません。「正解はプレイヤー一人一人が見つけるものだ」などといった寝言を言うつもりはないのですが、そもそも本編中で語られている情報はあまりにも断片的かつ不正確で、これは正解だと言い切れるものはほとんどありません。このため、やむなく私自身が『推測』『妄想』したものも数多く含まれています。ですので、あくまでここに書かれた内容は、脳内補完の一例です。(^^;)

 このシナリオ解析結果では、以下の点について、私の解釈をまとめます。

時空間転移の設定について

 このゲームの終盤で明かされるように、ゲーム中に出てくる時刻や日付には以下のようなズレがあります。

 また、時空間転移時にいくつかの条件が揃っている場合、意識が元の地点に残留し、肉体のみが次の時空点に転移するという現象が起こります。中心点から半径 110m (以下 R110 と呼びます)に収まっていない地点についてはこの時空間転移の現象が起こらないので、R110 の外も意識して表形式で整理すると、以下のようになります。

 なお、表記上、どの意識がどの肉体と合体していたのかを分かりやすく示すために、「肉体 (意識)」という表記を使っています。また、詳細は後に述べますが、犬伏と穂鳥、悟、榎本に関しては、いずれもその正体が異なっているため、それぞれ肉体の名前を、黒髪、金髪、グラサンと表記するルールとします。

 ここで、肉体のみ(色つきのセル)が時空間転移と共に次の地点にズレていくものの、意識(魂)に関してはその時刻・場所に残留し続けて、やってきた肉体と合体することに注意してください。この時空間転移は 33 分間ずつ持続し、1 セットが 66 分間隔になっていることは、ご承知の通りです。

 上記の基本的な時空間転移において、疑問となる点を整理しておきます。

 なお、ゆにに関しては、1/11 のタイミングで 2011 年のゆにと 2012 年のゆにが入れ替わり、それ以降はずっと R110 内に留まっています。

悟 Good End において最後に残されたキャラクターについて

 まず先に、最終日(7 日目)のタイムテーブルの解析結果を示します。(なお、各マスの下段側のセルは、時空間転移が発生する直前にその領域にいたキャラクターを表わします。)

 テキストを見る限り、この日の 2 回目・ 3 回目の時空間転移の発生時刻がはっきりしませんが、解釈上は特に問題ありません。このタイムテーブルのポイントを、いくつか以下に説明します。

■ 人格交換が発生する条件について

 1 回目の転移から、実際に金髪(悟')とこころ(こころ)が海岸で出会うまでの間、各キャラクターたちは以下のように動いています。

 この 3 つを勘案して、さらに金髪(悟')とこころ(こころ)が海岸で出会った理由を推測すると、人格交換(意識の空間への残留現象)は、入れ替わる肉体が R110 内に綺麗に揃っていない限りは発生しない、と考えられます。

 またこれ以降、穂鳥の肉体が残っているにもかかわらず、黒髪(犬伏)の人格交換が発生していないことを勘案すると、人格交換は、時空間転移の発生タイミングで、3 つの R110 内に、3 つの肉体と 3 つの意識が揃っている場合に限って発生するのだと推測されます。

■ 悟編 Good End に残っていたキャラについて

 なぜ悟 Good End 時に黒髪の中身に犬伏人格が宿っていたのかは、以下のように考えられます。

各キャラクターの正体について

 ゲーム中では巧みなトリックにより隠されていますが、これらのキャラクターの正体を紐解いてみると、以下のようになると思われます。

時空間転移を行った悟の真の目的について

 時空間転移装置のミソは、第 3 領域である 2011 年の 7 月を中心として、

を行うところに肝があります。しかし、優希堂 沙也香に関する TIPS 及び上記の推測、すなわち

の 2 点、及び 2012/1/14 16:29〜18:11 における、金髪(悟')とグラサン(悟)との会話の内容(現在の時空間転移は実験であって、真の目的は別にあるという発言)を元に考えると、悟の真の計画は沙也香の復活計画にあり、その計画は早くとも 2020 年にならないと実現することができないと考えられます。

 このように考えると、以下のようなポイントも素直に読み解くことができるように思います。

 もっとも、この計画が本当にグラサン(悟)の思惑通りに進んだのかは疑問があります。というのも、もともとグラサン(悟)は 2 点間での時空間転移を想定してこの装置を開発したと思われるからです。これは以下の 2 点から推測されます。

 内海カーリーをなぜ 7/16 という中途半端なタイミングで退院させたのかが疑問だったのですが、上記の TIPS での解説から推測すると、これはそもそも想定していなかったことだと考えられます。

ゲーム本編開始直後のキャラクターの動きについて

 一方、これらの想定を元に、ゲーム本編開始直後のキャラクターの動きを解析してみると、以下のようになっていると思われます。(一部不明な点もあります。)

 スタート直後に、金髪(悟')を時計塔から突き落としたのが誰か、という FAQ がありますが、これはゆに(2012)ではないかと思っています。かなり妄想入っていますが、以下のようなことが考えられます。

心理学的な意匠と『第三の眼』について

 このゲームでは、アニマ、アニムス、グレートマザー、トリックスター、オールドワイズマン、ペルソナといった数々の心理学的な意匠が出てきます。これらはユング心理学の中で出てくる用語で、「元型」と呼ばれているものです。

 私は専門家ではないのでかな〜り誤解しているかもしれませんが(汗)、これらの元型は、様々な人間に共通的に見られる「心のクセ」だと考えると分かりやすいと思います。例えば、黛(ペルソナ)のように仮面をかぶって意地を張ってみたり、あるいは聖司(オールドワイズマン)のように理性的に賢く理路整然と物事を考えたり、あるいはゆに(トリックスター)のように天邪鬼(あまのじゃく)な行動をしてみたり。こうした様々な「心のクセ」を、同時に内包しているのが人間の心だ、というわけです。

 本編中に再三出てくる「セルフ」という用語もユングが提唱した概念の一つであり、これは、上記のような対立を含む様々な人格がうまく統合されていった、理想的な状態のことを指す用語です。

 このことや、以下のようなポイントを踏まえて考えると、このゲームには本来、様々な要素を統合していくプロセスとしての第 3 ルート「セルフ編」が存在していてもおかしくないように思えます。

 とはいえ、このような解釈は Ever 17 〜 the out of infinity 〜 の設定を前提としたものでもあり、心理学的意匠を無視してもっと単純に、セルフ=失われた自分自身=失われた人格=沙也香、と解釈する方法も考えられるでしょう。この部分については、判断材料が不足しすぎていて何とも分かりません。

 また、TIPS やゲーム本編中で出てくる「アイツ」「ワタシ」についても様々な解釈が考えられ、それを絞り込む材料には欠けています。セルフ=プレイヤーという解釈を入れるのであれば、以下のような解釈は成立するかもしれません。

 ですが、いずれも論拠に欠けており、妄想の域は出ていないでしょう。

残される謎について

 ……とまあ、いろいろと妄想を続けてきましたが、それでも分からないことだらけです。特にシナリオ上重要であるにもかかわらず、全く見当もつかないのは、

といった点。これ以外にも、細かい疑問点を挙げだすと、おそらくキリがないのではないでしょうか。(これ以外にも、世界の消滅エンドと時間のリセットエンドの 2 種類があるところとか、いろいろ考察するポイントはあるのですが、もう疲れました(涙)。あとは誰か宜しくお願いします、ということで。)

 というわけで頑張って妄想をしてきましたが、やはり第 3 ルート「セルフ編」がなければ、作品設定も含めて、解き切ることは難しいのではないか、そんなふうに思えるところです。

 ……と、ここまで頑張ったんだから、叩いていいですよね? ね?(笑)


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